パンフレットで見るアーケード探訪：ファイナルラップ

　ナムコが制作した『ポールポジション』の流れを汲むオーソドックスなF-1を舞台としたレーシングゲーム。鈴鹿サーキットをモデルにしたコースを走り、制限時間内で走りきることでクリアとなる。このゲームの最大の特徴は、筺体間同士による通信機能を世界で初めて搭載し、同時に複数のプレイヤーがゲームに参加することが可能となったこと。最大8人まで同時にプレイできる作品は本作が初めてであった。さらにレースが盛り上がるように、複数のプレイヤーでの対戦時にトップを走るプレイヤーよりも下位のプレイヤーの方がタイヤの限界や最高速度、加速度が高くなるシステムが搭載されるなど、後のレースゲームの基本となるシステムを築いた作品でもある。
　またデラックス筐体では加減速が筐体をモーターで前後させるという面白い機能も搭載されており、いろいろと世界初の試みが盛り込まれた意欲作であった。

　翌年に移植されたファミリーコンピュータ版『ファイナルラップ』では、簡易的なシステムでマシンのチューンナップが可能となり、レースを攻略するための戦略も味わえる。また、更に翌年に発売されたPCエンジン版の『ファイナルラップツイン』では、画面を分割しての2P対戦が可能となっているなど、コンシューマでも様々な試みが行われたタイトルである。

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