第9回:『五つの世界』の巻

素晴らしき『スウォードクエスト』

ビデオゲーム、というよりもテレビゲームと言う言葉がとてもしっくりとくる古いゲームマッシーンのソフトカタログみたいな本がたくさんありましたな。その中でもアタリ2800用のゲームソフトには、和訳が本掲載の時点で間に合っていなかったのか原題をそのままカタカナ表記していたり、日本語の題名に直されてはいるものの英語の直訳だからなのか、変わった題名でなんとなく目を惹くものが多かったように覚えています。『スミザリーンズ(後に『人間大砲』と訳された題名がつけられたらしいですな)』や『ディモンからダイアモンド』など、ご記憶にある方も多いことでしょう。

そういったカタログにて。『スウォードクエスト(地の世界)』『スウォードクエスト(火の世界)』というゲームをみました。簡素な画面であればこそ想像力が働き、非常に神秘的な画面にみえました。地の世界に火の世界、なんて壮大な題名なんだろうと感じました。

神秘的すぎ

どんなゲームなんだろう、ぜひ遊びたいと思いつつ。大人になるまでその機会はありませんでした。そしてやっと遊ぶことができたのが、たしか20年ほど前。神秘的と感じた画面は、実際にみてもやはり神秘的でしたが。ゲーム展開も神秘的過ぎてなにがなんだか分からず、遊ぶことをあきらめてしまいました。説明書に書かれている情報がそのゲームを遊ぶのに必要不可欠であることを知ったのは、本当につい最近です。

木更津沖にて

五つの世界のドラゴン

五つの世界のドラゴン

さて、話は唐突に変わります。「ぴゅう太買えや」に対する反勢力の頭目、すなわち「ぴゅう太買わぬ」の総帥、皆様ご存知であるところのPC-6001大好きなあの男でございます。彼は、実は超ぴゅう太好きであることはもはや明白でございますが。そんな彼が「ぴゅう太にはロールプレイングゲームがないんだね」と一言つぶやきました。

たしかにその通りでした。成長や謎解きといった要素が含まれるゲームが、ぴゅう太には全く無かったのです。日本語G-BASICでは画面を切り替えるという作業は非常に厳しく、テキストのデータを持たせることも難しいため、絵もしくはテキストデータを必要とするアドベンチャーゲームや、それに加えて敵のデータも必要となるロールプレイングゲーム、さらなる量のデータを必要とされるシミュレーションゲームの作成は、まず無理ではないかと思っておりました。

他機種の素敵な思考ゲームの数々

ソードのM5には『太陽系艦隊』という4つのシリーズからなるアドベンチャーゲーム(シミュレーションゲームに分類されることのほうが多いですが)がございます。残念ながら自分は遊んだことがないのですが、当時の紹介記事を読むと非常にこなれた、優れたゲームであると書かれています。インテレビジョンには『シーバトル』という、簡素ではありますがそれは間違いなくしっかりとしたシミュレーションゲームがあり、とてもうらやましかった。実にうらやましかったのです。

月面宙返ムーンサルトりー

五つの世界1

五つの世界1

『こんにちはマイコン』の2巻にて、もしくは別冊コロコロコミックにて、さとるはあらしにこう言いました。「マイコンゲームのホントのオモシロさは反射神経ゲームじゃない!」「いまやマイコンゲームは思考ゲームの時代なんだ」と。

これはもちろん『こんにちはマイコン』作者のすがやみつる先生が反射神経ゲームの面白さを熟知されておられて。この場面の前に、マイコンのパックマンみたいなゲームにて炎のコマで百万点をとって得意満面のあらしと「あらしにかかっちゃマイコンも形無しだ」という一平太の台詞があって。なればこそのさとるの台詞なわけでございますが。

思考ゲームがない

「ぴゅう太にはロールプレイングゲームがない」、そしてその理由と同じ理由にてアドベンチャーゲームもシミュレーションゲームもない。つまりさとる言うところの思考ゲームがない・・・。カートリッジゲームならばかろうじて。『カーレイジレーサー』が謎解きまではいかずとも推理力がちょっぴり必要であったり、『四人麻雀』は分類の仕方によってはシミュレーションゲームに該当したりしますが。

アクションアドベンチャー

主人公

主人公

ここまでの事柄が、頭の中でまとまりかけては立ち消え。立ち消えてはまとまりかけて。ふと、それより少し前に作りかけていた、アクションロールプレイングゲームみたいなもののプログラムを思い出し。「あ、あれ使って、アクションアドベンチャーみたいなもんにすれば、テキストのデータもいらないし、敵とかのデータもいらないし、なんとかなんじゃないのかしら」と考えました。

五つの世界2

五つの世界2

画面が切り替えられないならば、一画面で完結するようにすれば良い。テキストは、説明書に物語を書いて雰囲気を伝えれば良い。ではどんな物語にするか。自分は東西、国問わず、民話が大好きなので。民話のように素朴で、しかし素朴であればこその力強いものがいい。同時に『スウォードクエスト』のような神秘な感じもあったらいいなあ、と考えて。「地の世界」「火の世界」といった言葉を拝借し。アドベンチャーゲームという言葉通り、冒険をするような物語を書くつもりで、作文致しました。

他愛もないものではございますが

宝物

宝物

結果として、たいした謎解きをいれることはできませんでしたが。日本語G-BASICにて、自分がやれる限りのことは致しました。果たしてこんな他愛もない謎解きが、アドベンチャーゲームと人様に認識して頂けるか否か、楽しんで頂けるか否か、ぴゅう太初のアドベンチャーゲームと成れるか否か、浅ましくもそんな願いを込めて、『五つの世界』を作成致しました。御機会ありますればぜひ、遊んでみてください。謎を解いてみてください。謎を解くためのヒントを書いてしまいそうですので、今回はここまでに致しとうございます。今回もまた稚拙な作文をお読み頂き、ありがとうございました・・・あ、poipoiさんがいつものごとくぴゅう太買えやソフトの動画をアップロードしてくださってます・・・あ、あれ、あ、あ、おい、これ、「あ、ごめん、動画で謎解いちゃった、てへ」じゃねえよ、poipoiあとでしばく。

もし『五つの世界』、遊んで頂けますれば。ヒント動画としてぜひどうぞ。

 

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