第28回:自作の音楽ディスクに画面をつけよう!その①

念願のX68000と比肩する強力なMMLであるNEW FM音源ドライバーを手にした私ですが、当然のことながらそれまでX68000用に掲載されていたベーマガのミュージックプログラムを片っ端からX1に移植し始めます。

まあ、もともとX68000のMMLに準拠して作られたものなので移植といってもそう難しいものではなく、あれよあれよという間に私のフロッピーディスクの中には音楽プログラムが増えていきました。この辺は、当時のX1ユーザーは皆さんほとんど通ってきたようで、後に出会ったX1ユーザーの方々に聞いても「同じことをやってた」というリアクションが帰ってきましたね。

では、私自身もそのままDTM系ミュージシャンの道に進んだのかというと、さにあらず。次第に違う道へ熱を上げることになるのでした。

PCGで画面を表示させよう

私がX1Gを入手したばかりの頃に、オールアバウトナムコを見ながらドット打ちをしていたのは以前にも触れたと思いますが、せっかくだから「FM音源で流れている音楽に絵を付けてみたい」と考えるようになります。

しかし、NEW FM音源ドライバーは音源用のメモリ領域としてグラフィックVRAMを使用しているため、グラフィック画面を表示することができません。そこで考えたのは、X1特有の機能であるPCGを使って何か簡単なものを表示してみよう。これがすべての始まりでした。

打ち込んだ楽曲はほとんどがアーケードゲームのものなため、320×200ドットでは明らかに見劣りします。そこで、PCGを大量に消費するのを承知で画面はいずれも640×200ドットモードにして、文字1文字表示するのにもPCGを2パターン消費するという贅沢な仕様で画面を作り始めました。ドット打ちの参考にしようにもアーケード基板の現物を持っているわけでもなく、全部ベーマガやゲーメストなどの雑誌に掲載された画面写真が頼りです。それでも、できるだけ雰囲気を似せた画面を作って、表示させたときには嬉しかったですね。

ちなみにX1のPCG機能は8×8ドットのデジタル8色を256パターン持てるという代物で、さっき説明した通り、1文字に2パターン使うとアルファベット26文字だけで52個消費してしまいます。結果的にあまり大きなキャラクターは作れず、全体的にベタ塗りに近い画面にはなってしまいました。参考までにパターンテーブル数はファミコンで512個、メガドライブで2048個持てる(しかも上下左右反転機能あり)ため、それらゲーム機に比べるとX1のPCGはかなり制約が多いですね。それでもPCGがあるだけ、同時期の他社ホビーパソコンに比べればかなり有利だったのですが。

『バブルボブル』みたいな8×8のピースで構成された画面であれば比較的再現しやすかったですね。

PCGを切ると、元のテキストが表示されて正体がバレてしまいます(笑)

音楽はあくまで投稿された方々が作成されたものなため、今回は動画にせず私が打ち込んだ静止画のみの紹介とさせていただきます。作った数が多かったため、次回も引き続き自作音楽ディスクの画面を紹介しますね。

当記事に関連する商品紹介

ABOUTこの記事をかいた人

1972年愛媛県松山市生まれ。アーケード、家庭用、PCはもとより美少女ゲームまで何でも遊ぶ、ストライクゾーンの広い古参ゲーマー。ただし、下手の横好きがたたり、実力でクリアできたゲームの数は決して多くないのが弱点。