第14回:高校時代に作った自作ゲーム(ベーマガ移植編②)

ベーマガに掲載されている投稿プログラムは基本的に固定画面のパズルアクションタイプのゲームが主流を占めていました。

パソコンの本来の使用目的は“計算機”であって、ゲームに特化した機能はないのが当たり前だったという点と、過度なグラフィックやサウンドは、必然的にプログラムサイズの肥大化を招いてしまうため、雑誌への掲載を考慮に入れると抑えめにせざるをえなかった点が理由に挙げられます。

パソコンの性能と掲載への制限を考えれば理にかなった結論とはいえ、1980年代中頃から後半は家庭用ゲーム機やアーケードマシンが飛躍的に進化していた時代でもあったため、ベーマガに掲載されているプログラムの数々が当時の私の目にはどうしても貧弱に映っていたのは否定できない事実でした。

今思うと、他機種の掲載プログラムをX1に移植していた作業は、単なる「プログラムが趣味」だけではなく、「視覚面、演出面でどれだけこだわれるか」という挑戦だったのかもしれません。

それでは、前回に引き続き、ベーマガ移植編②をお送りします。

SHOWTER TRIAL

元は1988年1月号に掲載されたソードM5用プログラムです。

そもそもM5とX1は根本的にアーキテクチャが異なるので、これもタイトルと設定だけ引用した、ほぼオリジナル作品です。M5はスプライト機能があるためスムーズなキャラクターの動作が可能ですが、X1では当然それを望むべくもなくキャラクタ単位での移動となっています。

「とりあえずシューティングぽいものを作ってみたかった」止まりなので、ショットの爽快感やキャラクターのバリエーションなど練り込むべき要素は多々あったにも関わらず、ある程度できあがったところで開発終了してしまいました。

東の島にブタがいた

元は1989年9月号に掲載されたJR-200用プログラムです。

赤いブタを操作して、勝手に歩いている青ブタと黄ブタをそれぞれの家に誘導するというリアルタイム思考型パズルです。ブタは障害物にぶつかると右に方向転換するため、壁やハナ提灯を使ってコントロールすることがミソになります。なお、青ブタ、黄ブタはオオカミ(こちらは左に方向転換)に触れるとミスになるため、こちらも障害物を使ってうまく誘導してください。

キャラクターや音楽を一から作成しておりますが、割とオリジナルのテイストが残ったままという私にとっては珍しい作品となっています。

風の迷宮

元はMZ-2500用(掲載号不明)プログラムです。

風船を操作して出口を目指すパズルゲームなのですが、プレイヤーは送風機の風に流されてしまうため、ブロックを押してうまく遮りながら移動しなければなりません。また、送風機で飛ばされた状態だとブロックを壊すこともできるので、これを活用しなけれなクリアできない箇所もあります。

アクション要素のない純粋に思考パズルですが、こちらも元の完成度が高いために大きく手を加えることなく移植しました。というより、この頃(1990年)になるとベーマガからの移植に飽きてきていた時期でして、あまり気が入っていない印象がありますね。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年愛媛県松山市生まれ。アーケード、家庭用、PCはもとより美少女ゲームまで何でも遊ぶ、ストライクゾーンの広い古参ゲーマー。ただし、下手の横好きがたたり、実力でクリアできたゲームの数は決して多くないのが弱点。