さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。最近はアニメ『ダンベル何キロ持てる?』の影響か『Theガッツ! -マキシマム・マタニティ!-』の記事へのアクセスがちょっと伸びていたので、なにか筋肉的な作品をご紹介することにしました。
というわけで本日取り上げるのはこちら。
『Theガッツ!Remix』(2001年/オーサリングヘブン)
『Theガッツ!』シリーズの原点である1作目のボイス付きバージョンです。それ以外の内容に変化はないので、今から遊ぶなら本来の1作目よりこちらがおすすめです。そもそもダウンロード販売で売ってるのがこちらのバージョンしかないというのもありますが、なにせ北都南がお嬢役で声を担当していますからね。もうそれだけでこっちのが断然おすすめ。
本シリーズの1作目はMay-Be SOFTからの発売でしたが、この『Theガッツ!Remix』と2作目以降はオーサリングヘブン、最新作『Theガッツ! -マキシマム・マタニティ!-』はコンプリーツからの発売となっています。別に権利があちこち移動しているわけではなく、制作陣はほぼ変わっていなかったはず。不動の筋肉。
シリーズの一番の特徴はなんといっても筋肉ムキムキなガテン系女子・タカさんがメインヒーロー(ヒロイン?)を務めていること。乙女ゲームや女性向けエロゲーに登場するヒーローは大体スラっとした肉体の持ち主や細マッチョなので、男女向け両方を見てもムッキムキなのを強調しているガテン系は珍しいかも。といっても、女性向けは滅多に遊ばないので詳しくはないのですが。たぶんガチムチが多いのは18禁BLくらいかな?
また、タカさんに限らず、登場する女性はみながっつり肉食系なのも特徴ですね。タカさんはエロゲーのメインヒロイン(ヒーロー?)ですが、当然のように非処女です。シャワー室で男を囲って(囲まれているのではない)股座からたんぱく質を搾りまくったりしています。他のエロゲーでこれやったらビッチとかいって叩かれそうなものですが、タカさんならまあいいかと思えますね。そもそも筋肉のサキュバスとか言われる女が型にはめられるわけがないのです。そらもう常識の枠から隠せぬ筋肉がはみ出しまくりよ。
ストーリーをざっと説明すると、好きな女性に「頼りない」とフラれた主人公の青年が体を鍛えつつお金も稼ぐために猫柳建設で働き始める――という内容。メインヒロイン(ヒーロー?)であるタカさんは猫柳建設の現場主任を務めており、上司と部下として一緒に働くことになります。
猫柳建設の関係者はみなさん肩幅が広くていらっしゃいますね。 きっとなで肩の存在しない世界なんだわ。
お仕事はクリック連打でこなします。ここでの仕事は、連打をすることなの。とか当たり前のように言われて笑いましたが、ギャグじゃなくてマジです。
この仕事に関しては毎日ノルマがあるのですが、正直攻略が面倒くさいのでクリックツールを使って済ませようと思ったら、なぜだか連打ツールが反応しませんでした。前にプレイした時は大丈夫だったはずなんですが……。きっとガッツの足りない軟弱な考えを見抜かれたのでしょう。てごわい。
本作はマッシヴ・エロチック・コメディを謳ってはいますが、最新作を見てからこちらを改めて見ると、服の上から感じる筋肉のボリュームはそれほどないですね。イカリ肩だと言い張れるレベルの肩です。脱いだらムキムキなんですけどね。
当時は筋肉女がメインのエロゲーなんてものは大変珍しかったので、かなり話題になったようです。前例がないから市場は読めなかったでしょうし、May-Be SOFTにとってもかなりの冒険作だったのではないでしょうか。まあ、この作品の後に電波な名曲OP「ゆっくり揉んでね☆ぱいタッチ!」で知られる『ぱいタッチ!』とかもリリースしたメーカーですから、それほど大それた挑戦をしているつもりはなかったかもしれませんが。結果的には、マイナーな趣味とはいえ供給があまりに少なかったジャンルだったので人気が出たようです。みんな、飢えていたんですね、筋肉に。
ユーザーに求められるまま筋肥大を進めた結果、タカさんは最新作で女性ボディビルダー並の肉体美を手に入れたのでしょう。改めてシリーズの原点を見ると、最新作におけるタカさんの進化がすごい。原画家さんの画力もあるのでしょうが、シリーズを追うごとにどんどん筋肉がキレていきますからね。
ちなみにこの作品、とんがった存在なのはタカさんだけではありません。見るからにお金持ちなのに現場仕事をしているお嬢や男装女子、屈強な男に襲われたくて主人公をストーキングしてくるトンデモ痴女もいます。
しかし、鍛えたくて建設業界に入ったばかりの男なのに「屈強な男」として痴女に追いかけられるのは不思議。他の子には頼りないとか軟弱な身体とか言われているのにね。普段は戸愚呂(弟)みたいに筋肉収納してたのでしょうか。
すると主人公は本当は筋肉モリモリマッチョマンなのに自分を頼りないと思い込んでいて、「もっと鍛えなきゃ!」と奮起して建設業に入ったのか。そして鉄骨を発泡スチロール感覚でモリモリ運んで大活躍するってわけですね。ふむ、すると『Theガッツ!』はいわゆる勘違いモノだった可能性が……?
と、冗談はこの辺にして、実際は単なるシナリオの矛盾でしょう。エロいシーンを取りあえず入れようとしたら導入が雑になったとか、きっとそういうことなんだ。よくあるよくある。
他にもお嬢のヘルメットがきつきつ過ぎるのでは? など気になるところもちょっとありますね。ヘルメットは帽子と違って中が厚くて頭を守るクッションとなるようにできているはずなので、この立ち絵から見るとお嬢の頭はマニキュア容器みたいな形ということになっちゃいます。想像するとめっちゃ面白いなと思っていたら、ヘルメット脱いだら普通でした。そりゃそうか。
シナリオや絵の矛盾は楽しめるので個人的にはOKなのですが、システムがかなり簡素で、CG鑑賞機能はあってもエッチなシーンを鑑賞する回想モードがないのは残念かも?
ちなみに筆者はエロゲーのプレイ開始前にコンフィグをいじっておく派でして、取りあえずテキストスピードを最速にし、ウィンドウの透明度を上げ、クリックでボイスの再生がカットされないように設定するのが定番となっています。
しかしながらこの作品のシステムは本当に簡素なものなので、テキストウィンドウの透明度とかクリックでボイス云々の機能はありません。文章スピードは設定できますが、「通常」と「高速」の2通りしかないんですよね。
なので取り合えず高速にして本編を始めてみたのですが、本作における「高速」とはテキストのスキップ状態のことだったのです。
つまり、はなっからスキップ機能をオンにしてゲームを始めてしまったということですね。なので始めたはいいものの、初手スキップ状態ですから文字が怒涛の勢いで流れる流れる。
プロローグなんも読めねぇ!
という状況に陥って一度やり直すはめになりました。以前に本作をプレイしたことがあるのですが、この仕様のことをすっかり失念しておりました。本作における「通常」とはそもそもテキストを一瞬で表示させるものなので、そもそもいじる必要はなかったのです。
このシステムのガサツさ、実にガッツだな。コンセプトに合ってるじゃないの。と、本編の内容と全然関係のないところで感心してしまいました。本作のシステムは確かに簡素ですが、必要な機能はあるので問題はないと思いますよ。記憶はありませんが、おそらく前回にプレイした時も同じミスをしたはずなのに学習しないやつが悪いのです。
と、このようにツッコミどころもありますが、ゲームが破綻するような内容でもありませんし、マッシヴ・エロチック・コメディの看板には偽りなしなので、この遊べるプロテインはおすすめです。
今回はモザイク率がものすごく高い作品だったためにエロい画像をあまり上げられませんでしたから、気になる方は本編を買ってください。現物での販売は終了していますが、ダウンロード販売は継続中なのでかなり手に入れやすい作品ですよ。
ついでに、ダウンロード版には『Theガッツ!2』以降の作品をまとめたお得なセットもあるので、シリーズをまとめてプレイしたい方は本作のダウンロード版とシリーズまとめ版を購入するといいでしょう。
さて、それでは本日はこの辺で。また次回もよろしくお願いいたします。