とんがりギャルゲー紀行 第53回:たまご料理

さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。

今回紹介させていただくのは『たまご料理』

ボンびぃボンボン!(Bonbee!)が1995年にリリースした作品です。導入を最小限にしてエロいシーンをすぐ見られることをウリにしており、複数の独立したエピソードが全20話収録されたオムニバス形式になっています(正確には最後に解放される21話目があったような気がしますが)。

内容がまったく想像できないタイトルに最初は面食らいましたが、よくよく考えてみればたまご料理はポーチドエッグやスクランブルエッグ、エッグベネディクトなど色々ありますから、さまざまなジャンルの作品を収録した本作にはピッタリのものなのかもしれませんね。

ジャンルも舞台となる時代もさまざまですが、ちょっとインモラルな話が多めかな? という感じです。

ちなみにパッケージ裏に書かれていた言葉は以下のとおり。

常に業界のチャレンジャー、特攻隊長として新たなゲームデザインに挑戦し続けてきたボンびいボンボン!が

またしてもやってしまいましたっ! 業界初、前人未到のオムニバス『たまご料理』が登場しました!

3話? 5話? 8話? 「はっ はっ は!」

「甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘ィィィィィィ!」

聞いて驚くなかれこの『たまご料理』そんじょそこらの

オムニバスじゃあないよ! つまんないシナリオとヌケない

絵がいくらあっても

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

てまワケで物語のまさに見たいクライマックスの部分からイキナリドッカーン!と始まってしまう

全20話のオムニバスなのだ――!

さぁズボンを降ろせ! ティッシュは用意したか? さぁイクぜ!

「オラ! オラ! オラ! オラ! オラ! オラ!」

ジョジョ好きなんですかね?

ちなみにこちらがエピソードの選択画面。コメディ作品も収録されているのですが、妙にダークな雰囲気が漂っていますね。絵では伝わらないでしょうが、BGMもエクソシストっぽいのが流れています。怪しげな書斎イメージ演出なのでしょうか。ちなみに右側のオーディオ機器はただの背景ではなく、これを操作することでメッセージウインドウの種類やテキストの表示スピードを変更できます。

それにしても、ゲームの中と外でテンションの差がすっごいな。

本の裏表紙に何も書かれていないからどれが何やらわかりませんが、PC-98版は本棚の下段右端にある本にあるタイトルリストを見ればなんとなく把握できるはずです。上段左端からZ字順に見ていけばタイトルリストにある通りの順番でエピソードが見られるので。たまご料理95とDOS版はPC-98版とはエピソードの並び方が異なっているようなので、あくまでPC-98版の話ですよ。

タイトルリストはこんな感じ。

不治の病にかかった男の話や宇宙海賊モノ、幽霊モノなど、時代も場所もジャンルも異なる話が揃っているので、どれかひとつは琴線に触れるものがあるかも? 基本はオリジナルキャラクターたちが登場する短編エロマンガをゲームしたかのような作品が多いのですが、中には徳川家康が捕らえたくのいちと馬上で合体したまま「決戦、関ヶ原!」みたいなとんがったお話も収録されています。どうにもモザイク率が高くて画像をお見せ出来ないのが残念ですが、気になったらプレイしてみてくださいね。

シナリオと原画も複数人が参加していて、特に原画陣は豪華です。

1人につき1~3のエピソードの原画を担当したようです。

樋上いたるとは、意外な方が参加していますね。いや、ボンびいボンボンとkey(本作リリース当時は開発室の設立前ですが)は同じビジュアルアーツ系列ブランドなので参加していてもおかしくはないのですが、触手やらSMやらが出てくるゲームのイメージがなかったのでちょっと驚きました。

ちなみに各エピソードは好きな順番にプレイできます。エピソード選択画面で本をクリックすると、

こんな感じであらすじが出るので、読み進めるを選ぶとその話を読むことができます。

ゲーム中に選択肢が出るものもありますが、基本的に何を選んでも話が進むので攻略に苦心することはありません。「お手軽にエッチなシーンを」というコンセプトどおりの内容となっており、すぐにエッチな場面に移りますし。

こういったゲームデザインは「AV冒頭のインタビューなんかいらないんじゃい!」派の方には特に合うと思うので、興味が出たらぜひ遊んでみてください。会社や学校で「週末なにしてたー?」とか電話で「今なにしてたー?」と聞かれたときに「たまご料理だよ」と堂々たる返事をしても、大胆なセクハラとは誰にもバレないどころか家庭的アピールになるのでおすすめです。

しかしこれ、エピソードを選択するたびにフロッピーディスクの入れ替えを求められるのが難点ですね(枚数は5枚)。あらすじを軽く確認するだけのつもりがフロッピーの入れ替えを求められ、読み進めようとするとまた入れ替えを求められ……と入れ替え回数が特に多いので、ダウンロード版やディスク1枚のみのゲームに慣れきってしまった身には地味にストレスでした。おそらく、オムニバス形式はエピソードの決まった視聴順がないため、ストーリーのある作品と比べて入れ替え頻度が高くなっているのではないでしょうか。現在はFANZA(旧:DMM.R18)やDLsiteなどでダウンロード版が販売されていますので、ストレスフリーに遊びたいならそちらをプレイするといいでしょう。

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