2月26日発売の『PCエンジン&PC-FXパーフェクトカタログ』が、今日校了しました。今回は『メガドライブパーフェクトカタログ』発売以来リクエストが大変多かったPCエンジンですが、現時点での発売前の注文数もかなり好調と聞いています。願わくば期待してくださった皆様に応えられるものであることを願うばかりですね。
ご存知の通り、PCエンジン関連はすでに他社から先行の出版物が刊行されており、それだけで大きなハンデとなります。ですが、「ソフトとハードの両輪で魅力を伝える本」という『パーフェクトカタログ』のコンセプトであれば作る価値はアリかと考え、筆を執った次第です。
PCエンジンだけでなくPC-FXも加えたものにしたのは、言うまでもなく先行本との差別化が根底にあるのですが、それ以外にも以下の理由がありました。
- ハドソンとNECホームエレクトロニクスの一連の事業を記すにあたって、PC-FXも十分記述すべき1ピースであるという点
- PC-FXは1990年代後半に起こったギャルゲーブームのさなかに存在し、それなりに存在感があったハードにもかかわらず、語られる機会はあまりにも少なく、また今後も単独の出版物を出す機会もおそらくないと思われたという点。
- 実際にPC-FX用ソフトの開発に参加していた身としては、それなりに思い入れもあるハードだったという点。
③番は単なる個人的感情なのでさておき(笑)、PCエンジンからPC-FXまで合わせて収録したことで、結果的にNECホームエレクトロニクスの家庭用ゲーム機事業を総括する本ができたと自負をしております。
個人的感情云々という話が出たついでなので、私個人にとってのPCエンジンとPC-FXという2つのハードはどんな存在だったのか少々語りたいと思います。
PCエンジンは以前のコラムでも触れたのですが、当初はぶっちゃけ「X68000の代用ハード」という位置付けでした。『ファンタジーゾーン』『スペースハリアー』『ドラゴンスピリット』『源平討魔伝』……と、アーケードの人気ゲームが次々に移植されたX68000を羨ましく感じていた私にとって、かなりのレベルで欲求を満たしてくれたのはPCエンジンでした。それだけ、初期のPCエンジンはアーケードからの好移植に恵まれ、学校帰りに御徒町の多慶屋に寄ってはPCエンジンのソフトを買っていたのをよく覚えています。ちなみに『大魔界村』『フォーゴットンワールド』『ゴールデンアックス』あたりはメガドライブで買っています(さすがに同一タイトルを複数機種で買う余裕はなかったですね(笑))。ただし、スーパーCD-ROM2が登場するあたりになるとX68000を購入しておりまして、興味の中心が次第にPCエンジンオリジナルタイトルに寄っていくことになります。
一方PC-FXはというと、32ビット機の中で購入した順序がプレイステーション、セガサターン、バーチャルボーイ、PC-FXの順でして、すみません一番最後でした。しかもバーチャルボーイよりも後という(笑)。ソフト開発する都合上、他社のソフト研究を始めたのが理由だったのですが、いつの間にか自然と全部のタイトルを購入していました。でも、それが後にこうやって本の執筆に役立っているわけで、世の中何が幸いするかわからないものですね。
なんともまとまりのない文章になってしまいましたが、本書が皆様の思い出話のお供にでもなれば幸いです。