とんがりギャルゲー紀行 第67回:にとうしんでん

先週は休んでしまって申し訳ございませんでした。たぶん風邪だと思うのですが、熱を出して寝込んでいました。もうすっかり回復したので、本日はとんがったゲームを紹介していきますよ。

今回紹介するのは、ゲーム界のポリゴン黎明期に登場して人気を集めた対戦型格闘ゲームシリーズ『闘神伝』の番外編、

『にとうしんでん』

デフォルメされた『闘神伝』のキャラクター(+オリジナルキャラクター)が登場する、ゆる~く遊べる対戦型格闘ゲームです。2頭身キャラが暴れる『闘神伝』だから『にとうしんでん』。3頭身に見えるけど『にとうしんでん』です。ハードはプレイステーションでリリースは1996年。

実写のオープニングムービーはゆるくないですけどね! ちなみに動画の撮影前後に撮られた写真は攻略本に掲載されていたはずです。本は実家に置いてきたのでうろ覚えですが、ソフィア役の外国人女性がメイクされていたり、本作オリジナルキャラクターであるバイフー役の男性の身体に複数人で模様を描くというなにやら耳なし芳一じみた光景も見られますよ。

というかなんで終始暗いとこで撮ってるんでしょうね、このムービー。おかげで画像が選びづらいったら。

「これはギャルゲーじゃないだろ」と言う方もいらっしゃるでしょうが、タカラが『闘神伝』で人気の男性キャラクターをほぼ出さず、カイン(金髪の男性キャラ)よりもトレイシー(トンファー使いの女性キャラ)を優先して出すよう要求したそうですし、メインを張っているキャラクターがポリゴンでカクカクのパンツを惜しげもなく見せまくってますし、メインキャラクターの担当声優が操作説明のムービーにがっつり出ていますので、『にとうしんでん』はとんがりギャルゲー紀行的にはギャルゲー(たぶん)と認定しました。そういうことで、ご容赦頂ければ幸いです。

メインキャラクターのリカ。スクショを撮るタイミングを外してますが、この一瞬前にパンツが見えます。
トレイシーと対戦する前のロード画面。1Pモードでは次の対戦相手がロード画面に登場します。

ちなみにゆるいのは内容のほうですね。対戦型格闘ゲームで必殺技を出すときはコマンドを素早く入力する必要があるのが普通ですが、この作品では徹底して難易度が下げられていて、ボタンひとつで(あるいは複数同時押し)だけで技を出すことができるのが特徴になっています。通常技はすべてキャンセル可能で、普通の対戦型格闘ゲームのようにボタンを連打していると技がキャンセルされまくってキャラがビクンビクンします。素早く入力するのではなく、技のタイミングを把握してリズミカルに入力するのがこのゲームでは基本テクニックとなっているんです。

基本は以下の通り。

  • △:縦攻撃
  • □:横攻撃
  • 〇:突き攻撃
  • ×:足払い

Rボタンを使った攻撃もあり、体力が減った状態でR1・R2ボタンを押すと秘伝必殺技も発動できます。リングアウトの概念がなくガードもありませんが、L1・L2ボタンを使って側転で攻撃を躱すことができ、敵の攻撃を弾いて短時間硬直させる「はじきかえし」も可能。単純に簡単なだけでなく、対戦型格闘ゲームをあまりやらない初心者にも攻防が楽しめるシンプルなシステムになっているんです。

作風が違っているのは、シリーズのほか作品とは開発が異なっているのが影響しているのかもしれません。今更ですがちなみに開発はジャパンヴィステック、発売はタカラ(現:タカラトミー)です。

はじきかえしに成功すると相手は短時間硬直するので、あえて相手に先手を譲るのもいいでしょう。対戦でも読みあいが楽しいですよ。
エイジの必殺技「裂空斬・タコ」。タコさんウィンナーを飛ばして遠距離攻撃します。
リュウジ(CV:子安武人)のソニックブレード。サッカーボールを蹴ってぶつける技です。技……?

また、技のキャンセルなども簡単です。簡単な操作で技が出るので、技の発動中にまたボタン入力すると、元の技が途中で止まり、改めて入力したほうの技が発動するんですよね。なので、昇竜拳ですら覚束ないユーザーにはとっても遊びやすいシステムです。独特すぎたのか簡単すぎたのか、ソフトの評価は賛否両論だったようです。『闘神伝』から出ているキャラクターのセレクトが女性中心で男性の人気キャラクターが出ていなかったのも理由だとか。先ほども書きましたが、カインを出す予定はトレイシーを出すために見送られたそうですし。

タカラの推し(?)キャラであるトレイシーは1Pモード(「大会参加」と表記されているモード)では最初の対戦相手。
エリスの秘伝必殺技。ソフィアは「触ってもいいのよ……?」とか言いながら誘惑し、近づいた対戦相手を攻撃する卑劣な秘伝必殺技を使います。

筆者はこのゲーム好きだったんですけどね。ゲーム自体のコミカルな空気感もいいですし、能天気なほど明るい声で「にと~~しんで~~~ん」ってタイトルコールするのもいい。操作に馴染めばするっと遊べるし、BGMも結構いいんですよ。

ストーリーは『闘神伝』の学園パロディのようなものなので、3歳以上年が離れているキャラクターも当たり前に同じ学園に所属しています。なので設定の都合で留年してるヤツがいます。対戦相手より先に親を泣かせてますね。

内容は同じ学園に所属する『闘神伝』キャラクターが学園祭で好き放題しまくったせいで波乱が起き、事態解決のために(あるいは我を通すために)戦うといったお話。シリーズものということもありキャラクターの個性がはっきりしているのがいいですね。

エリスのステージはコンサート会場のステージ上。

攻略本か説明書を読んだ記憶では(曖昧ですみません)エイジは学園で思う存分食い倒れする予定で、エリスはコンサート開催を計画、風紀委員のトレイシーが取り締まりを口実に暴れていたはず。好き放題している彼らを真面目ないい子のリカがピコピコハンマーで止めようとしており、リカに気がある青龍刀使いのリュウジ(こちらもオリジナルキャラ)が手伝いをしようとしている……といった感じだったかな。

こんな風にそれぞれの思惑がはっきりしています。エンディングがそれぞれにちゃんと用意されているので、誰を使ってクリアしても楽しいのがいいですね。

エイジのエンディング。エンディングでは基本的にキャラクター同士が絡むので関係性が見えます

ちなみにメインキャラクター「リカ」の中の人である高橋里華は操作説明のムービーにも登場しています。なにやらリカちゃんは猛プッシュされているなーと感じましたが、残念ながら『にとうしんでん』オリジナルのキャラクターはほかの作品に出ていないようなので、本作限りの登場です。

操作説明はムービーになっており、高橋女史が遊び方を教えてくれます。独特な操作感のゲームですから、丁寧な説明はありがたいですね。

あと、隠しキャラクターとしてヴァーミリオンも出ています。学園にたびたび出没する謎の男というミステリアスな設定ですが、ロード画面でネズミにごはんを分けてあげているのが可愛らしいですね。

果たし状なのにめっちゃ丸文字……!

ストーリーモードでは条件を満たすと最後の対戦相手として出現し(スタッフロールの後に↑の果たし状が届く)、2P対戦モードでは隠しコマンドを入力すると使用キャラクターに追加されます。秘伝必殺技が広範囲の遠距離攻撃なので、わりと理不尽レベルで強いです。

ヴァーミリオンは銃から大量の画鋲を撃ちだす秘伝必殺技を使います。CPUでも皆秘伝必殺技を躊躇なくバンバン使ってくるので注意。

筆者が従兄と遊んだときは、隠しコマンドを教えず自分だけヴァーミリオンを使って一方的に攻撃したので、仕返しにくすぐり倒されました。ケンカになるかもしれないのでそういう卑怯な真似はしないようにしましょうね。漏らしかけますから。

『闘神伝』とは雰囲気が大きく違っていますが、『にとうしんでん』はなかなか楽しいゲームです。自分としてもすごく好きな作品なので、興味を持たれたらぜひ触れてみていただきたいです。

それでは今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

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