10月29日発売の『ゲームボーイパーフェクトカタログ』が本日校了しました。長年本を作っていますが、毎度この日は「無事に終わってよかった」と思う半面、「やり残したことはないだろうか」という2つの感情が入り混じります。
ゲームのマスターアップなど、自分の手から離れるときはいつも同じ感傷的な気分になるのですが、こればかりはいくつになっても変わらないんだろうなと思います。
最初は「メガドライブ」で次が「ゲーム&ウオッチ」、そして今回が「ゲームボーイ」と一貫性がないラインナップだなと思われるかも知れません。当然直接質問をぶつけられることも多くて「アレとか、アレとか、王道機種をテーマにした本は出さないのか?」という問いも、いつもいろいろな方からいただきます(笑)。
これの返事については現時点では「やるつもりはある」とだけ回答させていただきます。
ただ、それらの本を作ろうとすると下調べも多岐にわたるため、なにぶんにも時間がかかるんですよ。というわけで、期待されている「アレ」とか「アレ」とかについてはまあ気長にお待ちいただきたいと思います。
話がそれましたが、今回の本の制作にあたり留意したポイントは以下の3つでした。
- 携帯ゲーム機という市場を作り上げた功績
- 単なるゲーム機ではなく、携帯端末としてのインフラの役割を果たした点
- 通信機能による新しい遊びを提供した点
もちろん前回の2冊同様、ハードウェア、ソフトウェア両面の情報を網羅することは「パーフェクトカタログ」の名を冠する上で必然なのですが、それよりも今回のゲームボーイで着目したかったのは「ゲーム文化のあり方を変えたゲーム機」であった部分です。
これは以前にも書いたことなのですが、最初は「ソフトカタログが欲しかった」「懐かしいゲーム機が載っている」くらいの気軽な興味で手に取っていただいて結構なのですが、本文を読んでいるうちにゲームボーイというゲーム機の魅力により深く気がついていただける本を作りたい。
単なるハード、ソフトカタログではなく、ゲームボーイの功績と価値を後世に残すことが、むしろこの本に課せられた役割だと考えています。
それが今回の本を作った根底にある意図なのです。
ゲームボーイを題材に扱う上で一番ネックとなったのはやはりタイトル数でして、1200タイトルを超える数を1冊の本に収めるために、メガドライブの頃に比べて1タイトルあたりの枠を小さくせざるを得ませんでした。メガドライブ本よりも16ページ多い208ページにしたのですがそれでも全然足りず、一方でなるべく情報量は削ぎ落とさないようにしたため、その結果ソフト紹介記事は少々文字サイズを小さくなってしまいました。この点だけは何卒ご容赦ください。
かなり小難しい理屈を述べてしまいましたが、ゲームカタログ本として眺めるだけでも楽しめる本である点はシリーズを通じて変わりません。気軽に手にとって、当時に思いを馳せつつ思い出に浸っていただければ幸いです。