第21回:高校時代に作った自作ゲーム(無茶振り移植編)

これまでに勝手移植のゲームをいくつも紹介してきましたが、それより以前から多数のアーケード移植にチャレンジしていました。未熟な頃に作ったものばかりなので完成するまでに至らず、大半が途中で投げたものばかりなのですが、せっかくの機会なので供養の意味もかねて公開します。

さすがに動画で見せるには見苦しいものばかりなので、今回は一部を除き静止画のみでごらんいただき、読者の皆様が思い思いに出来を想像していただきたいと思います。

それでは、無茶振り移植の数々で笑ってやってください。

A・B

トップバッターからいきなり「これは無理だろ」が来てしまいました。ご覧の通りセガのアーケードゲーム『アフターバーナー』からの移植ですが、さすがにそのままの名前をつけるのすらためらわれたのか『A・B』というタイトルになっています。

最終的な進捗状況はタイトル画面+デモと発艦シーン、ロールシザース(回転)のみ。なんとタイトル画面はFM音源によるBGMがついています(あまりに聞くに堪えない代物ですが)。

この変則的な画面レイアウトは、少しでも描画面積を減らして速度を稼ぐためと、ロールシザースを表現しやすくするためにゲーム画面を正方形にしたためです。

タイトル画面が化けているのはこの部分のPCGデータが見当たらなかったためで、一応セガマークⅢ版準拠のタイトルデモが入っています。

BLOCK

見た目は割と『アルカノイド』っぽいですが、ボールの反射角度が45度のみなのでメチャクチャ退屈です。しかも、ブロックの当たり判定が適当で、判定バグを潰そうとするたびに余計な条件式が増えていったため、判定ルーチンはグチャグチャ。はっきり言っていちから作り直したほうがよっぽどマシというレベルです。

もともと『こんにちはマイコン』第2巻に掲載されていたテニスゲームをベースに「ブロック崩しを作ってみたらどうだろう」と考えたのがきっかけでして、とりあえず基本として通る道かなと気楽に取り掛かったのが間違いの元でした。キャラクター(8ドット)単位では、遊んでいてもちっとも面白くない上にストレスたまる一方だったので、残念ながらお蔵入りとなった作品です。

余談ですが、これから20年も過ぎてから商業同人でブロック崩しを作ることになり、見事リベンジを果たしました(笑)。

T.X.Blade

ご覧の通り(?)、セガの『サンダーブレード』です。最初から無理があることはわかりきっていたので、オリジナル版のステージ2後半に登場する洞窟面のみの再現に絞りました。それでも全然再現できていませんが。

マップデータは幅9ブロック×奥行き50ステップのマトリックスで構成されており、背景表示までできた時点で投げてしまっています。これについては当時作ったマップの紙資料が残っていたので、参考までに一緒に公開しました。

なお、自機の操作や当たり判定は実装していないため、ただ見ているだけのプログラムです。

PUCKMAN

過去に作った『タコじゃなイカ』に続く、敵の追いかけルーチンの研究用に作ったプログラム。一応完成はしているので今回の「無茶振り移植」という趣旨からは少々外れますが、他に公開する場所もなさそうなのでついでに紹介します。タイトルはドットイートゲームの偉大なるオリジンである『パックマン』の旧スペルから拝借しました。

『タコじゃなイカ』の回にも書きましたが、イカのアルゴリズムが利口過ぎてゲーム全体の速度が遅くなったという苦い経験がありまして、今回の『PUCKMAN』では少し思考ルーチンを簡略化してゲームスピードを優先させたものになっています。

オリジナルの『パックマン』とは迷路が異なっているのは、思考ルーチンの検証が目的のためでして、わざと袋小路などを設けて思考ルーチンにとっては追いかけにくい、意地悪な迷路となっています。

MOTOS-X1

オリジナルはナムコのアーケードゲーム『モトス』です。スクロール機能のない1画面ゲームなのですが個人的に好きなゲームでして、以前ドット打ちをしたキャラクターデータを実際に動かしてみようと挑戦したものです。

ベクトル演算がキモなゲームだけあって、上記の『BLOCK』同様、キャラクター単位で動かすには無理のあるタイトルなのですが、3色のピューパ(敵キャラ)それぞれに全く違う思考アルゴリズムを搭載するなど、意欲的なつくりになっています。『PUCKMAN』同様、一応完成はさせたので趣旨からは外れますが一応オマケということで紹介しました。

ここからは少々専門的な話になりますが、キャラクターのPCGに黒を使っていても背景が透けて見えない(通常、黒は透明色扱いなので背景が透けてしまう)のは、背景とキャラクターのタイルパターンが干渉しないように黒のパターンを意図的に配置しているためです。今となってはなんら役に立たないテクニックですが、当時の工夫ポイントとして一応記述しておきました。今からX1のドット打ちをしたいという奇特な方は参考にして下さい。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年愛媛県松山市生まれ。アーケード、家庭用、PCはもとより美少女ゲームまで何でも遊ぶ、ストライクゾーンの広い古参ゲーマー。ただし、下手の横好きがたたり、実力でクリアできたゲームの数は決して多くないのが弱点。