とんがりギャルゲー紀行 第124回:ガンナイトガール

 現在半端なく忙しい状況にあって『とんがりギャルゲー紀行』の記事準備が滞ってしまっているので、個人的に強く印象に残っていて書きやすいタイトルを今回はセレクトしました。きゃんでぃそふとのこの1作。

ガンナイトガール

 サバイバル趣味の学生主人公が、軍人や軍人候補生のヒロインと田舎の学園でなんやかんやするエロゲーです。舞台は何やら世界情勢が危ういらしい2034年の日本。主人公が通う学園が陸上自営軍に接収されて無期限休校になり、そこへやってきた少女だらけの部隊になぜか主人公も組み込まれたことで交流が生まれます。

 学園生と軍人。そりゃ考え方や生き方は互いにまったく異なるわけで、揉めたり違いを感じたりもしつつ、ひと時の交流によって互いに影響をばしばし受けあうという流れ。恐らく主人公的にははじめちょっとした巡り合わせくらいの感覚の出会いなのだけど、実は滅茶苦茶一途な愛情を持つ、とあるヒロインにずーーーーっと見守られて、というかかなり強めに執着されていることが後々わかる――という楽しい本編の話はこの辺にしておいて。

 軍人娘のみがヒロインとなるゲームでは主人公が指揮官であることが多いので、こうして軍人と学生の対比が描かれるのは珍しいですね。キャッチコピーが「――いずれ戦地に赴くあの人に、俺はなにをしてあげられるだろう。」なので、きゃんでぃそふともそこは意識しているところなのではないでしょうか。

 個人的にはわりと好きなエロゲーですね。舞台が田舎なのもあって普段は近未来感をあえて描いていないっぽいところがまたいいのですが、二足歩行兵器が出てくるシーンもあったりして、ちょっとしたロマンも感じられます。
 コメディもありつつシリアス寄りの話だけど、プレイ中の脳内は「白い軍服が眩しいぜ」なんてわりと煩悩寄りでした。原画担当がすめらぎ琥珀さんだからみんな可愛いんだもの。仕方ないね。

 わりと好き、などと、絶賛というほどでもないのにどうして印象に残ったエロゲーなのかというと、個人の事情によるものです。これね、自室にあるのを祖母に見られました。だからです。

 当時の自宅に祖父母がしばらく滞在したことがありまして。私の部屋は掃除しなくていいと伝えてはいたのですが、まあ親切心というか祖母心というか。孫のためと思って頑張ってくれたのでしょう。

 ある日家に帰ると部屋が綺麗になり、収納にしまわず放置していた外箱が畳まれて平たくなっておりました。「もしかしたら見られちゃったかも☆」なんて疑惑の余地は皆無です。だって畳まれたんだもの。当然見てるし触ってるわ。

 気づいた時は悶えました。「んんん゛ぐぉああ゛あ゛あ゛ん゛ん゛ん゛」みたいな具合です。掴んだクッションを千切りかけるほどこねました。その後、祖母に追及されたらどう言い訳すべきか考えましたが、まーったく触れられずに終わりました。

 祖母の滞在中、私は居たたまれない思いに苛まれました。何せその祖母は普段からいることもいらんことも沢山話す人なので、ひとっ欠片も触れてこないと、かえってまずい物に触れちゃった感が出ているような気がしたのです。しかし当然こちらから何か言う勇気はありませんでしたので、結果お互い普通の態度。平和なもんです。表面上は。内心はもう嵐よ。だめよ。

 と、ゲーム本編とまったく関係ないところで滅茶苦茶印象に残っている、それが『ガンナイトガール』です。実を言うと私が記事中で度々エロゲーのダウンロード版をおすすめしているのは、おばあちゃんにエロゲーを畳まれた経験ゆえのことです。エロゲーの箱を置きっぱなしにしてはいけないのだ。これ人生の教訓と書いて心の傷と読むやつですね。
 記事書いていたせいで今更思い出してしまいましたが、そういえばあのとき別のエロゲーの抱き枕も部屋に置いていました。というか今もあるけど。もーーーだめだ。何も考えとうない。

 そんなわけで、私が記事内でダウンロード版をおすすめするところを見た時は「ああ、まーだ心の傷が癒えてないのね……。プークスクス!」と思って読むと少し楽しくなれるかもしれません。
 さて、話がかなり脱線しましたが、おばあちゃんに畳まれたエロゲー『ガンナイトガール』の紹介でした。萌えゲーアワードのシナリオ賞金賞を獲ったタイトルなのでクオリティは保証付き。好みに合えば真っ当に楽しめるゲームだと思いますよ。そうそう、ダウンロード版もありますので、よければそちらをどうぞとおすすめしておきます。

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