とんがりギャルゲー紀行 第28回:お兄ちゃん受信中

今回は美少女ゲーム界に電波を巻き散らした異質なメーカー「超空間(ハイパースペース)」の作品『お兄ちゃん受信中』を紹介します。

DVD-PG版パッケージ画像。

もうタイトルからしてとんがってます。怪しい雰囲気がしまくりですね。

しかしながら超空間は毎度ぶっ飛んだシナリオ、複数作品にわたって原画使いまわし上等という数々のおかしな特徴で知られているブランドですから、この『お兄ちゃん受信中』がブランドの中で特別とがってるのか、それともさほどとがってないのかは謎です。

とりあえずパッケージに書かれたあらすじを見ていきましょうか。

上司の娘と、その親戚の娘。
2人を前にすると、頭の中に「声」が聞こえるんだ。
…さあ、今日もお兄ちゃんがいぢってやるぜ。

おしおき、いたずら、変態プレイ
縛る、こする、押しつける!
電波なお兄ちゃんは、今日も何かを受信中!

※挿入は最後までなし。
2人のロ〇っ娘をひたすらいぢる仕様となっております。

要は交通事故をきっかけに変な電波を受信するようになったお兄ちゃんが、電波の指令を受けて上司から預かった娘たちに変なことをするというお話です。

本番プレイはなし、とはいっても他所から預かったお嬢さんにしてはいけないことばかりしているのであまり意味のない予防線ですが。

この『お兄ちゃん受信中』は、『はじめてのおるすばん』のヒット後に雨後のタケノコのごとくロリ系ゲームが現れたころ、流行にのってリリースされたゲーム……のはずなんですが、「なんで竹林にラフレシアが咲いたの?」ってくらい異質です。小さい女の子ときゃっきゃする話が流行っている時期にどうして怪電波ゆんゆんなお話を作ってしまったのか……。大きなお友達向けというより、大らかなお友達向けという感じですね。

本作はタイトルに違わぬ電波っぷりでありまして、主人公であるお兄ちゃんの奇行がとにかく愉快です。

  • 昆虫採集を手伝うためにいきなりヒロインの目の前で放尿する(糖尿なので虫がたかります)
  • ペットボトルロケットの代わりにヒロインを蛇口に装着して水の勢いで吹っ飛ばす
  • 虫の気持ちになるためにといってヒロインの尻に懐中電灯を挿し、蛍の真似をさせる
  • 脈絡なく女体盛りを要求する
  • 料理中にダシを取るためといってヒロインの涙を採取しようとする

上記は奇行のすべてではなく一例です。本編は1時間くらいでプレイできるボリュームなのですが、他にも色々やらかしているのだと言えば彼のイカれっぷりがご理解いただけることでしょう。

この2人の少女たちが今作の犠牲者。とはいえ、彼女たちも色々アレです。

スプラッター映画を鑑賞して(主人公が強制したのではなく自主的に)血を見て大喜びしたり、ルートによってはお兄ちゃんの奇行に怒ってアレを取ってしまったり、ペットボトルロケットのように山向こうまで吹っ飛ばされても当たり前のように生還したりします(その上でお兄ちゃんをバッドエンドに追い込む)。

性に無知なだけで、お兄ちゃんの相手にふさわしい大層なタフガールなんですね。声優さんが棒読み気味なのも彼女たちの動じない雰囲気を作るのに一役買っています。慌てたり戸惑ったりというリアクションはしますが、お兄ちゃんを嫌うことは基本的にないのもすごい。

吹っ飛ぶヒロインの図。尻にぶっ刺した蛇口はその後洗ったのかどうかが気になります。

「ほら泣け」と促される被害者の図。確かこのダシでラーメンを作ろうとしていたはず。実は同メーカー作品の『やきにくくりぷうぴ』でも主人公とヒロインが似たようなことをしています。あれは焼肉をつける塩だれを作ろうとしていたんだったかな……。つまりこのイベントは超空間的には平常運転ということですね。

モザイクがある画像を避けているので、今回はあまり画像を載せられませんね……。尻に懐中電灯を挿されている奇怪なイベントCGを見たい人は、本編を買うかこのゲームの記事が載っている「THE地雷エロゲー」をチェックしましょう。

電波に従ってヒロインたちを雑に扱ってばかりいるとバッドエンドに行きますが、特に悲壮感はなく笑って見られます。

ヒロインは2人いますが個別エンドはなく、バッドエンドに分岐するかしないかという感じです。ハッピーエンドでは「優しいお兄ちゃんが変になるのは電波のせいだからなんとかしなくちゃ!」とヒロインたちが奮起し、主人公の頭にアルミホイルを巻いて電波の遮断に成功します。奇行の原因がなくなってめでたしめでたし!

……主人公は一生アルミホイルを巻いて生きていくんですかね、これ。

 

上でも書きましたが、これでも超空間レーベルの中でとびきり頭がおかしい話とも言い切れないのがまた……。『お兄ちゃん受信中』は竹林に咲いたラフレシアでありながら、超空間的にはメラなんですね。世界は広いなあ。

本作がロリコン向けかというと疑問が残りますが、ギャグ作品としてはなかなか良い作品です。ワンプレイにそれほど時間もかかりませんし、笑いたいときに遊ぶといいのではないでしょうか?

それでは今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

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