とんがりギャルゲー紀行 第131回:乙女的恋革命ラブレボ!! Portable


 今回は特別に乙女ゲームをご紹介します。本当はエイプリルフールに記事を上げる予定だったのですが、すっかり遅刻してしまいました。すみませんが、エイプリルフール七日目と思って許してください。

 乙女ゲームもいざやってみると面白いと思えるものが結構ありますね。男の場合は顏より尻が好きなので乙女ゲームはまれに遊ぶ程度ですが(イケメンがこっち向いているから尻が見えない)、もったいないことをしているかなーと思うことがあります。
 攻略対象がずっと後ろを向いている乙女ゲームとか出ませんかね。筋肉がっしりの背中に顔がついてたら目の保養になりつつ会話にも困らないと思うんです。タイトルはきっと『私のカレシは人面瘡』。イケボ揃いの人面瘡が攻略対象ですよ。そんなゲームがあったら絶対にか……。かわ…………。買わないな。

 さて、馬鹿言ってないで紹介するゲームの話に移りましょうか。

乙女的恋革命ラブレボ!! Portable

 元はPS2のタイトルですが、人気が出て他ハードにも移植版が発売された乙女ゲームです。体重100キロのおデブな女子高生が主人公という、なかなか尖った設定が特徴的。発売中の本「プレイステーション・ポータブル パーフェクトカタログ」の宣伝を兼ね、今回はPSP版を紹介させていただきます。
 PS2版準拠の『乙女的恋革命ラブレボ!! Portable』とボードゲーム要素を取り入れた『乙女的恋革命ラブレボ!! 100kgからはじまる→恋物語』の2タイトルがPSP向けに発売されていますが、今回ご紹介するのは前者です。といってもストーリーは共通ですが。

 主人公はその昔、CMオファーがひっきりなしの超級美少女だったのに、今や体重100キロの超級おデブです。食べている時が一番可愛いと兄に褒められまくり、お菓子好きゆえにモリモリ食べ、結果としておデブとなりました。甘い兄だけでなく友人にも恵まれて特に不自由はしていなかった彼女ですが、同じマンションに越してきたイケメンな男子高校生たちのお言葉に心を折られかけたことで痩せようと決心します。イケメンたちは別に無情なわけではなく、デブ専でないだけです。

 本作は育成+恋愛シミュレーションで、ゲーム期間は高校2年4月からの1年間。学校のある平日は3日ずつ、休日は1日ずつコマンドを決定して学力や筋力を伸ばし、体重を落としていきます。コマンドは直前に入力したものをコピペして使う機能が用意されているので、これがなかなか便利です。

 筋力は上げても体重に影響はなく、痩せやすくなるわけでもなく、ただ必要ステータスのひとつという扱いです。運動系の勉強や演劇部の部活動でも痩せないので、体重はダイエットのコマンドを実行して減らしましょう。極端なダイエットでハラヘリゲージが溜まると効率が落ちるので、お菓子を食べちゃうことも時には必要となります。
 ダイエットにも全身痩せや部分痩せ、ダイエットの正しい知識を身に着けるといったさまざまな項目が用意されており、頑張れば最終的に50kgを切ることも夢ではありません。身長はどのくらいなのか。

 しかし、知り合いの女子が1年かけて半分のサイズになっていくのって、実際に目にしたらどんな気持ちになるのでしょうね。

 攻略対象たちがそれぞれどのパラメータをどのくらい求めているかについてはプレイ中に知ることができるので、複雑そうに見えて易しい仕様です。他の育成シミュレーションじゃ、クリアはしたけどエンディングの条件はよくわからなかった、なんてことは普通ですからね。

 ちなみに、最初から主人公に好意的なキャラも、妹を溺愛するお兄ちゃんも、初期状態での評価は等しく「無理」。人としては好きでも恋愛対象としては別、ということなのでしょうか。

 攻略対象は9人。同じ高校の生徒だけでなく、主人公の兄や先生も含みます。クール系な先輩や爽やか系な同級生、俺様な養護教諭のほか、ワンコ、天然、硬派などなどが揃っています。

 エロゲーの主人公役を演じていた声優がこのゲームでは攻略対象役になっているので、ギャルゲー主人公を落とす側の気分というか、普段との立場の違いを面白く感じました。

 ゲーム自体も、攻略対象の求めるステータスをわかりやすくする仕様といい、直前の入力コマンドをコピペして使える仕様といい、プレイヤーのモチベーションを下げる要素を減らす努力が垣間見えてわりと好印象。変わった設定だけで引っ張るタイトルではなく、普通に遊べる良作のようです。

 あと、ついでに『乙女的恋革命ラブレボ!! 100kgからはじまる→恋物語』にも軽く触れておきますね。

 先述のとおりストーリーは本作と共通ですが、こちらはスゴロクマップを進む形でゲームが進行していきます。マップは、ダイエットや好感度アップ、アルバイト、ショップ、ヒーローとのイベントなどのマスで構成。主人公のパラメータは体重、ストレス、女子力のみと、ゲームシステムに合わせたシンプル仕様となっています。

 ステータスがルーレットの出目に影響し、出目以内のマスには自由に止まることができるので、運が良すぎて先に進みすぎるといったこともありません。クリアまでのターン数が決まってはいますが、残りターンを増やすアイテムはショップで買えるので、牛歩戦術に近いプレイでじわじわダイエットを進めることもできたり。といっても、アルバイトのミニゲームで好成績を収める必要はありますが。

 ゲームシステムを一新して登場した後発のゲームだからか、かなり遊びやすいように思いました。コマンド入力がないぶんゲーム進行がスムーズですし、ダイエットやアルバイトのミニゲームも豊富ですしね。育成シミュレーションが苦手な人でも、こちらならなんとかなるかも?

 以上、とんがりギャルゲー紀行では初の乙女ゲーム紹介でした。また次回もよろしくお願いします。

※2021年4月8日19時に文章を一部追加しました。

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