とんがりギャルゲー紀行 第73回:ゲッターラブ!! ちょー恋愛パーティーゲーム

さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。

今回ご紹介するのは、 1998年にハドソンがNITENDO64向けにリリースした

『ゲッターラブ!! ちょー恋愛パーティーゲーム』

パンダ市に住む男子高校生4人が彼女を作る速さを競う恋愛パーティーゲームです。舞台は夏休みという設定ですが、男同士も攻略対象のヒロインたちもみんな同じ高校の同じクラスに所属する同級生です。

女の子に声をかけまくり、会話やデート、プレゼントによって好感度(作中ではラブラブポイントと表記されています)を稼いで誰かと付き合うことになれば勝利というルールです(複数人プレイではターゲットを1人に絞ってアピール合戦するゲームルールも選択可能)。ゲーム期間は2週間、行動は昼・夕・夜にその場で決定できます。

誰が誰にどのくらい好かれているのかは一日の終了時に案内人のアルフォンスが教えてくれるので、どのライバルに妨害を仕掛けるかの参考にもなります。また、女の子同士にも仲良しの相手と嫌いな相手がおり、誰かのラブラブポイントを稼ぐとその女の子と仲良しの女の子のラブラブポイントも一緒に上昇します。

パーティーを主催してプレイヤーと女の子を招いてくれることもたびたびあります

上の画像にいるのがゲームの説明をしてくれる案内人のアルフォンス。お助けキャラとしても出現し、ねだるとカード(お金を2倍にしたりステータスを上下するものなどさまざま)をくれます。美形で金持ちなのでさぞモテるでしょうが、本人は顔にも性格にも難のあるお邪魔キャラクターであるレイカにお熱なので、プレイヤーたちの競合相手にはなりません。ちなみにこのゲームは男にも告白できるので、当然アルフォンスにも告白できます(成功するとステータスが上昇する)。

ラブラブポイントの確認画面。右下のレイカは攻略対象ではなくキングボンビーみたいな扱いのお邪魔キャラで、男から男へ渡り歩く尻軽です

プレイヤー4人がそれぞれ行動を決定すると、マップ画面上をキャラクターがとことこ歩いて行き先に向かいます(女の子もそれぞれ毎回移動しています)。

マップには4人のプレイヤーと女の子たちしか表示されませんが、行き先ではランダムにサブキャラクターも登場します。

アイテムを略奪にしにくる「ぶらりドロボーネコ」。選択肢次第で返り討ちにもできる
ムフフンバイト依頼人の「八本木めろん」

肉体労働のアルバイトを依頼してくる老夫婦だったり、イイコトしたら1万円くれるお姉ちゃん(こっちもある意味肉体労働?)だったりと所持金が増えるチャンスもあります。お金はプレゼントの購入やデート代に使うのである程度は確保しておきたいですが、前者は容姿と体力のステータスががっくり下がり、後者は女の子からの評判ががっくり下がるというデメリットもあるので、お財布と相談して決めるといいのではないでしょうか。

行き先に辿り着いた順番で行動を決定するので、例えばデートの約束があるときに女の子より後に着くと「遅い」と言われたり、単に女の子に会いたいなーと思ってうろついているときに人より先に着いてしまうと誰にも話しかけることができずに行動終了することもあります。

本作はネットプレイ非対応のタイトルですので、プレイ画面はプレイヤー全員で共有です。なので、女の子が他の男とデートの約束をしているシーンもプレイヤー全員が見ています。そういうところから行き先の情報を得て積極的に遭遇しようと行動していれば誰にも会えずに終わることは少ないでしょう。女の子からPHSに電話が来て次はどこそこに行く予定だと教えてくれたりすることもあるので、自分から避けない限り延々誰とも会えないということはありません。

移動中はダッシュ&ブレーキが可能なので、場合によって使い分けると効果的でしょう。先に目的地に到着したプレイヤーにバトルを仕掛けることもできるので、目当ての女の子に好かれているヤツを見かけたらちょっかいをかけてみるのもアリですね。

「マイクでポン!」ではマイクを持つプレイヤーとぶつかってマイクを奪取し、誰が一番ん歌えるか(歌唱力ではない)を競う

ちなみにバトルは全員参加のミニゲーム形式で行われます。ミニゲームの種類は以下の4つ。

  • カラオケ中にマイクを奪い合う「マイクでポン!」
  • 早押し勝負の「クイズでポン!」
  • 2ライフ制のFPSタッグバトル「2度撃ってポン!」
  • チーマー集団VSカップルのもぐらたたき「デートDEパンチ!」

「デートDEパンチ!」はライバルにバトルを仕掛けたときではなく、デート時にランダムで発生します。他の人が仕掛けた勝負にお呼ばれした形でも勝利するとお金がもらえるのが嬉しいですね。

ところで「デートDEパンチ!」は女の子をチーマーから守ってピコピコハンマーで戦う1人とチーマーを召喚する3人に分かれて戦うゲームなのですが、プレイヤーたちはどうしてチーマーを召喚できちゃうんでしょうね? 不良集団とつながりがあるということですよね……? というか女の子と一緒にいるところにチーマーを呼び出して襲わせるってもう発想からイカれてますよ。警察が出てくる事態です。ヤバイヤバイ。そしてチーマー召喚してカップル襲撃に成功したプレイヤーたちに賞金として2千円の小遣いをくれるアルフォンスもヤバイ。こいつら女の子をゲームの賞品感覚で狙ってますし(単にそういうゲームだからですが)、完全に女の敵ですね。思わず語彙力が落ちてしまうほどヤバイ。まあこのバカゲー感も作品の魅力ではあるのですが。

「デートDEパンチ!」プレイ中の光景。守り側はチーマーが黄色の枠線内に入ったら負けだが、その場合でも襲われるのはあくまで男だけなので女の子には被害なし。
海と神社でのデートをするには専用のカードが必要です

女の子との会話にあまり難しいところはなく、好感度が下がりそうな話題はなんとなく察することができます。ひとりプレイで入手した話題ボール、特殊イベント、エンディングなどは「メモリーズ」モードで見返すことができるので、好きな女の子にはどんどんかかわっていくといいでしょう。

モード選択画面。表示キャラクターと選択モードによってコメントが変わるのが面白い
ゲーム開始前にプレイヤーの名前、性格、髪型、語尾を設定できる。筆者はサラサラヘアーでワイルドな性格の「とんがり」くんとしてプレイしたが、性格以外は攻略に影響しなかったように思う(性格はカードで変更可能)。
作品一の人気を誇るヒロイン「皆川真琴」のエンディングから1枚。おさげメガネは学校でだけの姿らしいです

ちなみにエンディングは好感度によって「ギリギリ」「まあまあ」「スキスキ」「ラブラブ」の4パターンに分岐します。女の子に告白する場合だけでなく、女の子から告白される場合もあるので、イベントを集めてみるのも楽しいかもしれませんね。

さて、『ゲッターラブ!! ちょー恋愛パーティーゲーム』はいかがでしたでしょうか。発売当時はThe64DREAM(今のニンテンドードリーム。雑誌)で複数回にわたって特集が組まれていたそうですが、あまり知名度が高くないのがもったいないですね。現在は中古でも1万円に近い価格がついているので手を出しにくいですが、機会があればぜひプレイしていただきたいタイトルです。一般的な紙芝居形式のギャルゲーと違い、共通ルートでヒロインがどんな性格をしているかをじっくり知る機会がないため初見プレイでは誰が誰やらといった感じでしたが、繰り返し遊んでうちにハマりそうになりました。

まあ初見プレイで混乱したのは筆者が人の名前を覚えるのが苦手なせいというのもあるんですけどね。PHSにヒロインから電話がかかってきて「森村です」って言われても、普段の会話ではメッセージウィンドウに下の名前しか表示されないので苗字を覚えておらず「誰よこの女!」状態でしたから。電話中は顔が表示されないから余計にわからないんですよね。まあ説明書をきちんと読んでいればよかっただけなのでお気になさらず。

さて、それではこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

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