とんがりギャルゲー紀行 第36回:NAGE LIBRE ~静寂の水深~

今回はスーパーファミコンの萌え系ゲーム『NAGE LIBRE ~静寂の水深~』(ナージュ・リーブル)を紹介していきます。バリエが開発・販売した着せ替えバトルゲームで、ジャンルはおさわがせ美少女シミュレーション。

わけもわからず「ナージュ」なる異世界に飛ばされてやってきてしまった女子高生5人が、元の世界に帰るために奮闘するというお話です。闇に支配された心があればナージュの世界ではなんでもできるとかで、敵の女の子たちは闇側についているわけですが、隣接してさあバトル開始だというところでバトルシステムなどの解説をし始めるという優しさを見せてくれます。

▲一通り説明した後で「じゃあ戦おっか!」と挑んでくるゆるさがいい感じ

説明書を読まない派の人も安心の親切設計ですね。でもウインクしてるちびキャラ(一般生徒)が可愛くてあまり説明が目に入らない……。そうそう、攻撃を仕掛けた側には攻撃力に補正がかかるので、敵にはできるだけ自分からバトルを仕掛けましょう。

戦闘パートではランダムで手札に加わるカードを使って敵と戦います。ゲーム開始時に設定したキャラクターの誕生日によって誕生石が決定され、カードについた誕生石と一致すると効果が大きくなります。誕生日による有利不利はないので(妙な隠し要素はありますが)、特に気にせずデフォルトのままプレイしても問題ありません。誕生石効果がついたらラッキーくらいの気持ちでいいと思います。

本作の目玉は「着替え」のカードの存在でしょうか。このカードを使うと、制服(半袖)制服(長袖)体操服水着制服+コートの5種類から好きな衣装を選んで着替えることができます。衣装によって防御や攻撃などのステータスが上下するという効果があるのですが、実際のところそんなものは色んな衣装の女の子たちを見る楽しみについてくるおまけのようなものです。

▲COSと書かれたカードを選ぶと着替えができます

▲着替え中は衣擦れの音と共にシルエットが動きます

敵味方含めた全員に各衣装のグラフィックが用意されているので、敵も戦闘中に着替えます(ステージボスは着替えない?)。本作に登場する敵はモブ敵であっても見た目や名前の使いまわしはなく、個人個人がしっかり作られているのがすごいところですね。可愛らしく描かれた女の子だけでなく、豊富な衣装デザインだとか透けている注射器の表現だとか、クオリティの高さも素晴らしい。

こちらの画像では味方が体操着に、敵も水着に着替えています。ナイスブルマ。

主人公5人に部活動を設定できるのも特色のひとつですね。ステージ攻略中に条件を満たすと新しい部活動を設定できるようになり、ステージ開始前の準備画面でそれぞれの所属部活を設定できます(ステージごとに別の部活にしてもOK)。部活動ごとに相性があり、攻撃の通りやすさが異なっています。その名も天敵マングースシステム。インパクト絶大なシステム名ですね。

どの部活動がどの部活動に強いという情報はプレイ中に画面表示されるわけではないので、自分の手で確かめるしかない様子。わかりづらいシステムになってしまっているのは残念なところです。しかしながら、攻撃画面のドット絵に所属部活が反映されるのは(着替え状態は反映されない)見ていて楽しくていいですね。

ちなみに上画像では左がバスケ部、右はオカルト研究会に所属しています。

バスケ部はバスケットボールを敵の顔面に投げつけて攻撃、無所属なら学生鞄で殴りつけるなど、攻撃内容も変化します。妙にえぐい攻撃ばかりですね。以前、殴ったらいけないところを知らない人間のほうが、格闘技を習得している人間よりもかえってやり過ぎてしまうこともあるのだと父に教わったことを思い出しました。

おまけ。主人公5人の誕生日をすべて11月25日に設定すると、スキンヘッドの男の画像と共にメッセージが出現。「ダメだよ♥ 5人全員同じ誕生日にしちゃ♪」「せっかくだから、いろんな誕生日にしてみよーよぉ♥」「しかもこの日はぼくの誕生日なの♥」というやや気持ちの悪いメッセージのあとに、上の画像と同じメッセージが繰り返されます。そもそもこの人、どなたなのでしょうか。

以上、スーパーファミコン用ソフトの中では珍しい萌え系ゲーム『NAGE LIBRE ~静寂の水深~』の紹介でした。プレイステーション向けに続編も出ていますが正直言って絵がイマイチなので、遊んでみるなら本作がおすすめです。

今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

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