とんがりギャルゲー紀行 第52回:かわいいペットショップ物語

さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。

今回紹介させていただくのは、タイトーがゲームボーイカラー向けにリリースした『かわいいペットショップ物語』

病気にかかったおばあちゃんの代わりに少女がペットショップを経営するシミュレーションRPGです。少女マンガ風の絵柄とタイトルからは女児向けのほのぼのした作品といった印象を受けますが、侮ってはいけません。

このゲームは年端のいかない少女が人々からの依頼を受けて野生動物を捕獲したり、地下室で薬を作ったりする、とってもとがった個性を持つ作品なのです。商売に必要なペットは捕獲するところから始めるだなんて、タイトルからはとても想像できませんね。

そもそも彼女がペットショップ経営を受け継ぐきっかけとなったおばあちゃんの病気も、歩いたり運動すると衰弱していくという恐ろしいものだったりと、女児向け作品のわりに設定が重すぎます。タイトル通りに見た目はかわいらしいのですが、ちょっと闇が深いんですよね。まあそこがシュールで面白いのですが。

町の外では歩数によって時間が経過して夜になると自動で野営するのですが、少女の姿が突然テントになるので「この子なんでブリッジしてんのかな?」と勘違いしそうになります。スカートとテントの模様が似ているのが原因でしょうか。

その辺にいる動物に触れると捕獲画面へ移行します。近づいて野生動物にえさをやったり、連れ歩いている動物と交流させて心を開かせると仲間になってくれます。人の手で生み出されたはずの品種が町の外をうろついているのはちょっと気になりますが、おそらくこの作品世界では野生で見つけてもおかしくないものなのでしょう。まさか人に捨てられて野生化しているなんてことはない、はず……?

まあタイトーは「ゲームクリアすると地球が真っ二つ」とか「そもそも母星を破壊することがストーリー上の目的」といったシューティングゲーム(どちらも名作です)を作ったりとたびたび地球を破壊するメーカーですから、仮に「物語の開始以前に実は一度文明が滅びており、人工の品種がいるのはその時に逃げたものが野生化したため」という裏設定が出てきたとしても意外ではありませんね。

ちなみにフィールド上には犬だけでなく、猫、うさぎ、あらいぐま、ミニブタなどもいます。犬や猫は多くの品種が登場しますし、砂漠や雪原など特定の地域でしか出現しない動物もいるので図鑑を埋める作業はなかなか骨が折れることでしょう。

小動物だけでなく熊やゾウ、キリンなど大型の動物も仲間にできます。仲間になった動物は自分で主人公のペットショップ裏にある牧場へ向かってくれる仕様なので、檻に入れられていない熊が主人公の自宅を目指して単独でやってくるなんて事態も起こります。ついでに言うと亀だろうとゾウだろうと同じ牧場の中で放し飼いです。ちょっぴりスリルを感じちゃうかもしれませんが、この世界の野生動物は基本的に人間や他のペットを勝手に襲うことはないようなので安心していいですよ。

そういえば熊の話で思い出しましたが、北海道にあるのぼりべつクマ牧場では推しの雌ヒグマに投票する「NKB総選挙」なるものがここ7年ほど開催されているそうです。リアルで熊と遭遇したくはないけれど、総選挙があれば投票したくなり、ゲームに登場すれば攻略してみたくなり、食卓に上がれば食べてみたくなる……。人の好奇心には果てがありませんね。

ちょっと話が脱線してしまいましたがゲームの話に戻りますね。

本作の目的はあくまでペットショップを立派に経営していくことなので、動物の捕獲は業務の一環に過ぎません。客の依頼を達成してお店の信頼を獲得していくことが大事なんですね。

依頼は店に来た客に頼まれた際や、掲示板に書かれたものを引き受けることで受注できます。期限が来ると店にいるロボが迎えに来てくれるので、外にいてもうっかり帰り損ねることがないのはありがたいですね。ついでにペットを預かる依頼はこのロボに丸投げして放浪できます。

先ほども言いましたが、薬を用意する依頼もあります。町の外で材料を拾ってお店で調合……なんだかアトリエシリーズみたいな要素ですね。

依頼の中には、町の外れで開催される大会でペットを勝たせなくてはならないなんてものもあります。

ここまで言わずにいましたけど、ペットショップの仕事じゃないことばっかりしていますね。少女は時によって姿を変え、ある時は狩人、またある時はブローカー、またある時は錬金術師、またある時はペットシッター、またある時はブリーダーとなるわけです。こんなに多彩な作品はゲームボーイカラーでも珍しいのではないでしょうか(『2』もあるので唯一ではありませんが)。タイトーの作品ゆえかBGMもよく、バカゲーとしてでなくても完成度の高い作品といえるでしょう。

それでは今回はこれにて。また次回もよろしくお願いします。

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