さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。今回紹介するのは、
『不思議の夢のアリス』
PCエンジンのジャンプアクションゲームです。主人公のアリスちゃんはイヤなことをきちんと「イヤ」と言える娘さんでして、
こんな感じで声で攻撃できるんです。
わかる人にはわかると思いますが、ワギャンと同じですね。なお性能は違っていて、ワギャンの音波砲には敵の動きを止める効果がありますが、アリスの場合は小ダメージが入るだけで動きは止められません。ちなみに溜め撃ちができるので威力を調整して敵に攻撃できます。
声攻撃をすると硬直時間が発生するのですぐ側にいる敵に使うとダメージを受けやすいのが難しいところ。「触れる前に倒しちゃえば?」と思われるかもしれませんが、この声の攻撃は溜めてもダメージがいまひとつで、1発では倒しきれない敵のほうが多いんですよね。
なので結局踏んづけるのが手っ取り早いという。しかしながら、敵が素早かったり、下手に踏んづけるとダメージを誘う動きをしていたり、あとは頭から火が出ている蝋燭型の敵までいて、結局「イヤ」攻撃が必要な場面もあるので踏んづけ一筋ではとても生きてはいけません。
操作に慣れないうちはほんの序盤でもばんばんやられちゃいます。ライフがなくなるとミスになり、アリスは大回転しながら空のかなたに高速ですっ飛んでいきます。テンポの早いBGMと妙に合っていて、初めて見たときは吹き出しました。
実はこのゲーム、見た目に反してかなり難しいんです。操作のレスポンスはいいですし、ミスしても少し前の位置から再開できるのでストレスも少ないのですが、ただただ難しい。敵の攻撃が厳しくても「あの隙をつけば通れるんじゃないか?」みたいなのがわかるようなゲームバランスになっているのに、腕が追いつかない。
なので、ステージクリアで手に入る魔法がいい救済措置になっていますね。
このゲームでは画面左下にあるマジックポイントを使って以下の魔法が使えます。
- 「レッドマジック」隠されたアイテムを見つける魔法
- 「ブルーマジック」高くジャンプできるようになる魔法
- 「グリーンマジック」地震を起こす魔法。スイッチを踏むと画面内の敵にダメージ
- 「シルバーマジック」透明になれる魔法。一定時間無敵
- 「ゴールドマジック」空飛ぶ魔人が出てくる魔法。魔人が敵をゴリゴリ削り倒してくれる
最初はレッドマジックしか使えませんが、 ステージを攻略してシンデレラや赤ずきん、白雪姫を救出して魔法の本をもらうと、青→緑→銀→金の順で新しい魔法が使えるようになります。ステージが進むとどんどん難しくなっていくので、強力な魔法が使えるようになっていくのはありがたいですね。回復アイテムなんかも普通にプレイしていると滅多に手に入りませんが、レッドマジックを使うとライフとマジックの回復アイテムなんかもちょいちょい見つかります。ライフは最大値を超えて回復できるのに、ステージクリアで初期値の3に戻されてしまうのは悲しいところですが。
ちょっとでも後ろに戻ると敵が復活してしまうのでグリーンマジックだけは使いませんでしたが、シルバーマジックまで覚えると楽になりますよ。どうしても敵の攻撃をノーダメージで抜けられないときに使うといいでしょう。どの魔法も時間制限がありますし、マジックポイントにも限りがあるので魔法があっても簡単にはなりすぎないようになっています。
『不思議の夢のアリス』は難しくもしっかりと作りこまれた作品です。唯一気になったのは、ボスの使いまわしが多いことでしょうか。
ステージの半ばには中ボス戦があるのですが(倒すとうさぎが「○○が捕まっているみたい」といった風に情報を教えてくれる)、これに同じボスが何度も出てきます。でも、ゲーム容量が4メガなのでこうなっちゃうのは仕方ないのかも?
流石にステージボスのほうは毎回違うやつが出てきます。
ところでちょっと思ったのですが、上の画像の背景、ルイヴィトンでは?
お菓子の家の内装、ルイヴィトンでは?
なぜブランドものの壁紙を使っているのでしょう。「やだ、こんな場所で暴れられない。修繕費請求されたら破産しちゃう……!」と、アリスを萎縮させるための敵の作戦でしょうか。姑息ですね。壁がルイヴィトンなら、チョコレートっぽいドアはゴディバでしょうか。
ヘンゼルとグレーテルは魔女宅のルイヴィトンを食べちゃったから、修繕費を払えなくて体で払うはめになりかけた可能性が……? なんだかぼったくりバーみたいな話ですね。
というのは冗談で、女の子向けっぽい作品なので女の子が喜びそうなものを取り入れたか、単純にスタッフの遊び心かのどちらかではないでしょうか(あくまで想像ですけど)。
とまあ、『不思議の夢のアリス』はこんな感じのゲームです。難しいですが遊んでいて楽しいですし、グラフィックも可愛らしく良い作品だと思いますよ。気になったらぜひ遊んでみてくださいね。