『信長の野望』など、バリバリの歴史ものタイトルを生み出し続けるコーエーテクモゲームスによる珍妙不可思議なパソコンゲーム。それが『団地妻の誘惑』です。コーエーの社史に記載されていないのは、果たして黒歴史扱いなのか単に忘れられているのか。なんにしても存在感は抜群ですね。
コーエーらしくない作品に見えるかもしれませんが、信長だって今はあらゆる場で美少女になったりしてますし。
広義に解釈すればコーエーは昔から一途にギャルゲーを作り続けていたということに……!!
……なるわけないか。
こちらがパッケージ画像。
これがタイトル画面です。
コンドームを売りさばくセールスマンとなって団地妻やオカマを相手に商売するという、もう設定からしてとがりまくりの営業SLG。使用感を教えるためという口実で団地妻を丸め込み、エロいこともできちゃいます。ゲーム内の文字表記がカタカナのためか、人妻といい雰囲気になったところで「イタスカ?」の文言が出るのが笑えます。
この当時のゲームはまだモザイクを入れる義務はなかったので、肝心の部分を隠す『パソリンカット』の文字はコーエーの良心でしょうか。それにしても隠す範囲が広すぎやしませんかね。
足しか見えません。
ゲーム内に登場するのは団地妻だけではなく、トルコ嬢、ホステス、女子大生、オカマなんかも出てきます。トルコ嬢という化石じみた呼称に時の流れを感じさせられますね。オカマがゲーム内のトラップ的な存在として出てくるところなんかも、この時代にはよくあったお笑い要素。遭遇すると性的な意味で痛い目に遭ってしまうので要注意です。
ついでにチンピラ、幽霊もお邪魔キャラとして登場します。幽霊に小遣いをせびられるのはどうしてなんでしょうか。自分の除霊代を稼いでいるんですかね……。
どうやら極楽は狭き門のようです。
セールスマン、幽霊にカツアゲされるの図。
全力でおバカをやっているゲームのくせして難易度はシビアで、人妻とひたすらにゃんにゃんしていると営業ノルマは達成できません。この妙なリアルさが悔しくて、ついついもうワンプレイしたくなってしまうのが憎いところ。
パッケージに書かれたあらすじにも、
「どんな手を使ってでも売るぞ」と決意する貴方、と同時に、いつもの例の下心がムクムクと…
と書かれていますし、仕事中にエロいことをするのは彼の悪いクセであって目的ではないってことなんでしょうね。
ノルマ達成できないとクビになってしまいます。
不当解雇ですね。よーし、労基に突撃だ。
発売当時の時代の象徴とでも言うべきか、入手できるアイテムに『Oh! MZ』や『テクノポリス』などの懐かしいパソコン雑誌が……。元ネタ雑誌を知っている人ならニヤリとできる要素でしょうね。ちなみにこれらのアイテムを入手すると知性が低下します。「ピコピコばっかりやってるとバカになっちゃうんだからね!」みたいなカーチャン的アドバイスなんでしょうか。
拡大しまくっているのでちと画像が荒いですが、『テクノポリス』と『Oh!MZ』。
アイテムや敵の配置はランダムでゲームバランスなどあってないようなものですが、ネタとして遊んでみるには笑えるバカゲーではないでしょうか。コーエーは今からでも社史にこれを表記すべき。
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