ゲーセン店員の懐古主義で行こう 第100回:テスト基板

お早うございます、こんにちわ、こんばんわ。稲波でございます。週末はハロウィンだったようで、警視庁による厳戒態勢が惹かれていた模様。窮屈な感じはしますが、まあ普通にしていれば問題はないからいいのかな? しかし、日本に入ってきた途端に祭りの内容が変わることはよくある話で、なんだか堕落と淫欲の祭りと化していっている気がしますが……元々はドルイド信仰において霊界の門が開く日なので、そこから溢れた悪霊を家に入れないようにする祭事であったようです。まあ、今となっては原型をとどめていませんね。アメリカでもお菓子がもらえる日ぐらいの感覚でしょうしね。ということで、今年は問題なく終わるといいなぁと思います。問題を起こしたやつは悪霊にとりつかれればいいんじゃないかな?

とまあハロウィンの話はこれくらいにして、今回紹介するのはテスト基板。テスト基板というのは筐体に入ってくるおまけのようなゲーム基板のことです。なぜそんな物が入っているかといいますと、法律で完成した電気用品じゃなきゃ打っちゃダメというものがあるからです。基板がない筐体はそれ単体では意味をなさず、基板がないと動かない未完成品という扱いになりまして筐体単体では売れない(販売の許可が降りない)。だったら一応動くようにしておこうと言うことで入っているものがテスト基板になります。テスト基板なんて呼ばれてますが、別に筐体のテストのためのものではありません。販売用基板とかのほうが意味合いは近いのではないかと思います。とはいえ、基板込みで買えばこんなものは付いてきませんし、最近筐体だけを買うなんて殆ど聞かないので、存在自体知らない人も多いのではないでしょうか。ということで紹介していきましょう。まずは私が働かせてもらっていたタイトーのテスト基板。

ミニベーダー

画像は白黒、音も無し。シンプルなインベーターです。ゲーム画面はこちら。

3面目をクリアできなかったので、ここまでしかスクショを取れませんでした。たしか、でっかいインベーダーが一匹だけとかあったと思います。なお、やられると……

「いてー」の文字が。大変適当。まあその程度でいい代物なんですけどね。さて次にセガが使っていたテスト基板。

ドットリ君

タイトル画面では何がなんだかさっぱりですが、初戦はゲームを目的のものに入れ替えられたら捨てられる運命。この程度でいいやってことなんでしょう。内容は自機を操りドットをすべて取ることが目的のパックマンのようなゲーム。ただ、パックマンと違うのは通路では来た方向への方向転換は出来ない。車線変更可能なところではUターンもできる。というちょっと変わった代物。ゲーム画面はこちら。

自機は「>」みたいなやつです。敵は「X」で、面が進むと速度が早くなる模様。そうそう、ドット理くんという名前は納品書に書いてあったはず。とまあ、見るからにこんなもんかと言った感じのゲームなんですが、セガマニアはどこにでも湧くもので、ゲーセンミカドにてドットリ君大会なるものが2015年に行われたそうです。動画が上がってましたのでリンク貼っておきます。

さて、次にご紹介するのはコナミのテスト基板。

モグラデッセ

タイトルから想像がつく通り、もぐらたたきです。タイトー、セガよりもあとに筐体販売を始めたためカラー作品となっております。さらにSEも鳴る。流石にBGMはありませんが。後で登場したこともあったのでしょうね、基板には各電源ラインにLEDがあり、電源不良を容易に見分けられる、自社製の筐体なら音響システムをチェックできるという、テスト基板の名前に恥じない仕様となっておりました。さてゲーム画面ですが、

穴から顔を出す50匹のモグラを叩くだけの簡単仕様。穴は8方向レバーに対応した8箇所。意外としっかり作られており、使い捨て基板にこれは勿体のないのでは? と思うところですが、コナミはこの基板を15000円で下取りし、再利用していたそうです。とはいえ、コナミの筐体自体があまり出回らなかったので、あまり知られてない模様。更に下取りしてたんじゃねぇ。今回扱えたのは運が良かったようです。

さて、今回紹介できるのは以上となります。ナムコも行きたかったんですけど、ナムコのテスト基板『バタリアン』は手に入りませんでした。タイトルからして 『タンクバタリアン』みたいなやつなのかな? ということで、今回は店員じゃないとなかなか見ることはないだろうゲームをご紹介してみました。今は専用筐体ばかりなので見ないだろうけど……面白がっていただけたら幸いです。
それでは今回はこの辺で、ではまた~

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