とんがりギャルゲー紀行 第76回:オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか?

さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。

今回紹介するのは、かつて光栄マイコンシステム(現:コーエーテクモゲームス)がリリースしていたストロベリーポルノ3部作の最後を飾ったタイトル、

タイトル画面

『オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか?』(1984年/PC88)

今なお数々のSF作品に影響を与え続ける作家フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のパロディ作品です。

こっちはパッケージ画像

結婚を間近に控える私立探偵の主人公が「ダッチワイフである北極6号を3体集める」という仕事を受けて歓楽街「カブキチョウ」で捜査する、という内容。

物語の舞台は東京で、作中では独身男が非業の死を遂げる事件が多発しているという物騒な環境にあります。アドベンチャーゲームでまったく物語に関係がない事件について言及されることはめったにありませんから、自ずと事件の概要が察せてしまうかも?

元となった『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のほうも賞金稼ぎが火星から逃亡してきた8体のアンドロイドを「処理」する話なので、『オランダ妻~』はタイトルだけそれっぽく似せているのではなくストーリーもパロっているわけですね。ちなみに、ダッチワイフも火星から逃げてきた設定のようなのでその点でも共通しています。

ついでにダッチワイフの「北極6号」という名前は、実際に南極越冬隊がダッチワイフを持って行ったと噂されている (当時は長期間性行為をできずにいると精神に甚大な影響を及ぼすという説があったとかなんとか)ダッチワイフの 「南極1号」にあやかっているのでしょう。古い呼び方だと思っていたのですが、調べてみたら現在でも北極2号という商品名で販売されているダッチワイフがあっておどろきました。

今はダッチワイフではなくラブドールという呼び方のほうが主流なのかな? ダッチはオランダ人という意味なので、侮辱になってしまうからと現在では使用が避けられているケースもあるようです。トルコ風呂(ソープランド)という言葉はトルコ人留学生が抗議活動を行った結果使われなくなったらしいのですが、オランダ人はダッチワイフにキレないのでしょうか。

『アンドロイドは~』はこの作品がリリースされる2年前に『ブレードランナー』というタイトルで映画化されていたので、旬な題材として扱ったのでしょうかね。もしかすると、原作者の名前がフィリップ・K・ディックだからという最低すぎる理由でエロパロにしたのかもしれませんが(dickは男性器を指す隠語に使われることもある)。

話は逸れますが、そういえばラブドールの販売事業で有名なオリエント工業が1977年に発売した初期モデルの『微笑み』を探しているそうですよ。譲り渡すと謝礼金を支払ってもらえるようです。リアルでもオランダ妻が捜索されているという、ゲームと現実の妙なリンクが面白いですね。

作品の内容に話を戻しましょう。本作は元ネタの偉大さに反して――そもそもエロパロは総じてそんなもんですが――この作品はなかなかアホな内容でして、とにかく女性たちとエロいことをしまくります。警官にだって迫ったりできちゃいます。

いえ、正確には致すか致さないかはプレイヤー次第ではあるのですが、作中の世界では人間とダッチワイフの違いがぱっと見ではわからないため脱がさなくてはならないという設定があるのです。口が常にOの字だったりとか、関節に切れ目があるとか、空気の栓が見えていたらわかりやすいのですが、少なくとも作中の世界では見極めが難しいようです。

さっきも書きましたが、主人公は結婚を控える身です。脱がせた相手がダッチワイフではなく普通に人間の女だった場合にまったく言い訳できない身分なのですが、大丈夫なんでしょうか。結婚に金が入り用だから仕方なく依頼を受けたとストーリー説明にありましたが、結構ノリノリなんですよね。

主人公のステータスはランダムで決定するため、クリアするにはある程度数値を厳選する必要があります

レトロなアドベンチャーゲームらしく自力でのクリアはなかなか難しいのですが、今は便利な時代ですからネットの助けを借りれば簡単にエンディングへ到達できるはず。もし興味があったらぜひプレイしてみてくださいね。敵ダッチワイフとのバトルもあったりと、荒唐無稽さが楽しい作品ですよ。

さて、今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

当記事に関連する商品紹介