とんがりギャルゲー紀行 第82回:ラブひな 愛は言葉の中に

さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。

今回ご紹介するのは赤松健のマンガ『ラブひな』を題材としたゲーム、

作画はアニメ版ではなく原作準拠のようです

『ラブひな 愛は言葉の中に』(2000年9月28日/Playstation)

『ラブひな』を知らない方のために簡単に説明すると、小さい頃の約束を果たすために東大を目指して二浪中の青年・浦島景太郎が祖母の経営する女子寮「ひなた荘」の管理人をすることになるというお話です。女の子とたびたびラッキースケベに遭遇しては吹っ飛ばされる不死身(?)の主人公と、2ページに1回はパンチラが出るお色気要素が見どころな1作。この作品で出てくる京都神鳴流が同じ作者によるマンガ『ネギま!』『UQ HOLDER!』にも出てくるので、設定は繋がっているようです。

と、ゲームの説明に戻りますね。

この作品は、ポケットステーションを使ってゲーム内で使える言葉を集め、入手した言葉のペアができるとその言葉に関わるエピソードを見ることができるアドベンチャーゲームです。

集めた言葉をひなた荘の住人である「なる」「しのぶ」「カオラ」「キツネさん」「素子」のそれぞれの部屋で組み合わせると、部屋の主がメインの話を閲覧できます。エピソード閲覧中は主人公含む全員フルボイスの豪華な内容がオートで流れます。原作の絵と雰囲気を再現したお話の数々は、ファンであれば十二分に楽しめるものとなっています。

パンツを見てないのにぶっ飛ばされる不具合

おそらくヒロインのパンツが見えたであろうイベントでも肝心な部分が見えないという不具合はありますが、そこはコンシューマゲーなので仕方がないですね。

ちなみに言葉の入手方法はリモコンの赤外線を受信したり友達と言葉を交換する赤外線通信とミニゲームのじゃんけんに限られており、いずれもポケットステーションを必要とするためポケットステーションは必須となっています。

懐かしのポケットステーション
ゲーム起動時に注意が出ます
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実際、プレイステーション本体でゲームを起動する際はポケットステーションのチェックと言葉の組み合わせ探し、エピソード閲覧くらいしかすることはありません。一応、パスワードを入力しても言葉をゲットできますが、攻略本や当時の雑誌に掲載されているものを見る必要があります。普通にプレイするなら赤外線通信かじゃんけんを行わなくてはならないわけですね(じゃんけんは連勝数で入手できる言葉のレア度が変わる仕様だったはず)。

しかしながらゲーム中で鑑賞できるエピソードは数多く、収録イベントCGも130枚を超えているわけで(おまけ画像も含む)、家にあるリモコンのボタンすべてを使ってもそうそう言葉は集めきれません。

選択画面ではキャラクターの表情が変化し、あれこれとしゃべったりします

筆者もプレイした当時はポケットステーション片手に赤外線を求めてあっちへウロウロこっちへウロウロ、哀しき赤外線乞食と化していたわけですが、それでもエピソードを見られるワードのペアが全然出来上がらないんですよね。やっとこさ出来てもひなた荘の住人が内容不明の映像「教頭の地獄突き」を見てリアクションするだけの話だったりすると流石にがっくり来ます。

言葉が見つからない。

というと語弊があるけど本当に見つからない。親戚の家でもピコピコしたけど見つからない。正確には見つかってもダブりまくるのです。
CD/MDコンポのリモコンはボタンがいっぱいあったのでちょいちょい数は稼げましたが、それでも埋まり切らないのです。あと札幌だと家にエアコンがないせいで自宅のリモコンが本州の家より少ないんですよ(札幌のすべての家にエアコンがないわけではないが、少なくとも2000年初頭の筆者の周辺において金持ちの家以外では見かけなかった)。道民はほぼ確定でリモコン1個分不利になるの、とっても悲しい。

愛が言葉の中にあるというのなら、言葉が見つからないプレイヤーが感じていたのは孤独でしょうか。

せつない。

各エピソードは面白いし数も多いし、イベントCGも先ほど書いた通り130枚以上あってボリュームはあるのですが、普通にプレイしてそれをすべて見られるかというとほぼ赤外線次第なわけで……。プレイ当時は諦めて攻略本を購入し、パスワードをちまちま入力してエピソードを解放しました。

それでもレア度最高(ランク10)の言葉は攻略本にも載っていないんですよね。確か攻略本には当時のゲーム雑誌にパスワードが載っているとか書いてあったはずなんですが、ポケットステーションだけじゃ絶対に埋まらないってことですかね? 発売後しばらく経ってからゲームショップでふと手に取ってしまった人間は敗北確定です。というか攻略本なのに攻略情報載ってないとか不信感湧きます。雑誌の販促を兼ねていたんでしょうけど、ちょっと納得いきませんよね。ネットで探せばランク10の言葉のパスワードもあっさり見つかりますけど、なんだかなあという感じです。

他の版権もののゲームではずれを引いた経験をしたばかりだったこともあり、本作のプレイ時に心が折れて「もう版権もののゲームは信用しない! 買ってやんない!」と筆者は心に決めたのでした。

そして3日後にこれを購入しました。

同様のシステムを採用した続編です。

障子の紙のように薄い決意でしたね。だって話自体は面白いから続編も欲しくなってしまって。中古で安かったし。
上の口ではどうこう言っても財布の口は正直ってところでしょうか。

ダメダメじゃねえか。

といった感じで、本作は文句を言いたいところもありつつ、なかなか魅力に溢れた作品です。『ラブひな』や赤松健作品が好きなら買ってみてもいいかも?

折檻画像も10枚以上と充実しています。こんなに折檻画像が充実してるギャルゲーなんてそうそうない。

さて、今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

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