さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。
今回取り上げるのは、1997年にハドソンから発売されたセガサターン用ゲームソフト
『バルクスラッシュ』 (BULK SLASH)
戦闘機形態とロボット形態に変形できる2人乗り戦闘機「ガーデュアル」を操り、クーデターを企むテロリストを撃退する3Dシューティングゲームです。
作画監督は菅野宏紀、キャラクターデザインを夏目久仁彦が務めています。菅野宏紀というと、のちに『カウボーイビバップ』や『交響詩篇エウレカセブン』の作画監督も務めた方ですね。最近の作品だと『僕のヒーローアカデミア』も手掛けています。実力派を起用しているので、ムービーでは構図やアクションがすごくいいです。
『バルクスラッシュ』に話を戻しましょうか。主人公は軍人で、武力クーデターを止めるために7つのステージを攻略していきます。クーデターには幼馴染の女性も参加しており、殺し合わなくてはならないというちょっぴりほろ苦い設定です。
ちなみに本作は戦闘内容がナビの女の子の好感度に影響するという特徴的なシステムを採用しています。2人乗り軍用機なのに最初は主人公しか乗っていないので、女の子はその辺で拾います。
[auth]女の子は各ステージ中にひとりいて、拾って機体に乗せるとナビしてもらうことが可能です。目標がどちらにあるかとか、シールドの状態を教えてもらえます。ちなみにナビをしてくれる女の子は7人(うち1人は隠しキャラ)で、それぞれにエンディングがあります。女の子は乗せ替え可能なので、好きなヒロインが出るまでとりあえず誰かしらを乗せちゃっても問題ありません。交代したナビの子はその場に置き去りなのかがちょっと気になるところですが、たぶん無理やり乗せているのでしょう。そうでなかったとしても、元々戦場で拾った娘さんなのでたくましく生きていくことでしょう。
便宜上ナビって言ってますけどゲーム中での呼称は「M.I.S.S.」と言いまして、
Manageable
Intelligent
Support
System
の頭文字を取った略称になっています。独身女性を意味するミスとかけているのでしょう。ちなみにグーグル翻訳では「扱いやすいインテリジェントサポートシステム」と訳されました。
しかしながら戦いに巻き込まれたアイドルを拾ってナビさせても、
「左のほうかな?」「右のほうって感じ?」
通るかっ……! こんなもんっ……!
ざっくりしすぎです。 インテリジェント言っといてインテリジェンス非搭載なお言葉の嵐です。しかしそこが楽しいところでもあります。
発言はあまりあてにはなりませんが、ダメージを受けるとアイドルが叫びながらぐらんぐらん揺れるのも面白いですね。風にあおられるつくしみたい。なんか表現は詩的になっちゃったけど絵面はギャグですからね。
まあダメージを受けると好感度は下がるんですけどね。
本作では敵を倒すとナビの子の好感度が上がり、被弾すると下がるシステムになっているんです。好感度によってボイスも変化するので、最初は被弾時に「私は大丈夫です」とか気丈な発言をしていた姫様が、好感度が下がった状態では「たわけっ!」とキレたりします。
好感度の高低はエンディングに影響するので、いいエンディングを見たいなら被弾は避けていかなければならないのがちょっと難しいところ。女の子がすぐには見つからないステージもあるので、慣れるまでは繰り返しプレイしていきましょう。
最初はいい加減なナビをしていても、好感度が上がるとナビがより正確なものになっていきます。最初はやる気がなかったというわけではなく、惚れた男と一緒に生き抜くためにナビの仕方を影で勉強したのだと思っておくことにしましょう。主人公と違ってこの機体での訓練は受けていないでしょうし、そもそも軍人ではないヒロインのほうが多いので変なナビでもおかしくない……かな? 普通、死にたくないでしょうからナビも必死になると思うのですが、基本的にノリが軽くて戦争の悲壮感はないです。戦闘中に結婚の話とかしだす軍人娘もいるし。外堀を埋めるために死を恐れずフラグ建築しまくる発言にこっちが慄きます。大物ですよこいつは。
ちなみにゲームオーバー時の名前入力で「SEX」と入力するとメッセージが変化して、普通は「そうそう、そんな名前だったね♪」みたいな反応なのが「無礼者!」「貴様正気か?」「ふざけんじゃないよっ!」などになります。ついでに入力しないまま放置してもやっぱりキレられますので、豪華声優陣にののしられたい方はお試しあれ。
それでは今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。
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