ゲーセン店員の懐古主義で行こう 第8回:ゼクセクス

 お早うございます、こんにちわ、こんばんわ。稲波でございます。
 いまだ、風邪の勢いはとどまるところを知らないようです。私自身はかなり回復したのですが、まだまだ周りには風邪で苦しんでいる方が多いようです。健康な方は移されないよう、かかっている方はこれ以上ひどくならないよう十分にご注意くださいね。これからまだまだ寒くなりますから、油断大敵です。
 さて、今回ご紹介するゲームはこちら。


ゼクセクス

 読みにくいことこの上ないタイトル。「XEXEX」ってタイトルを初めて見たときは全く読めませんでした。下にカタカナがなければ未だに怪しい。ストリートファイターⅡと同年にアーケードの登場した本作は、正直あまり目立ってはいなかったように思います。田舎だったからかもしれませんが。実際、家庭用への移植もされませんでしたし。しかし、ゲームとしての完成度は高く、難易度もそこそこで実によいシューティングゲームです。格闘ゲームの順番待ちとかに始めて、そのままこのゲームだけプレイして帰ることもしばしばでありました。
 まずオタクとしてやはりこのゲームを語る上ではずせないポイントといえばこれでしょう。


イレーネ姫 CV:島本須美

 管理人さんですよ! PIYO PIYOなのですよ。いやお姫様なのだからナウシカのほうが適してますかね。まあ、そんなわけでとても聞き慣れたお声が聞こえてくるわけです。ときメモのときにもいったとおり、当時アーケードでアニメ声を聞くと「ひいっ」ってなるんですが、なぜかこのタイトルだけはそれがありませんでした。声が柔らかいからでしょうかね、不思議なものです。音声の再現性もとても良好で、どう聞いても島本須美さん。素敵。
 ゲーム内容自体はR-TYPEの「フォース」からXマルチプライの触手が生えたような働きをする「フリント」を惑星「イースクウェア」まで連れて行くことが目的なのですが……


そのフリントを敵にぶち込んだり


ボスにぶち込んで瞬殺したり

「もう、あいつだけでいいんじゃないかな」と思わせる無敵の性能。なぜに連れて行ってやる必要があるんですかね。勝手に飛んでいけよと思ってしまう。しかも進化した時の強さと言ったらもう。

これ、フリントロック(自機)いらないよね。

としか思えない強さでありますよ。動きは遅いですが自分から敵に寄っていくし、勝手に行けると思うんだよなぁ。まあ、そんなフリントを運び進んでいくわけです。面が進むに連れガラッと変わる背景(ストーリー的なものではなくグラフィック的な)の美しさがまた目を引くゲームなわけです。かなり原色系な面もあれば、浮遊島の中を飛び回る面もあったりとなんとも豊富です。浮遊島の面は縦方向に無限ループしていたりと何処かで見たような作りなわけで……と思い調べたところ、『グラディウスII』スタッフ制作の完全新作シューティングという売りこみで登場していたという記事がWikiに。完成度の高さも納得です。島本須美さんのお声に惹かれて始めたゲームでしたが、難易度が高くて進めなかったのも納得してしまいました。自分ではクリアーすることはかないませんでしたが、他の人がクリアーしているところを見たことがあります。そのときに吹いてしまった、


「私自らが出る!」注:画像はセリフ直前です。一瞬すぎて取れなかった……

 名台詞なんです。なんですけど、これを言って出てきて瞬殺されていたんです。もう笑うしかない。コナミ社内でも笑いものになっていたのか、極上パロディウスでメガホンの台詞になっておりました。そして、死闘を繰り広げたあとは衝撃の事実が明らかに! という流れなんですが、あれを見てもフリントは無敵武器でしかないんだよなぁ……
 そして苦労してクリアしたあと(普通のゲームオーバーも)はネームエントリー画面です。これにも癖があって、なんというか内容にそぐわないんですよね。何故かおみくじですよ、何故か。しかもおみくじをひいてくれるのは


ディフォルメされたフリント。

 中身でいいじゃないかと思ってしまう。まあその前におみくじいらないんですけど。
 そうそう、拙いことでも有名な本作の絵なのですが、この絵は『ときめきメモリアル』や『クイズマジックアカデミー』のキャラクターデザインを担当した方の新米時代の代物だそうで。言われてみればですが、イレーネ姫は藤崎詩織っぽい表情の時がありますな。


これとか、なんとなくそんな感じが。

 本当にこのゲーム、対戦格闘ゲームブームに飲まれさえしなければ、グラディウス並みに大ヒットしていたのではないでしょうか。本当にもったいない。残念ながら、古いタイトルをおいている店でもそうそうお目にかかれない本作、プレイしてほしいけどどうすればプレイしていただけるのか、そう思って調べましたよ。そしたら、2007年発売のPSP『沙羅曼蛇 PORTABLE』に収録されているそうです。というか、これすごいですね。アーケード版『沙羅曼蛇』『ライフフォース』『沙羅曼蛇2』『XEXEX』、MSX版『グラディウス2』が入っているそうです。ある意味コナミシューティングの決定版と言っていいのではないかと。まあ、いくつかBGMが足りないとか、微妙に届かない仕様のようですが。

 記事制作後に調べたところ、家庭用に移植されなかった一番の理由は、高品質グラフィックを実現するために高性能な基盤を使用し、さらに専用チップも組み込んだせいで、とても再現できなかったということだそうです。コナミも頭を抱えたでしょうねぇ

 それではこのへんで。ではまた~

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