ゲーセン店員の懐古主義で行こう 第11回:パズルボブル

 お早うございます、こんにちわ、こんばんわ。稲波でございます。
 最近遊んでいる地球防衛軍5のせいで、兵器の性能の違いが、戦力の決定的差であるということを実感しております。最強に近い武器をハードとかに持ちこんでますからね、すごい殲滅速度ですよ。まあそのせいでフラグだけがすごい勢いで成立し、敵に囲まれて瞬殺されるという事故も多発しておりますが……それでも一方的な殲滅はとても気持ちがいい。殲滅したあとのスッキリ感がまたいいわけです。とまあコンシューマの話はここまでにして、スッキリという部分だけ引き継ぐことにしましょう。というわけで今回はこちら。


パズルボブル

 このタイトルが出た当時、ぶっちゃけタイトーは良いタイトルを出すことができず、ジリジリと過去作のリメイクを出したりしながら後退していました。タイトーが同年に出したゲームは『スペースインベーダーDX』や『スラップショット』といったタイトルで、本当にパッとしない。しかも市場には『スーパーストリートファイターⅡX』とか『鉄拳』など格闘ゲームが出回り、大いに盛り上がっている頃ですよ。そりゃ見向きもされませんよね。ちなみに、大多数の人は知らないと思うので『スラップショット』について補足説明をば。簡単に説明すると、ビデオゲームでプレイするエアホッケー。友だちがいなくてもエアホッケーで遊べるよと言った感じのゲームなんですが、ゲーム画面はがっかりな感じ。制作した方には悪いのですが、どの層を狙って作ったのかよくわからない。そんなゲームのスクリーンショットはこちら。

 まあ、こういうゲームを作っていたわけです。タイトーはタイトー学校なんて言われるくらい技術を身につけた人が退社して他社にいくという事実がありましたので、もういい人いないんだろうなぁなんて思っていましたよ。そういえば、自主退社の募集をしたことがありましたねぇ。営業とか、店舗のあたりだけから募集すると思っていたら、開発にも通達していてごっそりやめたという話を聞いたことがありました。今にして思えば、あまり開発を大事にしない会社なんですかねぇ。東方ProjectのZUNさんなんかもタイトーだったけど、あまり扱いよくなかったみたいですしね。そんなタイトーから久しぶりに登場したヒット作が『パズルボブル』なわけですよ。今にして思えば、スマホゲームで売れているタイトルのほぼ共通している(と思っている)項目に一致するのです。まず一つ目。

キャラクターが可愛い。


(画像は『LINEパズルボブル』のものです)

 これに関しては元々いるキャラの中で可愛いものを持ってきたのだと思いますが、見た目が悪くていつも損をしていた(と私は思っている)タイトーのゲーム群と比べて明らかに受けがいい。明らかに普段ゲームをしないであろう女性陣のプレイヤーが多数存在したことを考えると、やはりこういう部分は疎かにできないポイントだと思います。やはり可愛いは正義なのです。そして次に、

操作が簡単。


レバーで狙って打つだけ。

 これは特に重要。システムや操作が複雑化するにつれ、プレイヤーは離れていくと感じているのです。ぶっちゃけ一見さんお断りなゲームはアーケードには必要ないのです。それを裏付けるように、このゲームのプレイヤーはヘビーなプレイヤーよりもライトな女性層が多かった気がします。そして何より、女性がゲーセンに来てくれるというのは間違いなくお客様の人数を増やしてくれるのです。ゲーセンを運営する人、ここ大事ですよ。結構勘違いしている人が多いですが、女性客が気楽に入ってこれるように店をきれいにすること、照明をちゃんとつけて明るくすること、態度の悪いお客様には出ていってもらう事と言うのはとても大事です。安全第一。そして次に、

思い通りの結果が出しにくいこと


2面以降ガイドがなくなって、感覚で狙いをつけることに

 これ、なんでよと思う方も多いでしょうが、意外と大事なことなんです。『パズルボブル』に関しては、慣れていけばある程度は自由に狙うことができるようになるでしょう。しかし思い通りに行かないことにより、予想外の結果が出たりするというのは楽しいのです。そして思い通りに行ったときの爽快感たるや、達成感とともにアドレナリンがあふれるほどなわけです。ただし『羅針盤』、テメーはダメだ。
 以上の3項目は一般受けするゲームの基本だと思うのです。実際に受けているスマホゲーは、この項目を含んでいると思います。もちろん、すぐに終わるような薄い内容でもダメなんですけどね。ある程度のやりこみ要素を備えているのも基本だと思います。そして、その項目を見事に抑えているのが、この『パズルボブル』だと思うのです。いやあ、本当にこのゲームが出た頃に女性客が増えました。そして、女性客を目当てにやってくる男性客も。大いにプライズの売上が上がりましたね。このあたりでビデオゲームを目的としないお客様も増えて、放さないために居心地よくしようと腐心した覚えがあります。女性客が安心して遊べる店っていうのは、間違いなく繁盛する店の条件の一つだと思いますしね。

 そんなこんなで色々と私的に考えさせられた『パズルボブル』登場でしたが、最初はいいんです。実際客様の反応も良かったし、大ヒットでしょう。しかしその後が……


売れたからって、パズボブシリーズしか出さなくなるなよ!
あ、でも「あずまんが大王パズルボブル」は許す。

 結局、低迷するまで出し続けました……お願いだから、もうちょっと考えて! もっと色々やろうよ! と、当時の私は思っておりました。まあ、色々やって『サイドバイサイド』が出てきたので、当時は『パズルボブル』一本でよかったのかもしれませんね。とにかく、タイトーはグラフィックを頑張れ!

 それではこのへんで。ではまた~

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