とんがりギャルゲー紀行 第43回:催眠学級

ここ2回ほど美麗グラフィックでキラキラした作品が続いたところで落差を感じるかもしれませんが、今回はまた違う方向にとんがったゲームを紹介していきますよ。今回はCGのモザイク率が高すぎてエッチなCGを載せにくいですが、構わずいきます。

今回ご紹介するのは『催眠学級』です。

2009年にM no VIOLETがwindows向けにリリースした美少女ゲームです。

この作品はタイトルにある通りいわゆる催眠モノで、おおまかに説明すると主人公が催眠の力を使ってクラスメートたちにいろいろするという話です。ここまでなら催眠モノの王道をゆく感じ聞こえるでしょうが、肝心の催眠の内容がちょっぴり突飛で話題を集めました。

それが逆立ちです。

本作には「クラス全員に逆立ちで生活するのが普通」という認識を植え付け、逆さのまま学生生活を送らせるという展開が用意されているのです。

▲インド人もびっくりなヘンテコ青春ライフの1ページ。一般的な作品ではヒロインの上半身だけが表示されるので、ゲーム中に立ち絵の下半身部分を見られるのは貴重ともいえます。

催眠モノの常識改変といえば「男根から水分補給するのは普通」とか「セッ○スは挨拶」とか、エロに絡めたものであるのが普通(?)だと思うのですが、この作品ではそういったごく一般的(プレイとしてはもちろんイカれてる)なプレイに加えて逆立ちなる異様な常識改変を行うことが可能です。

▲誰とのイベントを進めるかの選択画面。催眠が進むとクラスメートたちの体が左右にぐーらぐーら揺れます。最終的に左右それぞれに80度くらい揺れるのかな? クリック選択にミスして別の子をつつきそうになるのがちょっと笑えます。

ちなみに主人公はごく普通に歩いているので、「なんでお前はみんなと違って逆さなんだ?」と変なやつ扱いされます。しかしながら彼らの新たな常識を植え付けたのは自分なので、「変なのはお前らだろ!」とツッコみたくてもツッコめません。つらい。

エロ系常識改変プレイがそれぞれひとつのエッチシーンの中くらいでしか描写されない(作中では継続して催眠をかけられているのかもしれないが)見られないのに対し、逆立ち状態は数日間に渡って継続するという逆立ちに対する不可思議な優遇がなんだか面白い。

ついでに言うと、この逆立ちプレイを実行すると催眠状態が解けやすくなるらしいのです。主人公はプロとして級友に催眠をかける依頼を遂行しているのですが、仕事の進行を遅らせるのも構わず逆立ちさせるという主人公の逆立ちに対する謎の愛を思うとなんだか笑えてきます。

▲ストーリーを進行すると逆立ちをさせるか否かの選択肢が出現します。しない方を選んでも「まだ」と表記されているあたり、逆立ちさせるのは決定事項なんですかね?

話としてはごく王道だけど、ちょっとしたとんがりっぷりが面白い。そんな『催眠学級』は、個人的におすすめしたい一作です。催眠モノとはいえハッピーエンドもあって陰惨な空気感はありませんし、ヒロインたちに彼氏や気になる男子がいるという設定や、男子にも催眠をしかけて寝取る展開も(寝取り描写は薄いですが)なかなかです。ライトでトリッキーな催眠モノを遊んでみたいという方は、ぜひ本作をプレイしてみてください。

当記事に関連する商品紹介