ゲーセン店員の懐古主義で行こう 第55回:ダークエッジ

 お早うございます、こんにちわ、こんばんわ。稲波でございます。
 微妙な天候不順っぷりに体調に大きな影響を受けております。寒いなら寒いで安定して寒い状態になってほしいものです。いきなり暑くなったりするのは本当に勘弁であります。その御蔭かどうかわかりませんが、腰痛がひどくなってしまって……トホホ。なんとか痛みも抜けて大丈夫かなと思い始めた頃、テレビで「フラダンスで腰痛が治った!」というのを見まして。よくなる理由は腰を支える筋肉が増えるからと言うことらしいです。基本のステップだけですが、やってみようかななんて考えております。レッツ筋トレ!
 さて、そろそろ本題に行きましょう。今回紹介するのはこちら


 ダークエッジ

 TITLE画面からは何もわからない代物ですね。本作はセガが1993年1月にアーケード向けにリリースした対戦格闘ゲーム。同年12月に『バーチャファイター』が登場するまで唯一の3Dの対戦格闘ゲームです。3Dと言ってもポリゴンではなくスプライトを使用した疑似3D。とはいえそういう表現はセガは『アフターバーナー』や『POWER DRIFT』などで昔っからやっていたわけで。実際に動きを見てもらいましょう、ということでGIFをご用意。

 この通り、ぐるぐる回れます。上下に入力してもジャンプしたり、しゃがんだりはせず横移動になります。ジャンプはボタンです。そうそう、このゲームの操作はレバーとボタン5つです。ボタンは弱パンチ・強パンチ・ジャンプ・弱キック・強キックです。そう、これだけ動けるにもかかわらず、ガードボタンは存在しないのです。このゲーム2D格闘と同じくレバー後ろでガードとなります。

 360度グルグル回るのに!

 しかし、このガードが性能良く、上段だろうが下段だろうがガードしているのです。(するよね?)となると、レバーニュートラル+攻撃で発生する下段攻撃になんの意味があるのか、とっても疑問。そしてすごいことにコマンド技がレバー半回転(いわゆるヨガコマンド)が基本です。上を通ろうが下を通ろうが発生する親切仕様。かと思いきや敵の反対側から半円をなぞってのレバー半回転なので、敵との位置関係で角度が変化します。つまり、横並びになっている時以外ほぼコマンドは成立しません。たまに突然暴発してびっくりする時しか、私には成立させられませんでしたよ、ええ。
 そんなシステムへの文句はさておき、プレイアブルキャラのご紹介。(ゲームカタログ@Wikiより)


THUD the Samurai
 侍のスピリッツと伝統をもつアメリカ人で二刀流(雷斬剣・風雲丸)の達人。精神のパワーを信じ、カミナリを操る。「能ある鷹は爪を隠す」の格言に従い、刀は最後まで鞘に納め、居合い抜きを信条としている。人間の意志を尊重しているので、機械仕掛けの武器を毛嫌いしている。バランス型のキャラクターだが、どの技も水準以上で使いやすい。


BLOOD the Bio-Monster
 遺伝子操作によって生まれた怪人で、生物兵器として生まれてきたらしいが、真実は謎に包まれている。伸縮する爪と鋭いヒレが武器。柔軟で頑強な肉体で、投げ技に長ける。戦うことを本能とし、体内で分泌される毒液を吐き出す。通常技のリーチが長めな投げ技主軸のキャラクター。ただし射撃性能が低いのが難点。


YEAGER Sonic Breaker
 最強の戦士になるためサイボーグとなったドイツの元戦闘機パイロット。体内にロケットエンジンを装備し、その重量のためホバリングで移動する。また高速飛行が可能。空を飛ぶことをこよなく愛しており、世界最強最速の男となるために、日夜戦い続けている。
その目標とは裏腹に機動力は並みの域を出ず、打撃のリーチも短め。必殺技の動きは高速だが…


GOLIATH with PowerSuit
 工事用機材を改造したパワースーツを着用した労働者。労働者の期待を一身に受け、終わりなき戦いに身を投じる。動きはニブイが攻撃は強力。パワースーツは総重量1tにもなり、ガライアスの力をもってしても機動力を制限されている。パワータイプのキャラクターで、リーチ・攻撃力ともに絶大だが動きが遅く技の隙も大きい。


GENIE the martial artist
女性武術家。もともと良家の御嬢様だったが戦闘のスリルに魅せられ、戦いに身を投じる。女性らしい美しさを第一に考え、身体を隠さず、筋肉の敏捷性をアップさせる超軽量バトルスーツを開発、着用する。身体に傷を付けることを最も嫌い、相手の攻撃をかわすスピード重視の戦闘スタイル。攻撃力こそ低めだが敏捷でリーチも長く使いやすいキャラ。


M.E.K. Mechanical Enforced Kommando
 ヨーロッパ出身の傭兵。戦争の負傷でサイボーグ手術を受け、全身にサブマシンガンをはじめとする武器を内蔵する。傭兵として金を稼いでいたが自分を戦争に送りこんだ全世界を支配する支配者の存在を知り、復讐を誓う。必殺技全てが飛び道具で射撃もパンチ・キックで2タイプを使い分けられる飛び道具特化型。ただし通常技の性能が低く移動スピードも遅いため、後述の仕様も相まってかなり使いづらい。

 以上の6人がプレイアブルキャラです。これに中ボスと、ラスボスの巨大コンピュータ「RULER」で8キャラしかいない、ちょっと寂しい仕様となっております。とはいえ、各角度における攻撃モーションもすべてスプライトで用意しているわけで。それを考えるとデータ量は他の格ゲーに負けないと思うのですけどね。ストーリーとしては世界を裏からコントロールしている巨大コンピュータ「RULER」が作り出したディストピア的な世界で「RULER」の支配から逃れるため「RULER」を破壊しようといったもの。結果そうなるというキャラのほうが多い気もしますが……
 とにかく、流石にセガが作っただけのことはあり、びっくりするぐらいの美麗グラフィック。

 こんな感じのグラフィックの中で戦うわけだが、画面の動きが早すぎて周りに目をやっている余裕は一切ありません……。しかもセガのゲームですよ、難易度が低いわけもなく。操作のやりにくさと相まって難易度は跳ね上がっております。やってられん……
 ブツブツ文句を言いつつも同キャラ戦までこなすと突然中ボスの襲来です。


 このあと、


 爆撃されるキャラクター。何故かかすり傷一つ負わず襲ってきた機体を追いかけることに。
 そして始まるボーナスステージ。


 ほぼ『スペースハリアー』であります。得点以上の意味もないので割愛。

 そして登場、中ボスの「RAM-X」

 巨大コンピュータ「RULER」がプレイヤーキャラクターを危険視したため、その抹殺のために送り込まれたロボット。めっちゃ強いんですが、突撃技に上段パンチを合わせると一方的に打ち勝てます。他のキャラはわからないけど。そして、


 中ボス戦の背景のドームが開いてボスのもとへ。


 自称死神なだけあって、攻撃はえげつないです。大量のミサイルをばらまき、光の玉を撃ち、両腕を伸ばし、と近寄るだけでも一苦労。ジャンプパンチを当て、即逃げるを繰り返し、


 なんとか撃破。そして始まるエンディング。


 足元から上へとカメラが舐めるのでちょっと改造してあります。いえ、言いたいことはわかりますよ。こいつ誰だとおっしゃりたいのでしょう? 私もエンディングのあまりのブサイクさにびっくりした1人ですから、よくわかりますとも。

 ということでエンディングが残念でしたが、ダークエッジという3D対戦格闘ゲームの紹介でした。このゲーム、すごい技術を使って新しいことを行っているすごい代物なんですが、はっきり言って大失敗だったと思います。とはいえ、その大失敗の問題点ははしっかりと考察されて『バーチャファイター』が生まれたのだと思います。なんと言ってもガードボタンが登場したことはこのゲームの失敗からだと思うのです。それから3DだからとZ軸への移動をVFで不可能になっているのも本作の失敗から学んだのではないかと。実際にはカメラが動いてキャラクターの見え方が保たれれば問題はなかったわけなんですけどね。ここまで大失敗作だと言いまっくていますが、ゲームを見かけたら一度プレイすることをおすすめします。今プレイしても斬新な体験ができますよ。
 それではこのへんで。ではまた~

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