さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。
最近は時間があまり取れなくて、準備が楽なエロゲーに偏ってしまってすみません。と言いつつ今回もエロゲーです。
もうすぐ学校も2学期かなという時期なので、それっぽいのを選んでみました。
今回はきゃんでぃそふとがリリースしたこのゲームです。自由で大らかでカオスな校風を持つ竜鳴館という学園を舞台にした破天荒なラブコメディー。
つよきす2学期
登場人物たちの軽妙な掛け合いと数々のパロディネタ、唯一無二の個性を持つ濃いキャラクターたち、豪華声優陣の名演で人気を獲得し、主人公含む幼馴染グループの完成した信頼関係の描写などでも好評を受けた人気作『つよきす』――の、続編です。前作で誰ともくっつかなかったその後から始まります。
『つよきす』は、同様にきゃんでぃそふとが誇る人気作『姉、ちゃんとしようよっ!』と同じくシナリオをタカヒロが務めました。
タカヒロは後にマンガ『アカメが斬る!』やアニメ化もしたエロゲー『真剣で私に恋しなさい!』を手掛け、最近では少年ジャンプ+で連載中の『魔都精兵のスレイブ』の原作もしている方なので、どこかで彼の作品に触れたことのある方は多いのではないでしょうか。
そして『つよきす2学期』ですが、タカヒロがインターハート(きゃんでぃそふとブランドを持つ会社)から独立した後の作品だったこともあり、発売前からファンからは「大丈夫なのかな?」と心配する声がありました。
まあ、結果としては。
評価はめっっちゃ低いものになってしまいましたね。
主な問題点は、前作『つよきす』のイベントをかなりの部分でなぞっているところにあります。ファンディスクの『みにきす』もかな? 本作からの新規キャラクターも登場していますが、旧メンバーが多い場面での会話は、『つよきす』をプレイした者なら既視感を覚えまくりです。
しかも、完全にそのまんまではまずいと思ったのか、言い回しを変えて語呂を悪くしてしまっているだけのところがあったりと、小手先でどうにかしようとしたように見えちゃったのがまずかった。
本作では物語の開始時点を2学期はじめにしてはいるものの、前作のイベントを中途半端に踏襲しているために修学旅行にも話を割かず、学園生活の美味しい行事をゲーム本編では逃してしまっているんですよね。リアル修学旅行は同じ班の女子がギスギスして空気が死ぬこともありますが、二次元の修学旅行は基本わくわくイベントなのに。
もったいないの。文化祭はあるけど。
キャラクターの個性も捉え切れていなかったのか、唯我独尊パーフェクトお嬢様という設定のヒロイン・霧夜エリカが個別ルートで望まぬお見合いをしていたりと、オリジナル展開も「こうなっちゃうの?」というところがちょいちょいありました。
これ普通のお嬢様だべ。
と、お見合いイベント初見時は驚かされました。霧夜エリカはカリスマとハングリー精神を持つ支配者側のお嬢さんなので、他のお嬢様キャラとの差別化が明確にできていると思っていたのですけれど。まあ着物姿が可愛かったからいっか。
と、問題点を抱える『つよきす2学期』ですが、正直なところ個人的には嫌いじゃありません。評価すべきところもちゃんとあるのです。
本作では立ち絵を描き直しているのですが、これがとても良い。ポーズによっては顔がいまいちな絵もありますが、『2学期』の塗りは前作と比べてかなり綺麗になっています。
前作を手掛けた白猫参謀先生には申し訳ないと思いつつ、この立ち絵は素直に評価したいですね。CG班はいい仕事をしてくれました。
特に、クールでツンな一匹狼な後輩・椰子なごみ(通称:なごみん)の後ろ姿。彼女はクールに立ち去るシーンがたびたびあるため、後ろ姿の立ち絵が用意されているのですが、これの尻の形が大変よい。
尻は1学期より断然2学期ですよ。
レビューやネット掲示板では散々な言われようをしているゲームではありますが、気にすることはありません。2学期はなごみんの尻見て暮らせばいいんじゃないかな。それと、背景でも小物を変更したり、季節感を変えたりと細かな変化が見られるので注目してあげてください。
あとは新規ヒロインの橘瀬麗武(たちばな せれぶ)ルートなら完全新規シナリオなので安心して遊べますね。
本作はきゃんでぃそふと公式サイトで行われたエイプリルフールネタ『つよきす2 Sons Of Liberty』が元となっていまして(元から発売予定もあったのかもしれませんが)、そのネタで登場したのが新規ヒロインの瀬麗武なのです。主人公の従姉である鉄乙女と同じく理不尽な強さを持つヒロインですが、凛としたところは乙女さんと似ていても、実は甘えたがりな一面を持っており、キャラがしっかり差別化されています。あと可愛い。『2学期』のメインヒロインの1人は瀬麗武でしょうから、もう『2学期』はなごみんの尻と瀬麗武を追いかけて暮らせばいいと思う。楽しいぞ。追加BGMもいいぞ。
と、おすすめしたくはあるのですが、本当にどうにも評価の低いタイトルなのが心底残念ですね。そういえば、シリーズをまとめたダウンロード版がFANZAとDLsiteで売られているのですが、『つよきす全部入り』というタイトルなのにラインナップから本作が省かれているんですよね。代わりと言ってはなんですが、そこそこ評判がよかった『ドラマCDシリーズ つよきす2学期』は収録されています。
買ってから気づいて笑いました。全部入りなのに。「『つよきすシリーズ』の全てが詰まった完全版」って説明には書いてあるのに。
でも、そうかあ。きゃんでぃそふとからも省かれちゃったんですね。
未完成のまま発売された『Garden』というゲームに、ルートの開発を公式に凍結されちゃって攻略不能が確定した姫宮瑠璃というヒロインがいるのですが、彼女は発売元のCUFFSに変わらずヒロインとして扱われているのですよね。
『Garden』をリリースしたCUFFSの姉妹ブランド「Sonora」のデビュー作『僕の未来は、恋と課金と。~Charge to the Future~』というゲームがありまして、簡単に説明するとヒロインたちと同じスマホゲームで盛り上がるお話なのですが、まあ本題ではないからいいとして。
その、作中で大きく扱われているスマホゲームの収録カードには、CUFFSとその姉妹ブランドであるSphere、CUBE、MintCUBEのゲームのヒロインの絵柄が使われており、そこに攻略不可能である姫宮瑠璃も最高レアリティのカードで登場しているのです(衣装によってレア度が低い瑠璃のカードもある)。
『つよきす全部入り』に公式からも省かれちゃった『つよきす2学期』本編との差を思うと、なんだか切なさ感じちゃいますね。そういえば、『つよきす3学期』では『2学期』のCGが一部使いまわれているから、全部入りが出る前から『2学期』を一旦忘れる動きはあったのかな。
『つよきす全部入り』も『2学期』本編も、気になったら遊んでみてください。評判はアレですが、『2学期』も食わず嫌いするほどではないんじゃないかなあと個人的には思いますよ。中古価格が安いから、単独ヒロインのロープライスゲーとして見ればボリュームたっぷりですし。
それでは、今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。