とんがりギャルゲー紀行 第84回:乙女シリーズ 主人公ぱっち

さて、今回もとんがったゲームを紹介していきますよ。

本日取り上げるのは、ensembleレーベルの女装主人公だけが一堂に会するこのタイトル、

『乙女シリーズ 主人公ぱっち』

ensemleの公式サイトで期間限定配布されたダウンロードコンテンツです。

今は入手不可能ですが、シリーズが続いたおかげで再配布されたこともあるので、これから入手できるかは本編の人気次第といったところでしょうか。

ちなみに乙女シリーズというのは、訳あって女学園に通わなくてはならなくなった主人公が女装して学園に潜入するという、いわゆる女装潜入モノのシリーズです。

レーベルは違いますが、このジャンルでは『処女はお姉さまに恋してる』(通称おとボク)が有名ですね。声優は総入れ替えでしたが『乙女はお姉さまに恋してる』のタイトルでアニメにもなりましたし。そういえば、おとボクの企画書にもでかでかと「女装して女子高に潜入」というような言葉が書かれていたそうですよ。やはりこのジャンルはシチュエーションからしてインパクトがでかいですよね。最近ではこのジャンルの作品数も増えているので、個性の出し方がそれぞれ違っているのを見るのも楽しいですよ。

さて、乙女シリーズに話を戻します。

この主人公ぱっちの第1弾が出た時にはシリーズは3作品だけだったので登場人物は3人。それぞれ別の学園に通う主人公たちが、他校との交流会に参加する形で出会います。

主人公ぱっち1作目での登場キャラクターは以下の3作品の主人公。

  • 『花と乙女に祝福を』の主人公(CV:まきいづみ)
  • 『乙女が紡ぐ恋のキャンバス』の主人公(CV:桐谷華)
  • 『桜舞う乙女のロンド』の主人公(CV:彩月りん)

お互いの正体は知らないため、彼らは女の子の集まりに参加した罪悪感と初めて会う相手に性別がバレないかという不安を抱きつつ、互いに「キレイな人だなあ」とドキドキしています。

『主人公ぱっち』1作目のスクリーンショット

全員男なんですけどね。

女性声優が声を当てているので、見た目だけじゃなく声も完全に女の子です。

「女の子同士だし名前で呼び合いましょう」とか言ってキャッキャしているけど、

『主人公ぱっち』1作目のスクリーンショット

全員男です。

互いの本当の性別は知らないまま、なぜかシンパシーを感じた彼女(?)たちはすっかり仲良くなって連絡先を交換し、「女子会しようね!」とうきうきで約束していますけど、

実際は男子会です。

「1人だけ男でごめんね!」と全員が内心で謝りあっているという、シュールな男子会です。

このわたわた感を楽しむのが『乙女シリーズ 主人公ぱっち』なんですね。ゲームの本編のほうは極端にギャグによった内容ではないため、最初からずっと笑っていられる本作は、

本編より面白いのでは?

と思うほどです。いや、本編がなきゃこのパッチも生まれなかったんですけどね。

シリーズが続いたおかげでぱっちの続編ではメンバーが増えますが、やはり新メンバーも男なので、うっかりみんなで男子トイレに入ってしまい、慌てながらそれぞれわたわた言い訳、あるいはフォローをして「ふう、なんとか誤魔化せた!」とやりきった感を出したりします。

そりゃみんな男なんだからうっかり男子トイレに入っちゃっても違和感ないでしょうよ。このツッコミ不在な状況が笑えますね。

『主人公ぱっち3』のスクリーンショット
『主人公ぱっち3』のスクリーンショット

みんな男なだけに食欲が旺盛で、普段は食事量をセーブしている子もいるのですが、この女子会(?)では一緒に食事をとっても食事量が目立たず、「こんなに食べる女の子もいるんだ」「気を遣わずにごはんが食べられて気が楽だなあ」みたいなことを思っており、本物の女子といる時より無意識に気を張らずにいられるために皆そろって女子会を続けたがります。

傍から見ればバレちゃっても何も問題ないと思うんですけどね。本人は真剣なのです。

『主人公ぱっち3』のスクリーンショット
『主人公ぱっち3』のスクリーンショット

現在この主人公ぱっちはシリーズ新作が出ると毎回ではありませんがぱっちの新作も出ているので、今後も続けばまた女子会(?)が開催されるはず。そうしたらまたこのADVの再配布も行われるかもしれませんし、気になる方は乙女シリーズをぜひ応援してあげてくださいね。

女の子たちを騙す罪悪感を抱きつつ、さまざまなトラブルにわたわたし、徐々に女装への違和感をなくしていく女装主人公たちの活躍が見たい方は、ぜひ本編を買いましょう。シナリオはやはり『処女はお姉さまに恋してる』が飛びぬけて面白いのですが、ensembleは何作品もソフトの供給を続けてくれているので、女装主人公モノが好きな方にとってはありがたいブランドですね。

さて、今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

当記事に関連する商品紹介