とんがりギャルゲー紀行 第101回:爆笑!愛の劇場

 『ファミリーコンピュータパーフェクトカタログ』の発売記念に、PRを兼ねてファミコンのゲームを紹介していきますよ。

爆笑!愛の劇場

 より幸せになることを目的とした大学生活体験ボードゲームです。カレンダー上にランダムで止まった日付で発生するイベントを見ていく、すごろくマップは使わないけどすごろく的な内容。オカマバーでアルバイトをしたり、どうみても某カルトな怪しい宗教サークルへ参加したりとかなり偏った体験ができるのが特徴です。
 人生を体験するファミコン用人気ボードゲーム『爆笑!人生劇場』に似ていますが、関係はまったくありません。

「根暗だけど」など、一言多いテキストも特徴

 最初に性別と両親を選択して顔と仕送り額などをランダムで確定させ、ミニゲームで進学先を決定して大学生活をスタート。進学先や所持金はゲームクリア時のスコア(幸せ度の数値)に影響します。
 とりあえず筆者はとんがりくん(男)を作成して遊んでみました。

 作中では定期試験や卒業試験も発生しますが、全体としては恋愛関係とサークルに関するイベントが多い印象ですね。
 サークルは必ず何かしらに加入するようです。筆者のプレイ時はなぜか怪しい宗教サークルがCPUに人気で、満員だからと断られるやつまでいました。断られたCPUは相撲サークルに入りました。

どう見ても某カルト

 恋愛のほうはナンパやコンパなどで女の子と知り合うランダムイベントとデートイベントがあります。
 知り合いの女の子ができると「デートのひ」の発生時にデートできます。このイベントは特に誰かと約束もしていないのに「きょうはデートのひだ!」とキャラクターがプレイヤーに知らせてくるもので、誰にも出会っていないと一日寂しく寝て過ごすことなります。予定を変えればいいのに。
 この世界の人々はどうしてエアデート予定を確定事項として扱うのでしょう。不思議。などと考えつつ、取りあえず「きょうはデート」と言い張るとんがりくんに従ってほなみちゃんをデートに誘いました。女の子と会わない期間が長いと電話で文句を言われた上に好感度が1つ下がるだけでその日が終わるため、会うのは1人にしぼるのが得策です。誘わなければ文句も言われません。というか、キャラ固有イベントや容姿と名前以外の差異はないので、ぶっちゃけ誰を誘っても同じです。

左の女の子がほなみちゃん

 ほなみちゃんはとんがりくんが出会った時点でCPU2人の取り合いが起きて略奪バトルまで発生するほどの猛者ですが、熱心に愛を捧げる男CPUよりもぽっと出のとんがりくんに対しての好感度の方が高かったので、まあいいかとデートに誘いまくりました。
 「ほなみちゃん」と馴れ馴れしく呼んではいても、所詮は顔と名前しか知らない女。セリフも悪態が基本なので愛も嫉妬もあろうはずがなく、正直誘えるならビッチでもいいのです。日付を進めるうちに彼女は全ての男を制覇するまでに至りましたが、それでも嫉妬はしません。代わりに抱いたのは畏敬の念。この女は一体どこまでいくのか、凄腕ハンターを見守るような心持ち。でも、ほなみちゃん的にはとんがりくんへの愛が一番強いので戻ってくるのはこちらなのでしょうか。気分は鷹匠です。

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 そんなこんなでゲーム内で1年半ほどを過ごし、卒業試験に合格してゲームクリアとなりました。クリア時に持っていた単位数や所持金、就職先、通った大学、恋人との親密度などを数値に変換した幸せ度が表示されます。
 ゲーム開始時にCPUのプレイを描写するかを選択できたのですが、描写しても『人生ゲーム』などのように最終結果を比べて順位を決めたりはしません。CPUの幸せ度は謎のままです。プレイヤーが大学卒業にこぎつけたら他のプレイヤーの卒業を待たずにそこで終了
 幸福とは、比べるものではなく個人で決めるもの――ということなのでしょうか。確かにそうかもしれませんが、ボードゲームなのに競争心を一切煽らない仕様なのは変わっていますね。

 そういえばデートに誘える女の子たちは単なる知り合いだと思っていたのですが、上の画面を見るに全員とんがりくんの恋人だったようですね。出会ったきりで一切連絡していなくても恋人。ううむ、なんだかストーカーの思想を覗いてしまったような気持ちです。恐怖感じちゃう。

 さて、本作に興味は持っていただけましたか? 『ファミリーコンピュータパーフェクトカタログ』では、このタイトルを含む全ファミコンソフトの紹介や、他社発売の本には掲載されていない『ファミコンフィットネスシステム』など変わった周辺機器の情報もありますので、興味があれば是非お手に取ってみてください。

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