とんがりギャルゲー紀行 第63回:おまえのなつやすみ

さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。

冬休みと春休みの間にあってまったく夏を感じない今日この頃ですが、気にせずこの作品をご紹介しますね。

鬱と猟奇と電波がプレイヤーを苛む伝説のゲーム『さよならを教えて』を生み出した石埜三千穂(シナリオ)×長岡建蔵(原画)×さっぽろももこ(音楽)らが制作に携わったコメディ作品、

『おまえのなつやすみ』

メーカーはFlyingShine黒、ジャンルは義兄妹つゆだくひきこもりアドベンチャーゲームです。

女の子の後ろにいる暑苦しい雰囲気の男(主人公)がどう見ても永井豪の画風を真似ているので、「おいおい大丈夫なのか?」と心配になる方もいらっしゃることでしょう。

ですが、本作は制作にあたって永井豪の許可を得ているんです。

イヤイヤどころか快く許可し、さらには「むしろ自分が描きたい」とまで発言されたそうなんです。

つまりは権利的に無問題ということなので、心配になった皆さんは安心してくださいね。

ちなみにそんな永井豪公認エロゲーが果たしてどんな内容かというと、

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「夏休み、ハワイに行くから」という両親の言葉に浮かれて友達に言いふらした主人公とその妹が、夫婦旅行でハワイに行くという両親に置いて行かれてしまったものの、すでにハワイ行きを触れ回っていた手前引っ込みが付かなくなり、本当はハワイに行っていないことが決して誰にもバレないよう、従兄姉も巻き込んでひたすらひと夏ひきこもるという超絶見栄っ張りギャグになっています。

特に妹は夏休み明けに「校内日焼けコンテスト」で優勝すると豪語していたので、辻褄を合わせのためにひきこもりつつも積極的にお肌をこんがりさせなくてはならないという……。いやあ、見栄っ張りって大変ですね。

ちなみに主人公の名前は「火野あつし」というのですが、名前変更しようとすると何故か強制的に「おまえ」に設定されてしまうという仕様になっています。『おまえのなつやすみ』ってそういうことなんですね……。まさかゲーム開始直後にシステム仕様によってタイトル回収されるとは思いませんでした。最初から意外性たっぷりですね。

ストーリーや変な仕様もですが、画面に主人公が映るだけでクスっときそうになるのがずるいゲームです。

このCGも妙に差分多いですし。エロシーンよりギャグシーンのCGの方が差分多いのは美少女ゲームとしては珍しいのではないでしょうか。

あ、ちゃんと服ちゃんとを着てる健全差分もありますよ。

ところで、このゲームを起動した時にでる注意文に、「この作品はフィクションです、登場する人物名・団体名・地名・ハワイ等はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません」と書かれているんですが、どういうことなんでしょうね。

  • 現実においてハワイは架空の地名だが、作中には存在する。
  • 現実においてハワイは架空の地名で、作中においても架空のリゾート。

2つの可能性が浮かびましたが、どう考えてもどちらもおかしい。まずハワイが架空ってどういうことなんだ。あそこは15人くらいの現地人(どすこい体型多し)がバス(でかい)に乗っただけでほぼ満員になるほど圧倒的質量と存在感のあるところですよ……? しかしながら「ハワイはありまぁす」と言った途端胡散臭くなってしまうので、ハワイの存在を口頭で証明するのは実に困難で説明に困ります。これがハワイの証明ってやつか。それでも一応言っておくと、ハワイはありますからね。

勢いで妙なところにツッコんでしまいましたが、本作自体もノリと勢いと狂気で突っ走る暴走ゲーなのでよしとしておいてください。見事なまでのバカゲーですのでエロさはそれほどありませんが、これほど存在感のある(というか濃い)ゲームもそうそうないと思うのでおすすめです。

今ならDLsiteで販売されていて入手しやすいので興味があったらぜひ遊んでみるといいでしょう。ついでに続編もあるので、気になったらそちらもどうぞ。続編は、 ハワイでの海外ロケに行くためにアイドルオーディションへ向けたひきこもり特訓に励む内容になっています。彼らはどこまでもハワイに憧れてひきこもり続けるようですね。

それでは本日はこれにて。また次回もよろしくお願いします。

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