本日、『パーフェクトカタログ』シリーズ9冊目に当たる、『セガサターンパーフェクトカタログ』が校了しました。特に問題なければ、10月28日に皆様のもとにお届けできるかと思われますので、今しばらくお待ちください。というわけで、例によってではありますが、本書の製作中に感じたことを総括してみたいと思います。
セガサターンは私も過去に2タイトルほど開発に参加したことがあったのですが、当時から感じていたことは「複雑なハードだな」という点。今回、本書の執筆にあたって再度調べ直していく過程で、つくづくその複雑さを再認識させられました。私が現役の頃はすでにプログラムの現場からは遠ざかっていたため、私自身が直接ハードを叩く機会はなかったのですが、今更ながらに使いこなすことが難しいハードであることを痛感させられます。大人数のプログラマーの集合知で知見を蓄積できる大手ならともかく、小規模なメーカーは特に大変だったのではないでしょうか。
これは勝手な私見に過ぎませんが、セガサターンはまだまだポテンシャルを秘めており、その実力を引き出せる「伸びしろのあるハード」なんじゃないかと今では強く感じます。それゆえに、早々にドリームキャストにバトンを渡してしまい、わずか6年で商品寿命を閉じてしまったことが実に残念でなりません。
少々話はそれますが、海外ではマスターシステムやメガドライブが割と長い間現役だったんですよね。おかげで、『ストライダー飛竜』『ゴールデンアックス』『サーガイア』といった、「マスターシステムでここまでのものが作れるの!?」と驚かされるほどのビックリ移植タイトルがたくさんあったわけですが、海外ではサターン自体が不振だったためにこういった動きがなかったんですよね。そういう意味でもサターンは十分な実力を発揮できないまま埋もれてしまった悲運なハードだったのではないでしょうか。
そんな思いもあって、今回の 『セガサターンパーフェクトカタログ』 では他機種に比べてハード解説がやや多めになったのですが、実はまだ全然説明しきれなかったことが多々ありました。この辺はページ数やコスト、時間などのバランスが絡んでくるため「極限まで詰め込んじゃえ」ができないところが痛いところですが、それでも取捨選択の上で「現状でできる限りの本」にはなったと自負しております。
結果的に32ビット次世代ゲーム戦争においてプレイステーションに敗北を喫し、2番手に終わってしまったセガサターンですが、それだけ熱いトピックが多い機種だけにメガドライブとは違った形で愛されるハードになったのではないでしょうか。この本が、そんなセガサターンの魅力を知る一端になってもらえれば、監修者としてこれほど嬉しいことはありません。
次回はいよいよ『パーフェクトカタログ』通巻10冊目、某メジャーハードがやってきます。おそらく年内のリリースになるかと思いますが、更に良い本になるよう、引き続き精進してまいります。ご期待ください。