とんがりギャルゲー紀行 第32回:HARD社の社長が社員に面白いと認めさせたクイズ第1弾、君も成田へ行って勝手にジャンケンをしよう

さて、今回はメガドライブパーフェクトカタログ発売記念に、メガドライブと同じく1988年発売のゲームを紹介していきますね。メガドライブ関係ないやつですけど。

今回紹介するのは『HARD社の社長が社員に面白いと認めさせたクイズ第1弾、君も成田へ行って勝手にジャンケンをしよう』

『はっちゃけあやよさん』シリーズで知られるハード社の作品で、PC-8801SR、PC-9801VM、X1、MSX2向けにリリースされました。1988年というと、あやよさんシリーズが生まれる1年前ですね。

タイトルなっがいですよね。これ、2000年までの美少女ゲームでは最長だったはずです。現在ではタイトルがやたら長い美少女ゲームは数多く存在しますが、当時は短くキャッチーなものが主流だったので大変とんがった存在でした。「ニューヨークへ行きたいかー!?」の司会で有名だったアメリカ横断ウルトラクイズのパロディと思われるタイトルですが、「勝手に」とついているところに「ニューヨークへは行かせられないけどジャンケンは好きにやっていればいいんじゃないの」といういい加減な意志が感じられます。

現在の最長は100文字強のタイトルだったかな? これでも別に美少女ゲームのタイトルだけが特別おかしいわけではないのが恐ろしいところ。たとえば、ダリの絵画『ペルピニャン駅』は世界一長いタイトルの絵画として知られていまして、正式名称は『”ポップ、オップ、月並派、大いに結構”と題する作品の上に、反重力状態でいるダリを眺めるガラ、その画面には冬眠の隔世遺伝の状態にあるミレーの晩鐘の悩ましげな二人の人物が認められ、前方にひろがる空は、全宇宙の集中するペルピニャン駅のまさに中心で、突如としてマルトの巨大な十字架に変形するはずである。』といいます。訳によって変動しますが、300文字を突破しているとかイカれてますよね。元はスペイン語だったはずですが、どっちみち長い。ちなみに絵画自体も296×406センチとまあまあでかいです。この話題を続けると話まで長くなっちゃうのでここには書きませんが、小説ではロビンソン・クルーソーの原題もやたら長いタイトルとして知られています。気になる方は調べてみてください。

しかし、絵画はともかく美少女ゲームに寿限無じみた長いタイトルを使うのはどうなんでしょうね。「さあ今日は『HARD社の社長が社員に面白いと認めさせたクイズ第1弾、君も成田へ行って勝手にジャンケンをしよう』を遊びたいな。『HARD社の社長が社員に面白いと認めさせたクイズ第1弾、君も成田へ行って勝手にジャンケンをしよう』を起動しよう」と思っている間にエロの波動がどっかにいきそう。18禁落語……? 新ジャンルですね。

長いタイトルで思い出しましたが、オーバードーズ(ルネ系列ブランド)のゲームは長いタイトルを起動するたびにヒロインのボイスで読み上げてくれるんですよ。これが個人的にとても好きでして、『美脚性奴会長亜衣「こ、この変態!私のタイツになんてことを……!」』とか、『強引にされると嬉しくて初めてでもよく喘いじゃう令嬢な幼馴染 優衣「やめて、脚に触れないで……でも本当は気持ちいいの」』とか、サブタイトルのセリフ部分まで感情込めて読んでくれるのが楽しくてアイコンをつつきまわした覚えがあります。

『美脚性奴会長亜衣「こ、この変態!私のタイツになんてことを……!」』の方はCV:かわしまりのと筆者が好きな声優でしたので、ついでにかわしまりのボイスが聞ける別の美少女ゲームをいくつか一緒に起動して、同時にシーン回想をする遊びをした覚えがあります。情報量多すぎてちょっと頭おかしくなりそうだったからすぐやめたんだったかな。聖徳太子ってすごい人だったんだな。そうそう、『美脚性奴会長亜衣「こ、この変態!私のタイツになんてことを……!」』は美少女のご尊顔をガン無視して美脚を眺めながら会話できる「脚視点」への切り替えシステムがユニークで、これも含めてお気に入りでした。おすすめです。

閑話休題、この『HARD社の(以下略)』はクイズに正解すると女の子が脱いでくれるゲームで、タイトルはともかく内容は当時よく見られたものになっています。

ルールは上画像の通り。

クイズに不正解すると、女の子を脱がしきれないまま次の娘へと画像が切り替わってしまうので注意。この当時にはクイックセーブなんて便利なものはありませんでしたので、知力(というより暗記)で勝負せねばなりません。

脱がせようと脱がせまいと、ゲームは淡々と進んでいきます。タイトルが「社員が面白いと認めた」ではなく「社長が社員に面白いと認めさせた」だからなあ……というわけではなく、ご褒美CGを目的としたゲームは大体こんなものです。

体操着、制服、水着、毛布一枚といろいろな服装の女の子が登場します。

段階を踏んで脱いでいくのではなく、正解したらすぐ全裸です。差分より女の子の数を重視したのかもしれませんね。

ここには載せていませんが、当時はしっかりモザイクをかける時代ではなかったので肝心な部分はほぼ無修正です。一応、薄い白色の四角に囲まれているのですが、見えちゃってます。

以上、中身はごく普通ながらタイトルがとんがった美少女ゲームの紹介でした。本作は第1弾となっていますが、いまいち人気が出なかったようで第2弾は出ませんでした。出てたらもっと長いタイトルになっていたかもしれませんね。

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