とんがりギャルゲー紀行 第55回:やきにくくりぷうぴ

さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。

今回はあの伝説の超空間ゲーのひとつを取り上げてみました。

今回紹介するのは『やきにくくりぷうぴ』

ハイパースペース系ブランドのひとつであるTabletがリリースした美少女ゲームです。不思議なタイトルに制作者の類稀なるネーミングセンスを感じますね。

知らない方のために説明しますと、超空間というのはハイパースペースというブランドの名をもじって付けられた愛称です。
ハイパースペースはカルト的な人気を誇るブランドで、かつては超展開の電波シナリオ、不便なシステム、音割れ気味の棒読みボイスによって構成された地雷ゲーの数々を生み出していました。その個性の強さとハイパースペースというブランド名から、敬意(と皮肉)を込め、超空間と呼ばれているのです。

ちなみに本作の内容は、経営難にあえぐ老舗焼肉店「やきにくくりぷうぴ」の4代目である主人公が、入院中の父に代わって店を経営するというもの。
しかしながら「店長と従業員たちが恋にお仕事にと励みまくる」という美少女ゲーム界によくあるお話ではありません。

本作は物語冒頭から主人公が不埒な悪行三昧をはたらきまくるとんでもゲーなのです。

彼はまず女従業員のハーレムを作るというアホな目的のために男性従業員をすべてクビにし

女従業員の制服をそれぞれ高級なオーダーメイドのミニスカメイド服に変更し

やたらに嵩んだ制服代で店の運転資金を使い果たし

やむをえず給料を肉の現物支給に変更し

その結果、怒った従業員たちにリンチされます。病床の父に店を頼まれた直後だというのに店を潰すのに全力過ぎます(潰そうと思っているわけではない)。

▲キレた女子従業員一同+たまねぎに殴られる主人公の図。この可愛いたまねぎは一体何者なのでしょうか

これでまだプロローグなんだから驚きですね。怒涛の展開過ぎます。シナリオのボリュームは少ないのに特濃です。

このあと本編では近所に現れたライバル店舗と競い合うことになるのですが、このライバル店は主人公にクビにされた元男性従業員たちが立ち上げたものなので、主人公がアホなことをしなければ起きなかった戦いなんですよね。

▲「くりぷうぴのスパイだろ!」はなかなかの迷セリフ

恐ろしいことにイカれているのは主人公だけではありません。元男性従業員のほうもくりぷうぴの女の子たちに袖にされたのを逆恨みしているしみったれた阿呆の集団ですし、たびたび主人公に白い目を向けるヒロインたちもかなりアレです。みんな割と狂ってます。

簡単にヒロインの紹介もしておきましょうか。

初登場シーンで3日ぶりの快便を喜びながら現れる幼馴染系ヒロイン

 

濁ったパトランプみたいなのを常に被り続ける弱気なはわわ系ヒロイン

 

お金を出せばヤラせてくれる貞操観念ゆるふわ系ヒロイン

 

おまえ顔面どうした?

こんな感じでイカれたメンバーが揃ってます。給料焼肉現物支給に納得して残ってくれた従業員ですが、献身的というよりおバカなだけです。濁ったパトランプみたいなのを被っているやつは比較的まともに見えますが、実はあのパトランプの中に彼女の父親(少なくとも彼女はそう呼んでいる)が入っているので、たぶん一番おかしい女なのはこいつです。

ちなみにこれがお父さんだそうです。「ぱめらぷぃ」としか言わないので、目玉おやじのほうが高性能ですね。

こんなのが揃ったお店ですから、ミシュランの審査員が来ても注文すらせずに裸足で逃げ出すことでしょう。もしこれが映画だったらラズベリーをたんまりもらえたかもしれないのに、惜しいですね。

そういえば、ゲームのアイコンに使われている女の子が登場しないんですが、どういうことなんでしょうか。

誰よこの女!

別ゲーのCGを塗り換えて他のゲームで使った前科があるメーカーですし、これも他のゲームの使いまわしでしょうか。

わかりやすいよう、ここでもう一度タイトル画面を確認しておきましょう。

ね、アイコンの娘はいないでしょう? そもそもヒロインにはウェイトレス服姿しか立ち絵が用意されていないので、アイコンの娘が学生服姿であることからして確認間違いの線は薄そうです。

ついでに言うと、このタイトル画面にはシステム面での問題もあるんですよね。これ、私が文字を消して表示させているんじゃなくて、元々「はじめから」と「つづきから」のボタンすらないんです。タイトル画面をクリックするといきなり本編が始まる仕様で、操作しやすいシステムを備えた美少女ゲームに慣れていると、あまりの簡素さに驚かされます。

ちなみにセーブ・ロード機能はちゃんとあるので安心してください。

音量調節機能はありませんけどね。

ゲームを起動するとヒロインたちが全員でタイトルコールしてくれるんですが、これが爆音すぎてヘッドホンを外していても響くほどなんですよね。まるで、店員たちによる怒涛の「「「らっさっせぇーい!!!!」」」コールにビビッて足が遠のいちゃうラーメン屋のようです。今後本作をプレイする予定がある方は私のように職場のパソコンで起動しないほうがいいですよ。心臓がキュってなっちゃいますから。

そしてね、このゲームにはバックログもないんです。

ヒロインの奇怪な発言に「うん?」と思って見返そうとしても、ロードするか最初からプレイしかないんです。ていうか「うにょろげ」ってなんだよ。

ついでに言うと、ゲームのインストール時にフォルダを自分で指定すると、ゲームフォルダを自動作成せず直にファイルをコピーする仕様なのも気になるところ。「やべえ、『みずいろ』方式か!?」とゾッとしつつ、インストール直前で危機を回避しました。気の抜けるタイトルのくせして気の抜けないゲームです。プレイに支障はないといえばないのですが、リリースされた年(2003年)のわりに簡素なので取り上げてみました。

※『みずいろ』:ねこねこソフトがリリースした美少女ゲーム。自動でゲームフォルダを作成せず任意フォルダに直インストールするのに、アンインストール時にはゲームをインストールしたフォルダの中身をすべて巻き込んで消去してしまう鬼仕様を採用している(この仕様は初回限定版のみだったはず)。この仕様のおかげでDドライブをまるっとトばされたプレイヤー諸兄が涙を流したため、ある意味泣きゲーといえる。ちなみに内容自体はとっても面白い名作。

 

と、内容にもシステムにもあれこれ言いまくりましたが、世間で言われるほどひどいゲームではないというのがプレイした感想ですね。
そりゃ、主人公がヒロインにバイブ挿入状態での接客を要求したり、塩だれの材料にヒロインの体液を使おうとしたり、ライバル店にスパイしに行ったヒロインがノリノリで集団レイプされて帰ってきたりする展開には驚かされますが、内心でツッコミを入れつつ遊ぶのはなかなか楽しい。

そういえば、シナリオの雰囲気が『お兄ちゃん受信中』と似ているなと思ったら、書いている方が同じらしいですね。

シナリオだけでなく、『やきにくくりぷうぴ』はグラフィックの質がよくありませんし、ヒロインの肌が光りまくっていたりいなかったりと塗りも安定せず、ボイスは音割れし、声優の演技はちょいと物足りない。それでも、というかそれが面白い作品であるように思います。まあ、再度プレイする気は今のところ起きませんが。

中古買い取り価格でさえ2万を越えている(2018年11月現在)プレミア付きの作品ですが、もし安価で売られているのを見つけたら話のタネに一度くらい遊んでみることをおすすめします。

最後におまけとして顔芸ヒロイン銀枝ちゃんの変顔画像を置いておきますね。

それでは今回はこれにて。また次回もよろしくお願いします。