とんがりギャルゲー紀行 第37回:SIMPLE2000シリーズ Vol.34 THE 恋愛ホラーアドベンチャー ~漂流少女~

近頃は暑い日が続いておりますので、夏らしくホラー系のギャルゲーを紹介していきますね。

今回紹介するのは、D3パブリッシャーがPS2向けにリリースした『SIMPLE~』シリーズの一作、

『SIMPLE2000シリーズ Vol.34 THE 恋愛ホラーアドベンチャー 漂流少女』です。

タイトルに『漂流』とありますが、海には行きません。廃校にやってきた男女が脱出困難な事態に陥るという内容なので、おそらく『漂流教室』を意識して付けられたのでしょう。

麻雀ゲームのヒットがきっかけでシリーズ化した『SIMPLE~』ですが、実は美少女ゲームの移植やオリジナル作品もちらほら存在しています。そんななかでこの作品は「ヒロインが1人以上死亡しないとヒロイン個別エンドのCGをコンプリートできない」という特徴を持つ、ちょっぴりとんがったゲームだったりします。

廃校での肝試し中に地震に遭い、学校ごと地中に埋まるという不可思議な現象に見舞われた主人公たちが、悪霊っぽい敵を退けながら外への脱出を目指すというのが本作のおおまかなあらすじです。

こんなのとか、

こんなのが出ます。ゾンビっぽいけど悪霊です。

攻略対象のヒロインは5人。内4人は肝試しに参加する初期メンバーで、廃校内での探索中に残りの1人と合流します。ヒロインの攻略に難しい選択肢はなく、一緒に探索する相方に好きな娘を選び続ければフラグが成立するようです。

廃校内での生活には、食料や毛布、調理器具など必要物資が多々あります。探索ではこれらを探しつつ、ストーリー進行のためのヒントを探っていくことになります。一日の初めに一緒に探索する相方を生きているヒロインの中から1人を選択でき、連れていくヒロインによっては治療して貰えたり、探索回数が増えるなどの恩恵にあずかれます。

主人公たちの人間関係はやや入り組んでいまして、

ギャルっぽいヒロインのひとな→主人公の親友→眼鏡っ娘の萌里→主人公

という片想いの連鎖が起きている様子。主人公の幼馴染の麻那は親友・萌里の恋を応援してはいますが、実は彼女も主人公に片想いしています。

主人公の親友は上画像の右にいる男です。「ホラーゲームに出るイケメンは酷い目に遭うか敵かのどちらかと相場が決まってるんだよなあ」と思ってプレイしていたら、本当に敵に操られて敵側に下ったうえに酷い目に遭っていて(死にはしませんが)ちょっと笑ってしまいました。

ギャルがこのややこしい状況を把握して、遭難前から不穏な空気が……。こういうギスギスした空気ってすごくホラーものっぽい感じですよね。これがホラー映画だったりしたらギャルは序盤か中盤くらいに死んでいたことでしょう。修羅場寸前っぽいシーンですが、「登場作品がゲームでよかったね」とにっこりしたくなる瞬間でした。

このギャルも攻略対象ですので、一緒に探索し続ければイケメンな親友から主人公に乗り換えます。「えー、ビッチじゃん」と思われるかもしれませんが、ちょっとギスギスした空気にしちゃうのは最初だけで探索には協力的ですし、料理上手な一面もあって良い娘ですよ。主人公の親友にも片想いしていただけで付き合ってすらいませんしね。

このコスプレにまったく心が動かなかった者だけが石を投げるといいでしょう。私はすべてを許すことにしました。

ちなみに上の画像は、更衣室に探索に行くと一緒に連れ歩いていたヒロインのコスプレが見られるというイベントのものです。

コスプレ衣装はヒロインごとに一着のみ用意されています。

こんな風にちょっとしたイベントを楽しみつつ廃校内を歩き回るわけです。イベントでしか戦闘が発生しないのか、校内探索は基本的に平和です。皆あまり怖がったりしませんし、悪霊が近寄れない安全地帯の教室から出たくないとダダをこねることもないです。ホラーものとしては珍しく、仲間たちは揃って協力的です。ありがたいけどちょっと拍子抜けかも? というかこのゲーム自体あんまりホラーな感じはしません。

生死にかかわる状況になるのは主に食料が尽きた時ですね。主人公の親友は体調不良で休んでいたり、食料を大量に奪って敵側に逃亡したり(敵に操られての行動です)するので探索には参加しません。なので、食料の分配はリーダーシップを取っている主人公――というかプレイヤーの手にゆだねられます。

この食料を分配するシステムがくせものでして……。

各キャラクターには必要な食料の数が決められていて、これより少ない分配数だとHPが減少、多いと増加します。ヒロインは探索できるエリアが最大になってからHPが0になると餓死するので、分配数には注意が必要です(主人公はどういう状況でもHP0になると死亡します)。

これはつまり、

ヒロインたちの生殺与奪権は主人公が握っており、食料が足りない場合、誰を死なせるかを自分で選ばなくてはならない。

ということなのです。システムの説明文には「腹が減っては戦ならぬ探索が出来ません。活かさず殺さず、上手に食料分配することが本ゲーム攻略のポイントとなります」と物騒なことが書かれていますが、これは嘘でも誇張でもないわけですね。活かさず……?

ここで最初のほうに書いた「ヒロインが1人以上死亡しないとヒロイン個別エンドのCGをコンプリートできない」という話を思い出してください。ヒロイン5人とそれぞれ脱出した時のCGを見るためには5回も誰を死なせるかを選び、実行しなくてはならないわけですね。そういう話を喜ぶ人もいるのでしょうが、普通の人にはただ胃が痛くなる仕様でしょう。どうしてこんな仕様にしたのかはわかりませんがとんがってますね。主人公と主人公の親友は死なせると即ゲームオーバーになるので、ヒロインの命だけがゲームシステム的に軽い

たとえ食料がまだ余っていようと、恨み言ひとつ言わずに死んでいきます。皆が協力的で、ヘイトを稼ぐヤツが味方にいないのがかえってつらいですね。

脱出成功時のCGが確定で上の画像になるだけでヒロイン個別のエンディングは見られますし、CG回収にこだわらないなら全員生存エンドで問題ないと思います。それならしんどくありませんし。

ヒロインごとの脱出CGが気になる方は、ご自分の目で確かめてみましょう。いや別に「私と同じように選択の苦しみを味わうがいい」とか思っているわけではなくてですね、『SIMPLE~』というタイトルの割りになかなか侮れない作品だと思いますので、興味を持った方にはぜひ遊んでみて欲しいのです。ホラーゲームのわりに怖くないですし、遊びやすくておすすめですよ。

それでは今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

当記事に関連する商品紹介