とんがりギャルゲー紀行 第47回:Pia♥キャロットへようこそ!!2.2

さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますね。

前回はプレイ中に虚無を感じるほど長く感じるゲームだったので、今回はサクッと遊びやすいものにしました。

本日紹介するのは『Piaキャロットへようこそ!! 2.2』

2000年にNECインターチャネルがゲームボーイカラー向けにリリースしたタイトルです。

この作品はPC版からの移植ではなく、『2』で主人公が誰とも結ばれなかったらというif的な続編です。

ストーリーは、進路を決めかねている主人公が自分の進むべき道を考えるためにPiaキャロットへ戻り、しばらくの間働かせてもらうというもの。

本編の期間は12月末から1月中旬までの3週間弱と短くはありますが、遊んでいて不満は感じませんでした。

というかこれ、F&Cの監修が入っているだけあってちょっと驚くくらいに完成度が高いんですよね。

どの辺りが良いのかというと、

  • 店の制服がちゃんと選べること
  • アルバムモードで制服差分ありの立ち絵含めたイベント絵が見られること
  • グラフィックの再現度
  • システムの充実

などが挙げられます。

まず1点目について。物語の舞台であるファミレスの制服を2種類から選べることですね。『2』では制服が3種類あったのに2種類に絞られていることを残念に思うファンもおられたかもしれませんが、個人的にはゲームボーイカラーのソフトで制服差分を入れているのは素直にすごいなーと感じたので評価点に入れました。これがシリーズのウリでもありますからね、ポリシーを大事にしているのは素晴らしい。

▲選択できる制服は上2つの画像のとおり。イベント絵にも反映されます

次に2点目について。当時の携帯ハードのゲームはアルバムモードが存在しないものもざらでしたし、あったとしても立ち絵まで見られるものはかなり珍しいと思います。なのでアルバムモードの充実は評価されるべき点でしょう。本作は1か所にしかセーブできないので、これがなかったら辛かったでしょうね。

▲作中のミニゲームを遊ぶモード、BGM鑑賞モードも収録されています

次に3点目のグラフィックについて。ここまででお見せした画像でおわかりとは思いますが、グラフィックは『2』の雰囲気を崩さない良品質のものばかりなんです。原画担当が違うのにキャラクターも可愛いし構図も良い。ちなみに原画にはアニメーターの後藤潤二が起用されて……。

ん? ごとうじゅんじ

『School Days』の原画描いた人じゃね?

はー、上手いのも納得ですね。一応言っておくと『2.2』にスプラッター要素はないから安心してくださいね。

ちょい話が脱線しかけましたが最後に4点目。システムの充実って書かれてもわかりづらいでしょうからちょっと説明しますね。たとえばゲーム画面の日付表示とセリフの名前表示なんですが、プレイ中にBボタンを押すと「日付と名前を表示」「名前のみを表示」「日付のみを表示」「どちらも表示しない」といったふうに切り替えられるんです。ゲームボーイカラーの画面は小さいですから、表示の切り替えでイベント絵の見切れを防げるのはありがたい。

あと、『2』にあったアイテム欄をアイテムごと削除してシンプルにしたのも評価点でしょうか。それとメッセージやアニメーションの速度を変更できるのもありがたかった。ミニゲームも面倒だなーと思ったらオフにできるので、周回も苦になりません。ゲームのテンポがいいのはうれしいことですよね、前回は大変だったのでしみじみそう思いました。

▲こんな感じで日付と名前の表示を消せます

▲主人公の育成要素もありますが、ステータスをさほど気にしなくていいくらいには難易度が低い

▲場面が切り替わる時に文字が横に流れる演出も再現されています

正直言って、ゲームボーイカラーのギャルゲーとしてはかなり良い作品です。どうしても突っ込みたくなったのって、『2.2』では攻略対象ではなくなった葵さんが12月末にタンクトップ姿で外に現れることくらいですからね。

しかしまあ雪国でも真冬に小学生が半袖でかたきをしたり、タンクトップのおっさんがコンビニにアイス買いに行ったりしますからね(後者は私がやったんじゃなくて目撃した)。ありえなくもない光景ですから、気にするのはやめにしておきましょう。

『Pia♥キャロットへようこそ!!2.2』はそんな感じで大変おすすめのゲームです。最新のタイトルに比べればボリューム不足ではありますが、今なら中古で買うと安いですし(記事を書いた時点では150円)、当時期待していなくてスルーしたという方もこの機会に遊んでみてはいかがでしょうか。

さて、それでは今回はこれにて。また次回もよろしくお願いします。

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