とんがりギャルゲー紀行 第113回:受け触手

 さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。今回は美少女ゲームブランド脳内彼女が世に送り出した珍作、

受け触手

 タイトルからはBのLな雰囲気を感知する方もおられるかもしれませんが、違います。触手として生を受けた主人公の三千雄くんが、彼を愛する妹と幼馴染に貞操を狙われるラブコメディです。なんにしてもおかしなゲームであることに相違ありませんが。

 魔女である母親が神への反逆を目論み、肉片(割礼したち〇この皮)から作り上げた魔法生物が主人公なのです。なにやら背景は壮大ですが、本人は人間臭くて真面目な学生です。将来の夢はお医者さんだそうですが、幼稚園児には泣かれるらしいので小児科医には向いていないかもしれませんね。ちなみに妹は人間です。

 

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 本作をリリースした脳内彼女は“女性上位”をブランドコンセプトとして掲げるメーカー。主人公に迫る側という宿命を与えられた都合上、ブランド作のヒロインには押しが強くてクセのある娘が多く、結果として心優しい性格の男の娘キャラが唯一の癒しとしてヒロイン以上の人気を獲得するなど、ファンにややずれた愛し方をされています。後に開き直って男の娘愛を押し出した『女装山脈』『女装海峡』などをリリースしたおかげで男の娘ブランドという誤解が加速していましたが、基本は女性上位のブランドなのです。路線修正を図って女性オンリーのゲームを出しても、いまいち話題にならないのが悲しいところですが。
 『女装山脈』も『受け触手』も設定からして超個性的ではありますが、実は女性上位というコンセプトには忠実だったりします。男の娘は女性ではありませんが、ヒロインではあるのでスルーしておいてください。要は『受け触手』も紛うことなき正統派な脳内彼女ゲーだと言いたかったのです。ヒロインがとっても押せ押せですからね。触手主人公にでろんでろんにされることを熱烈に望んでいますから。

 

 なぜ触手に幼馴染がいるのか。などと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、同時期に近い場所で生まれることを幼馴染の条件とするなら鮭にだってペンギンにだって幼馴染はいるのです。すべての生物が幼馴染をもちうるのですから、触手に幼馴染がいてもなんらおかしなことではありません。

 ブランドコンセプトに沿った内容で、美少女に好かれまくっているのはエロゲーじゃ普通のことで、幼馴染と妹というド定番ヒロインとの恋愛を描くにもかかわらず『受け触手』が異様に映るのは、やはりどう考えても触手が主人公だからですね。すごいや触手は。何もかも持っていくもの。

 といっても、元がエイプリルフールネタで、フェイクでサイトのみ作られていたのが後に製品化した経緯があるためか、題材のインパクトのわりにシナリオはやや薄味な印象。

 というかヒロインが主人公に襲われるよう仕向けることが多いので、そもそもあんまり受け触手じゃないですね。

ヘタレ攻め触手です。

 世に触手ゲーは数多くあれど、ヒロインが触手を欲して迫ってくるゲームはきっとそうはないでしょう。主人公が触手の分身体を持っている設定のゲームなら見たことありますが(ソフトハウスキャラの『BUNNY BLACK2』『BUNNY BLACK3』)、常に責め側でしたし。ガツガツ迫られる触手としてはもしかすると唯一かもしれない、とんがったゲーム『受け触手』に興味が出たらぜひ遊んでみてください。ロープライスゲームで、しかもダウンロード版もあるので入手ハードルは低いですよ、この触手。
 マグカップとTシャツも販売されていますので、よければそちらもチェックしてみるといいでしょう。プリントされているのは主人公ではなく、主人公の親友で空飛ぶスパゲッティ・モンスター(※現実にあるパロディ宗教の神)の塩見君なので、然程卑猥でもなく外でも使いやすい触手です。塩見君はヒロインや母と違って主人公の話や悩みをちゃんと聞いてくれますし、ピンチの時には助けてくれますし、主人公が神になっても悪魔になっても味方でいてくれますし、作中一の神格者ですので、ゲームをプレイするときっと彼が好きになりますよ。って、男の好感度が高いこの感じ、やっぱり脳内彼女ゲーだなあ。

 

※おまけ
主人公の部屋にあるTシャツや帽子は、誰が身に付けるものなのでしょうね? 主人公は常に全裸なので、そこがちょっぴり不思議でした。

 それでは、今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

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