ゲーセン店員の懐古主義で行こう 第133回:サイレントドラゴン

サイレントドラゴン

 お早うございます、こんにちわ、こんばんわ。稲波でございます。知らないうちに『ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス』がリリースされておりました。引き継ぎ要素もあり、色々と楽しそうですよね。とはいえ昔『ウルティマオンライン』でろくに人が来なかった新大陸に、いち早く引きこもった実績を持っている私はプレイするつもりはないのですが。当時私は迷い込んできてしまった他のプレイヤーを人助けとして送り返すときぐらいしか交流しなかったですからね。筋金入りですよ、ええ。さて、話は変わって今回紹介するゲームはこちらです。

 『サイレントドラゴン』というベルトスクロールアクションです。正直あまり知られていないと思っております。ぶっちゃけ微妙なゲームなので。ストーリーは世界征服を狙う悪の組織に彼女をさらわれた主人公が助けに行くというもの。大変使い古された代物ですね。ちなみにパンフレットには世界を我が物に遷都する暗黒の組織が現れたので、4人の勇者が倒しに行くといったストーリーが書かれています。というわけでプレイヤーが選択できるのはこの4人です。

 まずはJOE。クラスはファイター。得意技はボクシングのストレートとなっております。通常技のラストは昇龍拳、トリックはサーマーソルト(?)なキャラクター。トリックというのは体力を消費して使用できる技です。そんなに強くありませんが。ちなみにさらわれたキャサリンの彼氏で主人公。

 二人目はLEE。クラスはカンフー。主人公のライバルで最速のキャラクター。このゲームコンボの途中であっさり割り込まれるので、速度は大事だと思います。トリックは、なんて言えばいいんだろう? サマーソルトっぽいんですがバク転っぽいですね。このキャラはジャンプ攻撃が飛ぶ敵には有効です。多段ヒットしますぜ。

 3人めはKATOH。クラスはニンジャ。たぶん加藤段蔵の家系だろうと思っていたが関係なさそう。ニンジャのくせにスピードが遅く、はっきり言って使えない。ジャンプ攻撃は肘、これは結構使える印象。トリックはトリプルアクセルみたいなやつでこれだけは結構強い。パンフレットの奥の深い人間関係によると誰とも関係がない謎な人物です。

 ラストはSONNY。クラスはコマンドー。シュワルツェネッガーがモデルであろう外見をしております。パワータイプなんですがスピードがないのが辛いところ。実際モーションはKATOHと同じです。トリックはスピニングダブルナックル。囲まれたら使いましょう。ちなみにこのキャラはさらわれたキャサリンの兄です。

 それでは次にこのゲームの5ステージを紹介していきましょう。まずは第一ステージ。港から侵入して町中に入っていく最初のステージです。中ボスは力士、ボスはDr.バイオの最高傑作ANIMALCUPID。LEEの弟が改造された姿です。

 第2ステージは『ファイナルファイト』のような場所で特徴はありません。中ボスは雑魚キャラにしか見えない黒人の多分ボクサー。ボスは肩アーマーに棘がついた世紀末な感じの拳士です。

 そして第3ステージ。列車に乗って進んでいくステージであります。中ボスはいなかったような……。そしてボスはどう見てもジャギ。それだけのステージ。あ、ムチ持ったボンテージのお姉ちゃんも登場します。

 次に第4ステージ。街を抜け谷(?)に到着。壊れた小屋にいる猿が投げるりんごで回復、火炎瓶でダメージを受けながら進むと中ボスは黒人キャラの色違い。そしてもうひとりの中ボスは完全に人間ではなくなります。ここのボスは、はじめのボスの体から抜け出したコウモリと掛け合わされたやつです。

 そして、ついにラストの第5ステージ。ここまでのパクリやネタのオンパレードを抜けてくれば、正直無感動になってしまいそうですがラストはボスの研究所。扉を開けるギミックがあったり、敵が落とせるのかと思いきや自分しか落ちなかったりします。ちなみに中ボスはいままでのボスキャラが順不同で襲ってきます。

 そしてボスです。敵の総裁のマッドサイエンティストなDr.バイオ。一応変身します。第一段階はホバーマシンに乗った状態、第2形態はロボットです。ロボットは起き攻めすると無敵の反撃を食らうので離れて連打が楽です。

 ということで倒すとヒロインとJOEがキスして終了となります。正直クリアすると、何だったんだ?という疑問が湧くゲームです。というか、彼女は改造されてなかったのかと不満に思ってしまった私はスプラッタハウスが大好きです。というわけでクリアまでスクショを集めたわけですが、感想としてはよく訴えられなかったなと(笑)。制作したイースト・テクノロジーは上向きに落ちるテトリスを行う『バルーンブラザーズ』など微妙に怪しいゲームをよく作る会社ではあるんですが、ここまで露骨に『ファイナルファイト』や『ダブルドラゴン』、「北斗の拳」をパクっていると笑うしかありません。いいところどりをしようとしたら中途半端になったというよくあるやつですね。このゲームが稼働していた時期に私はゲーセンにいませんでしたのでどうだったのか怪しいところですが、すぐに撤去されたのではないかというのが私の予想です。多分これ売上は上がらないよ。これを置くぐらいなら前年にリリースされたカプコンの『ザ・キング・オブ・ドラゴンズ』とかのほうが絶対売上がいいと思いますしね。

 ということで、やっぱりタイトーはこういうときはツメが甘いんだろうなぁと感じますね。かなり残念なゲームですが、当時のおおらかさを感じるにはいいゲームかもしれません。見かけたらやってみるといいよ、おすすめはしないけど。といったところで今回はこのへんで。ではまた~

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