ゲーセン店員の懐古主義で行こう 第9回:トリオ・ザ・パンチ

 お早うございます、こんにちわ、こんばんわ。稲波でございます。
 最近地球防衛軍に入隊しまして、異能生存体のような戦果を叩き出しております。武器さえ揃えばなんとかなる脳筋ゲームですね。レベルを上げるとそんなこと言ってられないのですけれど。途中から主人公専属のオペレーターがつくのですが、こいつがまたやる気がない。いてもいなくても初めから影響はないので、どうでもいいといえばどうでもいいのですが。そんな激しい戦場を駆け抜ける底辺野郎が、ヤザグレそうなときに思い出す素敵ゲーが今回紹介する


「トリオ・ザ・パンチ」

であります。「がんばれギンくん」とどっちにしようか迷いましたが、今回は「トリオ・ザ・パンチ」でいきます。このゲーム、発売されたのは1990年4月とストリートファイターⅡが出る前年。タイトーで働いているときに理財ボードと呼ばれた古いゲーム在庫がなければ知ることもなかったかと思います。タイトーで入れたことはないんですが、古いゲームを調べる機会があったと言うだけですけどね。実物は他店舗に遊びに行ったときに初めて見ました。色んな意味で、すごい衝撃。その店の店員さんと仲良くなって修理を手伝ったりと、なんともゆるい時代でした。正直ほとんどの人が知らないであろう、ある意味データイーストらしいゲームであります。プレイヤーは3人の主人公から一人を選んで始めることとなります。この三人、意味もなく濃い。


今見ると、3人共ナイナイの岡村に見える……

 そしてこのポーズ、『クローン(複製)人間ブルース・リー 怒りのスリー・ドラゴン』の表紙のポーズであります。

 残念ながらDVD版は出ていない様子。まあ売れるとは思えないので当たり前か。
 さて、この3人から選ぶんですけど、ゲームを有利にすすめるには忍者のカマクラくん一択。初めから飛び道具が使えるカマクラくんの強さは他のキャラとは比べようもありません。というか、アクションゲームで極端なキャラ差を付けるなよ……
 そして始めると随所にみられる独特のセンス。マップ自体は狭くすぐに終わる作りなので気楽に遊べます。難易度も高くないしね。各面の流れとしては規定数の黄色のハートを集めてボスを倒すという流れ。よくわからないことに、


ハートの上に「HELP」と表示されている。なぜ「HELP」なのかは不明。

 そして出てくるボスが一面目からこれですよ。


気持ちの悪いカルノフの像の足の先から炎弾

 当然、像の当たり判定は像の部分にしかなく、ここでもカマクラくんの手裏剣が輝きます。遠距離バンザイ! ちなみにカルノフは敵雑魚の基本です。羽が生えたり、紫だったりと派生したカルノフが出てきます。そして、クリアーするごとに回させられる


クリアー たからくじ

 ここ以外で武装の強化はできません。しかも「3」と「5」はパワーダウンという仕様。「6」はキャラクターを変えられるのですが、カマクラくん以外はきついので……
 このルーレットなんですが、どうやらロケテスト段階の名残のようです。というのも、元々このゲームすごろくとして出すつもりだったようで、ロケテスト段階では「TVすごろく トリオ・ザ・パンチ」というタイトルでした。一体どの客層を狙って企画したのかとっても疑問。そしてロケテストで出てきたということは、その企画が通ったということで……とっても疑問。
 せっかくですから、独特のセンスが溢れる面をご紹介。

ステージ5 羊の呪い


ボスを倒すと呪われ、次の面は羊になるのですが……


しゃがむと無敵に! むしろ呪われっぱなしの方がいい。

ステージ18 青い鳥だ


ご覧の通り、カーネル・サンダースが! もちろん敵です。

ステージ20 まさに日本

「だるまさんがころんだ」の文章が一文字づつ表示され、完成すると動きが止まってしまう。


主人公も、敵も一緒に!

 そして、死んでしまった場合に表示される画面がこちら。

 コンティニューするとこう。

 なぜにこういうセンスに行き着くのか。ラストステージも独特です。難易度はラストが一番低いですね。そしてクリアーするとプレイヤーを置き去りに意味がわからないエンディングが始まります。


結局チンさんって何者?


そして、走るカマクラくん。スタッフロールが始まるかと思いきや……


おわり

 唐突に終了するエンディング。全く語られることのないストーリー。全般的に急ごしらえで雑。実際、すごろくからの方向転換で急ごしらえなんだと思います。だけれどもそれが味になっているという感じのゲームです。サブタイトルの「NEVER FORGET ME…」は、色んな意味で捉えられてしまう一言ですね。ゲーム自体も忘れられないバカゲーですが、これを出したデータイーストのことも忘れられませんし。知っている人に聞いてみると、誰もが「なんであんなものを出したんだろうね?」という感想を。なんでって、データイーストだからとしか言いようがない。「ヘンなゲームならまかせとけ!」がキャッチフレーズとしか言いようがない会社ですからね。とても秀逸なコピーだと思うんですが、開発担当者は「我々のゲームの何処が変なのか」と憤慨していたというではないですか。つまり、大真面目にああいうソフトを制作したわけです。つまり、企画出すやつがおかしいんじゃないかな? あと、それを通す上役も。そんなだから、販促戦隊デコレンジャーなんて企画が通るんだよ。デコレンジャーについてはググってください。と思ったけど、動画載っけときます。説明より見たほうが面白いので。(久しぶりに見たら背筋に走るものが……)

 それではこのへんで。ではまた~

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