とんがりギャルゲー紀行 第116回:南国ドミニオン

 無人島サバイバルもののゲームというと色々ありますよね。FPSやシミュレーションゲームだけでなく、美少女ゲームでもたびたび扱われる題材です。「島では謎の伝染病が流行っていて、治療には主人公の精液が必要なの!」みたいなド直球設定のエロゲーもありますが、今回取り上げるのはエロとお話だけでなくゲーム性にも要素を割り振ったやつです。

 今回ご紹介するのは、ソフトハウスキャラがリリースしたアドベンチャーゲーム。同じ飛行機に乗っていたわけでも、同じ船に乗っていたわけでもない面々が、何故だか同じ島へ辿り着いてサバイバル仲間として暮らすお話です。探索や収集&製作、仲間との交流、時々殴り合いといった要素を持っています。

南国ドミニオン

 舞台となる無人島は不思議な島で、採集も狩猟も釣りも簡単にできますし、日常生活においてあると助かるものや娯楽品までどんどこ流れ着きます。すぐに死ぬようなことはない状況ですが、共同倉庫から物資が盗まれている形跡があるから、周囲と表向き穏やかな関係を築きつつ個人でも備えましょ、といったことがプロローグで語られます。

 この、「表向きは良い関係を築く」という要素が個人的に面白いと感じるところですね。本作では主人公以外の人物も独自の考えを持って行動しているので、周囲に嫌いな人しかいない状態だと島外への脱出を図りますし、会議があれば嫌いな人の意見にとりあえず反発します。陸軍と海軍のようですね。また、1対1で話す際にも相手への好感度が低いと「殴打」「格闘」といった攻撃コマンドを選ぶことがままあるのです。

 そして唐突に繰り広げられる無人島リアルファイト。

 ゲーム序盤は全体的に好感度が低いため、人に話しかけるとまあまあの確率で殴られます。
 でも表向きは仲良くする設定だからか、殴ってきたキャラクターにその後また遭遇してもごく普通に話せたりします。殴ると好感度は下がるし、体力が尽きると死にますが、リアルファイトの話はまったくしてきません。誰かが死んでも他の人が追及してくることもありません。犯人はこの中にいる――とかいって真相追及サスペンスが始まることはないのです。肉体言語には肉体言語でしか返さないルールなのかしら。実にシュールです。でもそういうの割と好き。

 先ほども書いたようにそれぞれが独自の考えに基づいて行動しているので、全体的に仲良しにでもならない限り――まあまあの仲良しになってもたまに殴られますが――ともかくプレイヤーがいないところでも誰かと誰かのリアルファイトが日々繰り広げられているのです。

 ちなみにちょっと話は逸れますが、このゲームに目的は設定されていません。島を特定の誰かと、もしくは1人で脱出するか、永住の条件を整えることでエンディングとなりますが、何を成すかはプレイヤーに委ねられています。永住エンドは1人だけ生き残るか、主人公以外女だけの島にするか、男だけの島にするか、全員で残るかの4パターン。

 でも、主人公の知らないところでリアルファイトが繰り広げられて人が死んでいたりするので、運が悪いと望んだエンディングが見られないこともたびたびあります。

 以前に本作をプレイした際には、女だらけのハーレム島を作って永住しようとしたのに、他の男を全員消した後で女がひとり死んでいることに気づく、なんてことがありました。誰かがいなくなるとメッセージが出るのですが、見逃していました。ハーレムエンドは女がひとりでも欠けたら達成不可能。完全に失敗です。その時は「思い通りにならないならみんな滅びればいいんだ!」と怒りに燃えて残りの皆も消しました。1人きりの永住エンドです。異常者の行いです。まるで迷惑な敵キャラのようなプレイです。

 これは単に全エンディングを収集しようとしていたための行動なので、特に普段から男をみーんなぶっ殺そうと思っているわけではないです。ただ、ゲーム中では意図しない形でメンバーが失われることもある、という話がしたかったのです。全員滅しておいて言うのもなんですが、本作はこういうままならないところも楽しいですよ。ランダムイベント次第でせっかく建てた施設が全焼したり、オオカミに食料を荒らされたりしますが、それもまた一興です。作れるものを増やしたり情報を集めるのには手間がかかりますが、エンディング時の評価が高ければ次プレイ時に任意のスキルを持った状態で始められるので、ある程度は苦労を軽減できますし。

 といった感じでなかなか面白いゲームなので、興味が出たら遊んでみてください。訳あって資材が尽きない島だから温泉や図書館といった設備を作ったり、徒歩で脱出できる外への橋をかけることもできちゃう荒唐無稽さも楽しいですよ。

 そういえば、序盤でお話した「島では謎の伝染病が流行っていて、治療には主人公の精液が必要なの!」みたいなド直球設定でがつんがつんエロいシーンが見られるタイトルは、ルネの『受胎島「どうしてアンタみたいなブサ男に種付けされなきゃいけないのよ?!」』です。気になる方はそちらもどうぞ。

当記事に関連する商品紹介