さて、久しぶりにとんがったギャルゲーを紹介していきますよ。前回の記事から期間があいたので、リハビリ感覚で軽めのをセレクトしました。
Black Jack vs 松田純
当時グラビアアイドルだった松田純とコラボしたタイトルですね。内容は、トランプを使ったカードゲーム「ブラックジャック」と恋愛要素をかけあわせたもの。
タイアップにあたって松田純の存在がどれくらいゲームに組み込まれているかというと、『全』登場人物(ボイス付き)になるくらいです。すごいや。
ちなみに全登場人物というのは、本作のストーリーに基づいた公式設定です。
それというのも主人公であるさすらいのギャンブラーが、本作のプロローグで松田純そっくりな彼女に一目惚れしたことが原因なのです。恋の病にかかった結果、この世すべての女性が彼女に見えるようになってしまったんですね。幸せな視界。
カジノに行けばディーラーな彼女(偽物)、バーに行けばバーテンダーな彼女(偽物)が待っていると。
本物は公園に行けば会えますが、そもそも彼女は松田純のそっくりさんなので、誰も彼も本物の松田純ではありません。
愛はまぼろし。そういうことか。
そういうわけで松田純にそっくりなヒロインこと「彼女」は、本作の全登場人物なのです。2つ上の画像のとおり、ゲーム内の用語解説にも書いてますし。
さて、いきなり恋に落ちたはいいけれど、主人公としては口実もなしに会いに行くこともできず、プレゼント作戦とかどうよとすすめてきたバーテンダー(偽彼女)の策を採用します。
そうですね、彼女自身(偽)が言うんだから間違いない。
カジノで稼いで貢ぐと決めたところでプロローグは終わり。いくつものカジノ店に通い、ブラックジャックで稼ぐことになります。
各カジノはそれぞれ最大ベット数のほか、見た目のコンセプトが異なります。ディーラー(偽彼女)の衣装やボイスも個別のもの。カウボーイ衣装のときはクールなボイスだったりと、ちょこっと素人感あるボイスながら雰囲気◎。
でも、見た目は大好きなあの子とカードで駆け引きの図なのに、実際ここにいるのは全ての女が愛する人に見える男と、知らない労働者なんですね。
さて、ブラックジャックについてざっくり説明すると、配られたカードに書かれた数字の合計を、より21に近づけた者が勝つゲームです。22以上は「バースト」となり、その瞬間に敗北確定。J、Q、Kは10として扱われ、Aは1か11のどちらかとしてカウントされます。
本作におけるブラックジャックの特徴的な要素としては、ジャックポット(大当たり)とイカサマ看破があります。
本作におけるジャックポットは、合計21を作るカードの組合わせで指定の役を作ると大量のお金が入ってくるというもの。
ジャックポット扱いになる役には、「7」だけで21を作ると成立などのオリジナルの役がいくつかあり、カジノ店によって適用される役が異なる(高い店のほうが難しい)という設定です。ジャックポットの賞金は何度もゲームをしているうちに増えていきます。
役なんてそうそう作れないので、セーブ&ロードでどうにかこうにかお金を増やすほうが手っ取り早いです。
イカサマ看破のほうは、ディーラー(偽彼女)のイカサマを指摘するとジャックポットの賞金が増えるシステム。カードを出すまでに変なタイムラグがある時はイカサマしているので、特定のボタンを押して指摘すると賞金が増え、イカサマしてないのに指摘すると減ります。
はっきり言うと、指摘しても画面内の数字が変動するだけの地味要素です。カットインもディーラーの悔しがりボイスもなく、SEすら鳴らない。地味。なにも盛り上がりません。
「おいたは駄目だよディーラーちゃん(偽彼女)、ぐふふ」な展開を求めてはいませんが、もうちょっとなんとかならなかったんかと。
演出もそうだけど、一定回数イカサマを指摘するとイベント発生とか、そういうのなかったんかと。
このように特徴はあんまり特徴してないので、カードゲーム要素はあくまでお金稼ぎの手段といった感触です。
カジノ以外の移動先はショップとバーの2箇所のみ。バーでは「ボトルキープ=セーブ」となっていておしゃれです。ショップにはブラックジャック用のものはどうやらなく、買えるものは全て彼女への貢ぎ物です。何かひとつでも買った瞬間にデートが始まります。
デートに行くかどうかの選択肢もないので、プレゼントを買ったら居ても立っても居られないのでしょう。
ちなみに、彼女からの好感度が高いと手ぶらで店を出ようとしてもデートになります。
彼女(本物)と会うのはいつも公園。
さすらいのギャンブラーが病むほど愛する彼女は、いつだって裸足で出迎えてくれます。
なんでだろ。
そういえば主人公がどうやって彼女の真贋を判断しているのかも謎ですね。ボイスも同じなのに。
まあいいか。
デートはプレゼントを受け取ったらしい彼女が、台詞を3つほど話して終わりと簡素なものです。
オプションの用語解説によれば「意外と食いしん坊」とのことなので、食べ物を貢ぐと好感度上昇音っぽいSEがピロンと鳴りました。ショップには高価な物がたくさん並んでいましたが、金額は関係なさそう。
裸足の彼女はきっと美味しいものと撒き菱に弱いんだ。
ちなみに台詞は好感度によって変化するようです。
はじめはプレゼントに対してお礼を言うだけだったのが、ギャンブルの調子はどうかと水を向けてくれたり、会いに来たこと自体を喜んでくれるようになっていきます。
エンディング寸前まで好感度が高まると、プレゼントに対して「嬉しい……あなたのにおいがする……」とうっとり呟いたり。
でも、そのとき渡したのは持ち帰りの寿司だったので、さすらいのギャンブラーはきっと酢飯の香り。
ハーブソルトをあげても同じこと言うから、ギャンブラーは酢飯と草の香り。
台詞的に服やぬいぐるみをあげた想定でしょうか。プレゼントの内容による言葉の変化がないために起きた現象と推測しつつ、真偽不明のため酢飯フレグランスの疑惑が残るギャンブラーです。甘酸っぱい恋だね。
好感度が上がり切ると、彼女と結婚したことになってエンディングとなります。
そうそう、ある程度の貯蓄が必要にはなりますが、ゲーム内のカジノを買収するとその店でディーラーができます。客3人相手にカードを配り、それぞれとの勝敗でお金が増減する形に。
主人公ではなくプレイヤー自身がディーラーになる設定のため、客3人の見た目は「彼女」ではありません。
このゲームの世界に彼女以外の人類っていたんだ。ディーラーをやってみて、そんな大きな発見をしたような気持ちになりました。
設定のインパクトの割に薄味なゲームですが、細かいとこ凝ってますよね。
店の買収は稼ぎがいまいちなのでおすすめできませんが、買い取った店でも客(主人公)として遊ぶことは可能なのでそこは安心ですよ。
おまけにエンディングで見られる画像を置いておきます。実写のほうは本物の松田純さんのグラビアですかね。
それではこのへんで。また次回もよろしくお願い致します。