中身はサターンだった?セガカラの話

ここのところずっと編集に追われていた『セガサターンパーフェクトカタログ』ですが、ようやく作業完了が見えてきたのでセガサターンにまつわる小ネタでも書きたいと思います。

セガが1990年代後半からやっていた多角経営のひとつに「通信カラオケ事業」があります。最初に通信カラオケサービスを行ったのはタイトーのX-2000なのですが、それまでレーザーカラオケが主流だった時代において「ISDN回線を使ってMIDIデータを送る」ことで常に新曲が常にスピード追加されるという画期的なものでした。このシステムはJOYSOUNDやDAMなど他社がどんどん参入していき、現在も主流のシステムなのですが、セガも1994年にプロローグ21(後にセガカラというサービス名称がつきます)をひっさげて通信カラオケに参入します。

大きさ比較用にサターン本体や外箱と一緒に撮影

このプロローグ21は、実は中身のアーキテクチャがセガサターンベースでして、まんまコントロールパッドを繋げてサターンのソフトが動作するという代物です。サターンの音源はヤマハがサターン搭載用に開発したSCSPというプロセッサを採用していまして、こいつが32チャンネルのPCM音源云々というサターンのカタログに載っている機能以外にも、MIDI入出力やピッチやエコーなどのエフェクト用DSPを内蔵している、まさに通信カラオケにはうってつけなチップでした。

また、通信用のシリアルポートや、動画再生のムービーカードなど、最初から通信カラオケへの利用を想定していたんじゃないかと思わせるほど、サターン自体が通信カラオケ向きなハードだったためにプロローグ21のベースとなるのは無理からぬ事でした。

そんなわけで、誌面に限りがあって突っ込んだことは書ききれなかったので、本コラムで写真多めに紹介したいと思います。

よく見るとサターンマークがしっかり入ってます
マイクおよびエフェクト関連パネル
モニタ出力が4系統あったり、コインボックス端子があったりとさすが業務用機です
起動画面
待機画面。この画面はセガカラで謳った人にはおなじみですよね
創聖のアクエリオンを入れてみた

セガカラ自体がすでにサービス終了しているために当然ながら今では配信されないのですが、ある程度の履歴は内蔵ハードディスクにキャッシュとして残されているので、歌番さえわかれば再生可能です。

ただし、手元にあるチェンジャーが不調でビデオCDの映像が流れないため、なにもないデフォルト背景のみ。おかげで少々寂しい画面となりました。動画も撮ってみたので、下のリンクからご視聴ください。



ABOUTこの記事をかいた人

1972年愛媛県松山市生まれ。アーケード、家庭用、PCはもとより美少女ゲームまで何でも遊ぶ、ストライクゾーンの広い古参ゲーマー。ただし、下手の横好きがたたり、実力でクリアできたゲームの数は決して多くないのが弱点。