とんがりギャルゲー紀行 第21回:バトルスキンパニック9821

脱げば脱ぐほど強くなる――!

今回は淑女お断りなトンデモ古武術「裸神活殺拳」を駆使して戦うアドベンチャーゲーム『バトルスキンパニック9821』を紹介します。PC-8801でリリースされた人気タイトル『バトルスキンパニック-全裸戦士-』をPC-9821向けにリメイクした作品です。紹介するなら元になった作品のほうがいいよなとは思ったのですが、手元にありませんでした……。画像が描きなおされているくらいしか違いはありませんので、今回はこちらでいきます。

ヒロインたちが使う裸神活殺拳とは、高周波エネルギーを体表から発射して相手にダメージを与える地上最強の拳法です。しかしながら高周波パワーは露出面積に比例するため、脱がなければ最高のパフォーマンスを発揮できないんだとか。
羞恥心を克服した使い手は珍しく、大抵の使い手たちは羞恥が限界を超えると動けなくなってしまいます。とりあえず脱げばいいってわけではないんですね。どこまで脱ぐか、あるいは脱がないかの駆け引きを楽しむ作品なわけです。もう煙幕撒いて戦おうよ。

『バトルスキンパニック』シリーズは18禁ではないのですが、女の子たちが惜しげもなく裸体を晒していることから最初のPC-8801版が出た時に宮崎県で問題にされてしまいました。つまり行政機関が「エロすぎる」と認めたゲームなわけですね。すごいことです。
宮崎県は『電脳学園シナリオI Ver2.0』も有害図書に指定したこともあってすっかりガイナックスに嫌われてしまったのか、一時的にメーカーの作品が出荷されなくなったそうです。
おかげで宮崎在住のガイナックスファンは悲鳴をあげたとか。シリーズ最初の作品が発売された1990年はまだネット通販がありませんでしたから(というかそもそもインターネットすら普及していませんでした)、本当に笑えない事態だったでしょうね。

さて、ゲーム本編の話に移りましょうか。

お話は主人公の少年がいるクラスに転校生がやってくるところから始まります。
転校生――坂東ミミという少女は裸神活殺拳の伝承者。普通の女の子として暮らしたくてペルーからはるばる日本までやってきたのですが、周囲がそれを許してはくれません。伝承者の証であるブルー・ロブ・スターを求める裸神活殺拳の使い手たちに狙われているのです。

刺客たちとの勝負はカードバトル風の画面で行われます。相手を攻撃する「攻」、守備力をあげる「防」、呼吸を整えて回復する「回」、相手の羞恥心を煽る「恥」、脱いでステータスをアップする「脱衣」などのカードがあり、ステータスと羞恥のバランスを取りながら戦っていくわけです。ちなみに恥のステータスが上昇しすぎると行動できなくなり、タコ殴りに遭います。

新しい手札はランダムで追加されていくのですが、すでに全裸になっていようと構わず「脱衣」カードが来るのはどうにかならないのでしょうか。ひどいと「脱衣」で手札が埋まります。それ以上脱ぐとZ指定になってしまうのでは……?

ぷよを回転させられなくなりそう。

相手の体力を0にすると勝利できます……が、大抵の人はその前に相手が脱ぐまで粘ったことでしょう。このバトル部分は独立したモードになっていて、バトスキファイトなるモードで好きなだけお目当ての娘と戦闘ができるのが嬉しいところ。

バトスキファイトモード参考画像。なぜ特撮風……?

『バトルスキンパニック』シリーズは古いゲームですので容量は小さく、お手軽に遊べる作品だと思います。PC-8801版、PC-9801版、MSX2版ならProjectEGGで配信されていますし、ちょっとだけ遊びたいときにちょうどいいですね。アダルトゲームではないとはいえ絵的にアレなので、遊ぶときは背後に注意しましょう。

最後におまけその1。主人公も脱ぎます。

おまけその2。裸神活殺拳をきわめるとICBMとも渡り合えます。

それでは今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

当記事に関連する商品紹介