ゲーセン店員の懐古主義で行こう 第10回:がんばれギンくん

 お早うございます、こんにちわ、こんばんわ。稲波でございます。
 早いもので、年も開けてしまいました。改めまして、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 タイトーで働いていた頃、年末年始に特別営業を行うとの通達を受け、「はあ、さいですか」と気の抜けた事を考えていた事があります。正面からは言えません、小心者なので。ちなみにその内容は、12月31日の閉店時間を朝5時にして、一時間だけ閉めて6時に開店するというものでした。「そんな時間にお客さんなんてこないよ」とバイトの共通認識でありましたが、蓋を開けてみればやっぱり閑古鳥でありました。当たり前です。初詣に行く人、友人と集まって家飲みする人、初日の出を見るために海に行く人と、その待ち合わせにゲーセンを利用してもすぐにいなくなるわけです。その日、暇でしょうがない一晩を過ごし、店に差し込んできた初日の出を浴びて帰りました。二度とありませんでしたね。当たり前です。

 さて、本題に参りましょう。今回ご紹介するゲームはこちら。


がんばれギンくん

 前回、「トリオ・ザ・パンチ」とどっちにしようかと迷いましたが、どっちもやればいいじゃないかということに気づきました。ということで、バカでスキなゲームであります。決していいゲームではありません。なんというか下品なネタも満載で、こんなものをアーケードで動かしていたとはと驚きを隠せませんね。発売は1995年。対戦格闘ゲーム人気絶頂期。そんな中出てきた本作の主人公はこちら。


よい人


よいカエル


敵はこいつ

そんな、線画のキャラクターが活躍するゲームなのです。今だとフラッシュゲームにこんなのいっぱいありますが。そんな本作、一番の特徴はと言うと、やはりこれでしょう。


Go!

 画像ではさっぱり伝わらないので、動画を拾ってきました。この、どう聞いても郷ひろみの「Go」のモノマネが店に響くわけです。そして、この声を聞くだけで満足する私がいるわけです。何でしょうねこのゲーム。この「Go」の音声データがあればそれで満足するレベル。ゲーム内容は正直どうでもいいゲーム。そんなこと言っていると今回終わってしまうので、ゲーム内容を紹介いたしましょう。ゲームモードは三種類。難易度が違うわけです。


この三種類です。

 それぞれに一応ストーリーがあります。その中でも「ふつうコース」のストーリーを紹介しますと、学園モノであります。一時間目は数学のテスト。始まると、


カンニングしちゃおうぜ、ケロッ


ハム(よいカエル)

 いきなりの設定無視! そして出て来る先生は


ガツガツ!

 ワルモノの設定はどこに行ったのか? そのまま寸劇は終了しゲーム選択画面へ。


さっぱり理解できない!

せっかくだから、私はこの「大砲でドン」を選ぶぜ!
そしてこの説明である。


一切隠す気なし!

このミニゲーム、やることはひろみが「GOOD」とか色々言うのですが「Go」がで他瞬間にボタンを押すだけ。すると


こうなる。ストーリー的にガツガツ何も悪い事していないのに……

 他にも各種ゲームが存在しますが、どれもくだらないとしか言いようがありませんね。スキなんですけど。例えばチキンレース。埠頭でギリギリで止まるっていうやつですね。それがこのゲームにかかると


チキンに乗って走るゲームに早変わり。

 また、「落ちてくるロボットの首と胴体をくっつけよう」と説明されるのに、


ギンくんの首が引きちぎられて飛んでいく。

 この独特のセンスはなんと言っていいのか、一人でプレイすると何も面白くないという不思議なセンス。複数人でギャーギャー言いながらプレイすると楽しい、見事なパーティーゲームといえるのではないでしょうか。ただ、アーケードでパーティーゲームをやる意味がわかりません。正直、こんなゲームを作っているから経営が傾くんだよ、テクモ。残念ながら(当然ながら?)、アーケードでの人気は正直最底辺でありました。タイトーのゲームと一緒ですね。100円入れようと思わせてくれない。タイトーと違うのはやり込むほどのゲームではないというところでしょうか。一回やったらそれで十分という、残念なゲームでありました。まあ一回やれば、間違いなく「Go」の声が耳に残るんですが。本当に、あの音声データだけ手に入らないものか(笑)

 それではこのへんで。ではまた~

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