第20回:高校時代に作った自作ゲーム『The Tower of Moonlight』

第13回から第14回あたりでも紹介した通り、ベーマガに掲載された他機種用プログラムの勝手移植をさんざんしてきた私ですが、ディスク丸々1枚使ったダンジョン型RPGを移植したことがあります。それが今回紹介する『The Tower of Moonlight』です。

元はOh!FM(日本ソフトバンク刊)の1987年9月号に掲載されたものなのですが、これまたX1に移植するにあたってどれだけパワーアップしたものが作れるかという自己に挑戦した作品となりました。なお、好都合なことに原典のFM-7版をレビューされているサイトがありましたので、ぜひ見比べながら読んでいただければと思います。

こちらがオリジナルのFM-7版

私個人はアドベンチャーゲームやRPGは好きな方なのですが、今ひとつ自分で作ってみようという気にはなれませんでした。理由は「最初から謎や展開がわかっているものを作っても、作った当人はちっとも面白くない」からでして、これまで作ってきたものはいずれも「自分が遊びたいから」というのが開発の直接の動機になっています。そんなわけで、本作は私にとって現時点においても唯一のRPGとなります。

コンシューマ志向のインターフェース

X1への移植に当たってのコンセプトは「コンシューマ志向」でして、ズバリ言うとファミコンみたいなプレイ感覚を徹底的に目指しました。これは私が作った他のゲームについても概ね一貫しているのですが、基本的に2ボタンジョイパッドのみで操作できるようにインターフェースを作り込んでいます。

オリジナルのFM-7版はキーボード操作なのですが、移植にあたってジョイスティックのみで操作できるように変更してあり、Aボタンで決定、Bボタンでキャンプメニューを開くようにしました。プレイヤー名の入力もアーケードゲームのネームエントリー風にしてあり、キーボードがなくても遊べるのが特徴です。

また、画面内に表示されるテキストも全部全角に、ひらがな混じりのテキストにしたのもファミコンRPGを強く意識した結果です。このあたりは以前紹介した『クエスチョンクエスト』開発時のノウハウが活きているといえるのですが、今回は使うひらがなの文字種が限定されるため、オールPCGのみで実装することができました。ちなみに濁点については単独の別文字としてデザインしています。

結局自分でクリアしていません

肝心のゲームについてはというと、すみません、全6階のうち3階までしか到達せずに投げてしまいました。一部モンスターの画像データが化けている以外は致命的なバグはないと思うのですが、私自身が最後まで通してプレイしていないので検証していません。今からでもチャレンジしてみたいという方、います?

 

あと、最後になりましたがオリジナルを開発された巨智部陽一氏に深くお礼申し上げます。願わくばこの記事がご本人に伝わって、こんな勝手移植が存在することをお知らせできれば幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年愛媛県松山市生まれ。アーケード、家庭用、PCはもとより美少女ゲームまで何でも遊ぶ、ストライクゾーンの広い古参ゲーマー。ただし、下手の横好きがたたり、実力でクリアできたゲームの数は決して多くないのが弱点。