とんがりギャルゲー紀行 第51回:ハートビートスクランブル

こんにちは。本日もとんがったゲームを紹介していきますね。

今回紹介するのは『ハートビートスクランブル』

イマジニアがセガサターン向けに1996年にリリースした作品で、高校1年の入学時~卒業までの学生生活を楽しみ、女の子と仲良くなるために頑張るというよくある設定のゲームです。育成項目はありませんが、学校生活の雰囲気はどことなく『ときめきメモリアル』っぽい。

この作品のどこがとがってるのかは、グラフィックを見ればすぐにわかることでしょう。

このように、実写映像を立ち絵やイベントシーンに使っているんです。実写映像をゲームに使うこと自体は否定しませんが、ギャルゲーには向いていないのでは……?

キャストの実年齢は存じ上げませんが、主人公の友人や同級生がまったく高校生に見えないのはどうなんでしょう。いっそ社会人設定にしてオフィスラブをするゲームにしたほうがよかったかもしれませんね。とはいえ、本作にも社会人のヒロイン――女医看護師婦警が登場してはいますが、彼女たちにしても攻略したいという欲求がわくかというと首をかしげる感じ。服装や髪型、メガネのフレームにも流行り廃りがありますから、それも原因だとは思いますけどね。

実在の人物に関してはさすがにツッコみづらいのでビジュアル面についてはこれ以上言及しませんが、登場人物たちの演技に難があるのはさすがに気になってしまいました。本作はボイスレスなので声の話ではなく、表情のことですね。実写映像を取り込んでいるのに、表情とか動作のノリが二次元のままなんです。

例えば萌えキャラがおでこにコツンと手を当てて「テヘペロ♪」みたいな動作をしても「イラっと来るけど可愛い」と思えるでしょうが、現実では「ぬわーにがテヘペロじゃい!」とハリセン叩きこみたくなるような気持ちにさせられるという違いがありますよね。二次元には二次元なりの表現、三次元には三次元なりの表現があると思うのですが、ノリだけが二次元のままなのでちょっときついんです。自然体ではなく、いかにも「わたくしは演技をしておりますぞー!」という雰囲気がありありと出てしまっているんですね。実写なりの表現をしていれば違った評価を得られたかもしれないと思うと、少し惜しい気がします。

過剰な演技をしていないのは、主人公の恋人であるさやかちゃんの父親くらいでした。なのでおやっさんが画面に出てくるたび安心していたのですが、おやっさんはヒロインじゃないんですよね。当たり前ですけど。

ちなみに本作のパッケージの帯には「全編ロケによる圧倒的なビジュアル!」と書かれています。まあ確かに圧倒的ですが、皮肉にしか聞こえなくてなんともコメントに困ります。素直にパッケージイラストのままでゲーム作ったほうがよかったんじゃないでしょうか。

ではゲーム内容の方はどうかというと、こちらもちょっと変わっていますね。

本作の主人公は祖父の代から続く病院の跡取り息子で、高校に入りたてのときに付き合いだした彼女がいるという設定です。長期の休みなどにたびたび友人たちと別荘に泊まりに行くイベントがあったりして、かなりのお金持ちである様子。

プレイヤーが感情移入しにくい設定であることも珍しいのですが、恋人がいるのに友達とナンパしたり他の女の子とデートしたり、果ては親友の彼女(主人公の幼馴染)を略奪したり特に罪悪感もなくやってのけるのも見ていて戸惑います。ヒロインの方も主人公に恋人がいると知ったうえで告白してきますが、恋人との間で修羅場になったりもしません。ちょっと『扉の向こうは』を思い出しますね。なんだろう、このフリーラブでスーパードライな人間関係は……。

補足すると、主人公の幼馴染であるしのぶは物語の開始時点では誰とも付き合っていないのですが、主人公の応援もあって親友と付き合い始めるんですよね。それなのに当たり前のように主人公をデートに誘ってきますし、デートの途中で腕を組んで寄りかかってきたりするんです。

上の画像はそのシーンで選択肢が出たところです。「少し押し返す」という選択肢があるのは別に親友に悪いからという理由ではなく、幼馴染を恋愛対象として見られないからと鬱陶しがっているだけだったりします。なんだこいつら……と思いつつ、面白いから押し返しておきました。

このように、『ハートビートスクランブル』はなかなかとんがっていてユニークな作品ですね。主人公と結ばれなかったヒロインが知らない男とあっさり結婚していたりと、今のギャルゲーなら炎上しそうなエンディングを迎えるのはこの時代特有のものでしょう。ヒロインに処女性を求めていない感じでしたが、この作品に限っては気になりませんでした。

▲電話番号の部分だけ加工させていただきました

そうそう、主人公の恋人・さやかちゃんがゲーム攻略と自身のヒミツについて教えてくれるサービスはすでに終了しているので、これから遊ぶという方はその点だけ注意してくださいね。

それでは今回はこれにて。また次回もよろしくおねがいします。

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